軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

25 買い取ってもらおう

冒険者ギルドの近くまで戻り、人気のない場所を探す。【気配察知】のスキルを使いながら近くの路地裏に入る。

誰もいないのを確認してアイテムボックスからレナウス草を取り出した。

「あ、買い取りはやってるって言ってたけど、金額を聞くの忘れてた」

肝心なことを忘れてたよ。とりあえず、持てるだけ持っていこう。お金が手に入ったら、荷物用のバッグか袋を買ったほうがいいかもしれないな。

レナウス草を持ってギルドの中に入ると、さっきの受付のお姉さんが気がついてくれた。

「本当に持ってきたのね。しかも、キレイに分けてあるし」

「一応、5本で1束にしてあります。確認と買い取りお願いします」

基本的に几帳面なほうだ。特に、他の人に見えるところはきちんとしていないと落ち着かない。

多分、毒親のせいで人の顔色をうかがうクセがついているからだと思う。必要ないかもしれないけれど、少しでも良く思われたいからやっちゃうんだよね。

「鑑定してくるから少し待ってて」

今回持ってこれたのは6束、30本だ。結構ムリして持ってきたから、できればいい値段で買い取ってほしい。アイテムボックスに残っているレナウス草をどれだけ売ろうか考えているとお姉さんが戻ってきた。

「全部レナウス草で間違いなかったわ。買い取り金額は3本で500クランだから、30本で5000クランになるけどいい?」

ん~、いまいち価値がわからん。悪くはないと思うし、お金が手に入るだけよしとするか。

「ありがとうございます。それでお願いします」

「渡すお金はどうする? 5000クランだから、小金貨1枚で渡すか、他の硬貨で渡すか、どっちがいい?」

ようは、5000円札1枚で渡すか、1000円札5枚かってことだよな。あ、そう考えると分かりやすい。価値は違うだろうが単位は大体同じだし、1つの基準になりそう。

「細かくでお願いします。銀貨1枚、小銀貨6枚、銅貨10枚にしてください」

「わかったわ」

別室に行ったお姉さんは小さな革袋を持って戻ってきた。

「確認してもらえる?」

初めて見るお金は日本のものと違い少し不揃いだ。何かの植物や生き物の模様があるが、あまり精密ではないな。枚数を確認して革袋に仕舞った。

「ありがとうございます。そうだ、ここに袋って売ってたりしますか? 荷物用にいくつかほしいんですけど。なければ、売っているお店を教えてください」

「あるわよ。古くなっていらないやつもあるからあげるわ。捨てるやつでいいなら他にもいろいろあるけど…いる?」

「もらえる物ならほしいです。直して使うので、壊れているものでも構いません」

「じゃあ持ってくるわね」

「ありがとうございます。お願いします」

受付のお姉さんは本当に親切だな。いらないものだって言ってたけど、それでももらえるなら嬉しい。

タダより高いものはないっていうけど、貧乏人にとっちゃタダでもらえるなら何でももらっておかないと、やっていけないんだよね。少なくとも、前世の私はそうしていた。

待っているとお姉さんが大きな木箱を持ってきた。中には汚れた布や袋っぽいもの、縄などが入っている。他にも古くなった木製の食器や水筒のようなものまであった。

「こんなにもらっていいんですか?」

「どうせ、ゴミとして捨てるからいいわよ。古いし、汚れているものも多いけど、使おうと思えば使えるわ」

ほしいと思っていた物もけっこうあるな。これならだいぶ節約できる。

「本当にありがとうございます。助かりました」

深々とお辞儀をして感謝を示す。

「これからどうするの?」

「とりあえずは住む家を探そうと思います。しばらくは野宿でもして、お金が貯まったらテントか何かを買おうと考えてます」

「他の子供たちと一緒に行動しないの? 確か、先輩の見習い冒険者が面倒を見ているはずなんどけど…」

そうなのか。一応詳しく聞いておいたほうがいいかな。こちらから関わる気はないけど、私の姿は他の子供にも見られてるし、何かあったときに頼らないといけなくなるかもしれない。

どういう状況なのかだけでも確認しておこう。

「ここでは早くて3歳、遅くても6歳で親元を離れる子供がいるのは知ってるでしょ。あなたもそうだと思うけど…」

「はい。ギフトがなくてステータスも低いから捨てられました」

「そういう子供は結構多いのよ。春と秋の儀式の後には必ず出るわ。でも、まだまだ子供だから1人じゃ生きていけないでしょ。親も国も教会も助けてくれないしね」

「そのようですね」

「いつから始まったのか、誰が始めたのかは分からないけど、だいぶ前から見習い冒険者が面倒を見るようになっているのよ」

「へー、お金もかかるし大変そうですね」

「そうね。でも、今、面倒を見ている見習いはその上の見習いに世話してもらっていたし、その上は更に上にって感じで代々続いてるの。大変なことも多いし、正直1人のほうが楽だったかもしれないわ」

「お姉さんもお世話になっていたんですか?」

「そうよ。6歳から成人までね。世話してもらったし、それ以上に世話したかも」

だからこんなに親切にしてくれるんだ。国は最悪だけど、意外といい人も多いのかもしれない。