作品タイトル不明
第二百十一話 北海道第七ダンジョンのボス
北海道第七ダンジョンの探索を進めていき、次の階層のモンスターの銀剣蝶も同様に撃破した。俺たちは、最終階層に到達する。
(ダンジョンのボスとご対面か)
北海道第七ダンジョンの最終階層には、ダンジョンのボスと言えるモンスターがいる。
いくつかの空けた場所にボスモンスターがいる形であり、最終階層に行って、ボスモンスターと戦えないことはまずない。
その理由として、このダンジョンを探索する際には、探索者協会からボスモンスターの討伐は1体のみと制限をかけられているからである(破った場合はペナルティ有り)。
(ミノタウロスというか、ロボだろ)
金属製の板で作られた3メートルほどの、ミノタウロスがいた。
銅像のようなものではなく、見た目は若干ロボットのような雰囲気がある。
目は紅い石となっており、メタリックな見た目をしているため、違和感というか、自然と目が行く。
(作品って感じだよな)
ロボットのような感じはするが、メカとは言い切れない、人が作ったような風貌がある。
造形に効率性や機能性を重視していないように見えるためだと、思われた。
ただ、これでも鑑定結果は、【ミノタウロス】らしい。
どういうことなのか、探索者協会を問い詰めたいぐらいである。
「今回は、しっかりと連携していきましょうか。戦術的に処理していきましょう」
経験的にも、参謀的な立ち位置が的確な、東雲がそう号令を出す。
「了解。俺はどうしたら?」
「伊藤さんは、初動とカバーですね。フレンドリーファイヤーが怖いので、基本は初動のみで」
「了解」
「ヴァルはミノタウロスに張り付いて、近づかせないようにしてください。危ない際には離脱しても構いません。その際は、伊藤さんの魔法でカバーします。日向さんはメイン火力として、ヴァルが動きを止めてる際に、背面や側面からの攻撃を主にお願いします。私は危ない時に入るのと、指揮を行います」
「分かりました!」「うん、了解」
全員で作戦を共有した後、俺たちはミノタウロスとのバトルゾーンに足を踏み入れた。
「BUMO…BUMO…BUMO…」
ミノタウロスが一定のリズムで鳴き声?を発する。予め定められた規則に則った様は、作られた存在であることを想起させる。
「いくぞ【アイス・キャノンボール】」
氷の砲弾が以前よりも、幾分早く射出される。
魔術は自由度の高いものであるが、当然、高位の魔術であればあるほどに、強い効果にしやすい。
今回は、日向さんがいることを考え、ほとんど強化はしていなかった。
(それでも、効くよな)
あの図体で避けることはできない。
正確には、【アイス・キャノンボール】のような、速さをそもそも重視している魔術を避けれるようなモンスターではないと思われた。
実際、しっかりと命中しており、明らかなダメージがある。
「ヴァル、日向さんお願いします」
東雲の言葉に、一気に前へと躍り出る二人。
鹿のような俊敏さで、ミノタウロスの前に出たヴァルは大盾を振りかぶり、自身の身長ほどもある足に向かって、その巨大な塊をぶつけた。
「BUMOBUMO」
だが、足をすくわれながらも、ミノタウロスは手に持っていた斧を振りかぶる。
それにはヴァルも、すかさず大盾を構え、ミノタウロスが振った巨大な斧を受け止めた。その瞬間、ミノタウロスとヴァルの双方が硬直し、隙が生まれた。
「今です」
いつものように、既に体勢を作り、ミノタウロスの背面に移動していた日向さんが薙刀を振るう。
「すみません、浅く入りました」
日向さんは直ぐ離脱し、ヴァルはミノタウロスから距離を取った。
「【アイス・キャノンボール】」
俺の魔術によって、ミノタウロスは五メートルほど吹っ飛ばされる。
だが、その赤い目は、俺たちをしっかりと捉えていた。