作品タイトル不明
図鑑がきた
「 理織(りおり) 、図鑑持ってきたよ」
瑠理(るり) が、図鑑を抱えてやってきた。
思ってたよりも、デカくて厚くて重量感たっぷりの図鑑だった。
すごい!
すごいけれども幼女には、持てないサイズだったわね。
「ばぁば、あーがとー」
「どういたしまして」
「お母さん、こんな本格的な図鑑だったかしら?」
「そうよ。 連理(れんり) はあまり石に興味持たなかったから、見た記憶がないんじゃないかしら?」
瑠理は、そう言って笑った。
図鑑見たい。早く見たい。
「ママ、みたい」
「どこで見る?理織は持てないから、どこかに置いて見ないとね」
「した、おいて?」
「フローリングはダメよ。絨毯の上か、クッションか何かの上じゃないと、本が傷んじゃうわ。ちょっと待ってね」
連理は、何かを抱えて戻ってきた。
ラグマット敷くからちょっと待ってね。と言って広げてくれた。
ラグマットと言うらしい。
図鑑を置いて、私がゴロンしても大丈夫な大きさだ。
連理は、図鑑を置いて、最初のページを開いてくれた。
石の名前と石の絵?じゃなくて写真ってやつね。それに、特徴や組成が書かれていた。
形成成分と組成は同じものっぽいな。
『アレド、記録しておいて!』
『承知しました。順番に作ってみたいですね』
アレドの言葉にうっかり、ニヤリとしていたようで、
「理織、悪い顔して笑ってる。何か思いついたでしょ?」
連理に笑いながら言われた。
顔に出てた!?
『これは、魔宝石変換魔法を実行するタイミングじゃない?』
『まさしく!』
「ママ、これ、まりょく、かえる、できる?」
「また魔力から作るの?何を?」
これ、と組成部分を指差す。
「この組成で、この石を作るってこと?」
「あい」
「連理、ちょっと待って、どういうこと?」
あっ、瑠理もいたんだった。忘れてた。
「理織のギフト覚えてる?」
「創造魔法だったかしら?」
「そう、で、その魔法で魔力を魔石に変換する魔法を作ったことがあるのよ」
「はっ!?魔力を直接?」
瑠理が私を見たので、肯定の返事をした。
「あい」
「たぶん、そんな感じで魔力をこの組成の石に変換しようとしてるんじゃないかしら?」
正解です。
ただもう変換魔法は出来てますけども。
今作るフリするけれども。
「あい」
創造した魔法は、こんな魔法。
魔宝石変換魔法
どんな魔法か定義
魔力を魔宝石に変換する。
魔力量は指定。
魔力提供者は指定。
魔宝石の形成成分も指定。
もう出来てるからね。
出来たって言っちゃうよね。
「できた。まりょく、いし?ほうせき?する、まほう」
「少しの魔力で、何か作れる?」
「どの、いし、ちゅくる?」
「そうね、サファイアとかにしてみましょうか?」
創造魔法→魔宝石変換魔法→魔力300、提供者理織、形成成分Al2O3
サファイアとルビーってクロムが入るか入らないかの違いなのね。
変換ボタンをタップ。
手のひらの上に、小さな魔宝石が出来た。
「できた」
手を開いて、サファイアを見せると、2人ともすっごく驚いてた。
『サファイアも綺麗な色ね』
『はい、これはますます色々作りたくなりますね』
魔宝石サファイア
天然サファイアとも人工サファイアとも違い、魔力で作成されたサファイア。
魔力を貯めておけないが、付与魔法と相性が良い。
アクセサリーにも適する。
ルビーの時と同じ鑑定結果ね。
連理が、 理(さとる) を呼びに行った。
連理も瑠理も鑑定取得してないんだね?
連理に連れられてきた理に聞かれる。
「リオ、またなんか作ったのかい?」
こりぇ、と手の上のサファイアを見せた。
理は、じっと見て叫んだ。
「魔宝石!?」
「まほうせき?魔法の石ってこと?」
「ちがう、魔の宝石、だね。魔力は貯められないけど付与と相性がいいみたいだよ」
「すごいじゃない!理織、その魔宝石サファイア、ばぁばに貸して?」
「あい」
「本当に綺麗だねぇ」
「理織、このサファイアに魔力いくつ使ったの?」
「しゃんびゃく」
300が言えない。
「300?300でこれが作れるの?」
「あい」
「ばぁばの魔力でも出来る?」
「あい」
「このエメラルドできる?魔力1000で」
「あい」
創造魔法→魔宝石変換魔法→魔力1000、提供者瑠理、形成成分Be3Al2Si6O18
変換ボタンをタップ。
瑠理は驚いたように、手を開いて手のひらを見た。
緑色の宝石が乗っていた。
先ほどのサファイアよりは大きい魔宝石の出来上がりだ。
瑠理は、理に鑑定をお願いしている。
魔宝石エメラルド
鑑定結果はサファイアと同じだね。
魔宝石も蜜魔石も魔導具で作れるようになったら、付与出来るアクセサリーの幅が広がるわよねー。って瑠理が大興奮している。
楽しそうだね。
あっそうだ。
「パパ、みちゅましぇき、しぇいぶん、わかる?」
蜜魔石の組成わかったら、魔宝石扱いでつくれないかしらねぇ?
紙に書いてくれたのを見ながら、設定してみる。
魔力600だっけ?
変換ボタンをタップ。
あっ、手のひらには明らかに違うものが乗っていた。
あーだめだったかー。
そう、上手くはいかないよね。
「みちゅましぇき、だめ…」
うーん、残念。
理の魔導具に期待するしかなさそうだわね。
しかしこの失敗したものは、なんだ?
鑑定
蜜粘土
硬化付与で固まる。
「パパ、これ、なに?」
「蜜粘土?だそうだ。粘土ってことは、形を変えられる?硬化で固まるらしいから、手でいじれるんじゃないかな?出来たら硬化すれば、その形で保存できるかも?」
それはそれで面白いわね。
でもこの幼女の手じゃムリなのよぉ。
瑠理に渡そう、そうしよう。
「ばぁば、あい」
差し出してみる。
「くれるの?」
「あい」
「ありがとう、何か作ってみるわね」
「理織、ママの魔力使っていいから、蜜粘土ママにも作って?」
「ほちいの?」
「欲しいなぁ」
って言うから、同じものを作る。
「あい」
連理の魔力で作成する。
「ありがとう。何これ手触り面白いわね」
お気に召しました?
失敗でも、なんか面白いものができるのは、楽しくてありだね。