作品タイトル不明
26 採取をしよう
「あなたが1人できたときはびっくりしたわ。昨日、教会に行った見習い冒険者から子供が1人足りないって聞いていたから。白髪の子って言っていたから、あなたのことだと思ったんだよね」
「昨日はすぐに帰りましたからね。そんなことになっていたなんて知りませんでした」
だらだら残っていたら一緒にされていたかも。あぶなかった……。他の子供にとってはよかったんだろうけど。
「だから、あなたは一緒じゃなくていいのかなと思って。1人じゃ大変でしょ? 住むところもあるわよ」
「そうなんですか? でもいいです。気をつかうし、そういうの苦手なんで」
スキルのこともあるし、なにより集団行動が得意じゃない。前世でいい経験がないからな。もともと1人で生きていく予定だったから、このままでいいや。
「あなたがそう言うならいいけど……」
「かなり困ったときは頼るかもしれませんが、それ以外は1人でいいです」
「わかったわ。何かあったら相談してね」
「ありがとうございます。あ、そろそろ帰ります」
他の子供たちのことは少し気がかりだったので、話を聞いておいてよかった。これで心おきなく自由に出来る。
もらった荷物には大きな袋があったので、それに入るだけ入れて持って帰ることにした。あとでアイテムボックスに移すからちょっとくらい重くても大丈夫だろう。入らなかった分は明日取りに来るから置いておくように頼んだ。
「それじゃあ、ありがとうございました。また来ます」
「じゃあね」
自分の身体より大きな袋を肩に担ぎギルドを出た。
ヤバい、けっこう重い…。身体強化しているけど、それでも重い。早く人気のないところにいかないと落としそうだ。
なんとか路地裏までたどり着き、アイテムボックスに荷物を仕舞う。はぁ~、キツかった。もう少し身体が大きくならないと、なにをするにも大変だな。
必要な物はまだまだあるが、しばらくはもらった物でなんとかしよう。もう少しお金を貯めておかないと不安だから、食べる物があるうちは我慢しよう。
まだお昼前で時間もあるから、野宿出来るところを探しにいこう。城壁の中でいいところがあればいいんだけど、なければ外に探しにいかないとな。
とりあえず、人の少ないところで、できるだけ綺麗なところがいいんだけどあるかな?
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ギルドの近くや教会のまわりなど探してみたけど、いい場所がなかった。あるにはあったんだけど、他の子供が使っていたんだよね。スラムにいた子供は見習い冒険者が世話しているって言っていたから、それ以外の子供だと思うんだけど……。
他の場所も見てみたけど、あんまりいいところないなぁ。やっぱり、危ないかもしれないけど、城壁の外に行くしかないか。
木の上ならなんとかなるかな。とりあえず行ってみよう。どうしようもなかったら前の家にでも行って隠れよう。
城門を出てスラム街のほうへ向かう。ついでに途中のゴミ山で使える物がないか見てみよう。城門に近いところならいい物が残っているかもしれないし。
ゴミ山に近づくと、何人か人がいるのが見えた。できるだけ関わりたくないので、人のいない場所でゴミ回収をすることにしよう。
前にやった掃除機スタイルで適当に回収していく。近くに人はいないので大丈夫だと思うが、念のため素早く終わらせよう。
ゴミ山が崩れないように気をつけながら10分ほど回収したのでそろそろいいかな。アイテムリストのチェックはあとでやろう。使える物があるといいんだけど…。
ゴミ山から離れ、昨日まで住んでいた家に向かう。気配察知で人がいるか探ってみたけど、どうやら誰もいないようだった。マップを見てみると、母親だと思っていた女性は城壁の中にいるみたいだ。
最悪の場合はここに戻ってくるしかないけど、できるだけ自分でなんとかしよう。もう戻ってこないと思って家を出たのに、その日のうちに戻ったんじゃカッコ悪いしね。
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いつも行っていた草原までやって来た。まだ草原の入口近くなので、野宿するのによさそうな場所はないな。レナウス草が売れたから採取しながら移動しよう。
そうだ、鑑定のスキルが成長したんだった。名前の付いていない草も鑑定でわかるようになったから、もしかしたら食べられる植物があるかも。
早速スキルを使ってみる。今までは名前の付いていたクルト草とレナウス草しか見つからなかったけど、今回は視界にたくさん表示されている。
しかし、全部【草】としか表示されていないので、1つずつ確認しないといけないようだ。
前に名前を変更したどくだみはちゃんと表示されているから、1度名前を変更すればあとは鑑定でわかるようになるみたい。
試しに、近くにあった小さな茂みを鑑定する。これ、絶対見たことあるんだよね。というか、前世で育てていたハーブにそっくりだ。
【草】
名前の付いていない植物。食用可。
日本では主にローズマリーと呼ばれている。
生や乾燥させた状態で使用し、花も食べられる。
血液循環の促進や、消化の促進、抗酸化作用等
さまざまな効果がある。
肉や魚、野菜とも相性がよく幅広く使用可能。
食べるだけじゃなく、美容にもよい。