軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

78 初外食は塩味Only

帰りは転移装置で帰ることになっているので、階段のところまでやって来た。水晶部分に触るか、触っている人に触れていれば転移できるようだ。

パーティー全員で転移する時は1人が水晶に触って、それ以外の人は適当にくっついてって感じだ。ちょっとビビってたからよかった…。

エレベーターに乗った時のような浮遊感を感じたと思ったら、あっという間にダンジョンの入口にいた。

「晩飯は宿で食えるからこのまま真っ直ぐ宿に帰るぞ」

「なんか買う物あったっけ?」

「特にないだろ。ポーションも使わなかったし」

「僕、調味料が欲しいです」

「調味料? 塩なら持ってるぞ」

「えっ、塩しかないんですか?」

「調味料と言えば塩だろ。あとはワインビネガーくらいか? スパイスも少し出回ってるけど、貴族が使うくらいで俺達は大体塩だな」

「香草なら売ってると思うよ」

まじか…。流石に塩味はもう飽きたんだけど…。明日はスパイスになりそうな物を中心に探そうかな。

宿に着き受付にいるお姉さんに話しかけると部屋の鍵を受け取る。4人部屋を取ったみたいで、私は誰かと一緒に寝るらしい。まぁ、身体が小さいからな。ハクは部屋の中だけならいてもいいみたい。

夕食の時間になり1階の食堂で晩ご飯を食べる。何かの肉のステーキとサラダ、スープ、パンがセットで出てきた。ボリュームがすごいが全部薄っすら塩味だ。

少し食べたけど、パンはカチカチで歯が立たなかったし、ステーキも獣臭いし固い。サラダは何故かすごく青臭いうえ、塩がかかっているだけだ。なんとかスープは飲めたけど、味が薄過ぎで美味しくはなかった。

そういえば、これが初外食だったな。この味が普通なら最悪だ。外食はもうしないかもしれない…。いや、出来ないな。普通に食えん…。自分で作ったほうが美味しいわ。

「ごめんなさい、ご馳走様です…」

「なんだ、全然食ってないじゃん」

「すみません、固くて噛み切れないです。(なんか、全体的に臭いんだよなー)」

「あー、なるほど。スープおかわりするか?」

「いえ、先に戻ってハクにご飯あげてきます」

鍵を借りて部屋に戻るとハクにホーンラビットの肉をあげる。嬉しそうに尻尾をブンブン振っていて可愛い。そろそろ追加で確保しないと足りなくなりそうだな。頑張って狩らないと!!

私もアイテムボックスからクレープを出して食べる。クレープ生地がモチモチして美味しい。塩味だけどカチカチパンよりは全然マシだな。

次に焼いただけのレッドボアのステーキを取り出す。一口大に切ってあるのでフォークで突き刺して食べてみるけど、臭みもなく柔らかくて美味しい。

食堂の肉はなんであんなに不味かったんだろう?変な肉でも使ってるのかな。もっといい店なら美味しいかもしれないから、お金に余裕ができたら食べに行きたいな。…行けるのが高級店のみになったらどうしよう。

食後、4人が部屋に戻ってきた。この後はお酒を飲みに行ったり、賭博場に行ったり、大人のお店に行ったりするくらいしかやることがないらしい。

「行かない場合は?」

「寝るだけだ」

うーん、娯楽がないな。そういえば、ファンタジー小説の主人公達はやたらとオセロ(リバーシ)を作っては広めていたけど、納得したよ。遊ぶ物がないと暇過ぎる。私も先人に倣ってオセロを作ったほうがいいのかしら?

そんなツテはないし、ただ面倒なだけだな。どうしてもやる事がない時に、作るかどうか考えよう。

ジャンさんとレストマさんは1階の食堂で晩酌タイムだそう。リーダーは読書、ミーヤさんは武器の手入れをするみたい。

本は羊皮紙の物と植物紙の物があるようで、植物紙のほうが少し安いから娯楽用の本によく使われているそうだ。それでも本自体が高い物なので普通の平民は縁がないらしい。そもそも識字率も低い。

流石Aランク冒険者だな。気になるのであとで見せてもらおう。

さて、私は何をしようかな? できれば今のうちにお風呂に入りたいんだけど、囲いがないんだよなー。下だけ隠して堂々と入ったほうが不自然にならないとは思うんだけど、ちょっと勇気が必要だ。

しばらく悩んだけど、他に解決策が出なかったので、部屋の隅で隠しながらコソッと入ることにした。たぶんおケツは見られちゃうけど、この際、性別さえバレなきゃいい。

アイテムボックスから盥を出してお湯の準備をしていると、リーダーがまたかよって顔で見ている。

今日は馬車移動したし、ダンジョンで土を掘ったりしたから汚れているんだよ。スッキリしたっていいじゃないか。このままじゃ、気持ち悪くて眠れない!!