作品タイトル不明
18 交渉しましょう
かなりの時間をかけて処罰の内容を考える。私の人生クソみたいだったけど、私なりに頑張って必死に生きてきたんだ。やっと希望が見え始めたところだったのに!
帰ることも出来ず、さらにスラム街に転生なんてあまりにも酷すぎる。ちゃんと反省するような罰を受けてもらわないとな。
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「本当にそれでいいんだな?」
「ええ、これでお願いします」
私が決めた内容はあの女性に人間として転生してもらうことだった。ただし、私と同じ環境で尚且つスキルが一切ない状態での転生だ。
私の場合、スキルがあったからなんとか生き残れたけど、そうじゃなければかなり難しかっただろう。いや、無理だな。だからこそ、彼女にはスキルをつけないように頼んだ。
運良く成長することが出来てもスキルはなし。この国でギフト・スキルがないっていうのはかなりのマイナスになるから、これで反省してくれればいいんだけど…。
ちなみに、期限はない。ちゃんと反省するまで何度死んでも転生して繰り返す。ちゃんと記憶は残った状態でだよ。フフッ、我ながらいい案じゃないか。きっといつかは改心すると思うんだ。
「じゃあ、あとはお願いしますね。ちゃんと罰を与えてくださいよ」
「…わかった。あとはこっちでなんとかする」
「ありがとうございます。そういえば、なんで今になって会いに来たんですか? 3年も音沙汰なしだったのに…」
サポートしていたって言ってたけど、心当たりがないんだよなぁ。どうせならもっと助けてほしかったんだけど。
「そう簡単に出て来れるわけじゃないからな。本来なら人間に直接何かしてあげることは出来ないし、会うことも出来ない。今回は教会だから来ることが出来たんだ」
なるほど、そりゃそうだ。神様が気軽に現れてたらパニックになるわ。よく夢に出てくるとかあるから簡単にいけると思ってたよ。
「サポートって何をしてくれていたんですか?心当たりがないんですけど」
「スキルポイントを10倍にしてやっていただろう」
「レベルアップすると10ポイントずつ上がっていたけど、それが通常じゃないんですか?」
「通常は1ポイントずつで、レベル10ごとに2ポイント上がる。最初の約束通り、スキルポイント倍増だけでもよかったんだが、予想外の事が起きたのでそのお詫びに増やした」
「あぁ、突き落とされたことですね…」
「そうだ、あの後大変だったんだ…。まぁ、とにかく本来なら2倍なのを10倍に増やしてやっていたんだよ」
確かにスキルポイント10倍は助かった。おかげで最低限の生活はなんとかなったんだよね。これからも継続してもらおう。
「あと、ステータス画面も使いやすいようにしておいたぞ。ずっと分かりにくいってぼやいてただろ、自分で変更出来るようにしておいたから使いやすくなったはずだ」
「そうですね。前のが分かりにくかったので、だいぶ使いやすいなりました」
「そうだろう! あとアイテムボックスだな。アイテムボックスの中でスキルを使えるようにしたから便利だろう!」
「あれはすごく助かりました。神様のおかげだったんですね、ありがとうございます」
「うんうん、我ながらいいサポートだった。こんなこと神である私にしか出来ないことだぞ」
…もう一押しかな。
「そうですね、本当助かってます。ステータスもたくさん上げてもらったので、スキルを使っても魔力切れにならなくてだいぶ楽になりました」
「さすがにこれ以上の急成長は逆に危ないからレベル10からは通常通りだが、それでも普通の人よりは多く成長しているぞ」
「いえいえ、充分ですよ。3歳にしてはステータスが高過ぎるくらいですもん。すごくありがたいですけどね」
「いいサポートが出来てよかったよ。他に困っていることはないか? 可能なことなら何とかしてやろう」
きたっっ!! それを待っていたんだよ!
「…実は、いくつか困っていることが…。聞いていただけますか?」
「もちろんだ」
……私が何の理由もなしにおだてるわけないでしょ。ミスのお詫びとしてさらにスキルもらいますよ。いや、欲しいスキルがなかったから作ってもらいます、だ。
スキルの【隠蔽】を使っているからなのか、単純に心の声を聞いていないだけなのかは分からないが、まだ私の思惑はバレていないようにみえる。
今のうちに、こっちに有利な提案をしておこう。ある程度の内容ならお詫びってことで聞いてもらえるだろう。
「やっぱり、日本に帰ることは出来ないんですよね?」
「ああ、そればっかりはどうにもならない。すまないな」
「いえ、もう諦めはついているので大丈夫です。ちなみに、日本の物を取り寄せることは出来ますか?」
「それも出来ない」
「ですよね~。ちなみに何なら可能ですか?」
「協力してやれることかどうかは別として、この世界の中のことなら大概は可能だ」
なるほど、日本の物は手に入らないか。化学調味料や合成着色料が恋しい……。
「ならお聞きしたいことがあるんですが、いいですか?」
「ああ、なんだ?」
「これは何だか知っていますか?」