軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

06記者が日々彼らを追い回す様は見ていて胸がスッキリする。いいぞもっとやれ

「うーん!帰ってきた!我が故郷」

「お前なぁ、あの時は真面目モードだったから余計なことを言わなかったが、ふざけるなよ?こっちのセリフだぞ?」

「あー、久しぶり?元気だった?」

「元気じゃないな。お前が死んで転生するのをずっと待ってた」

「ごめんって」

何百年も前に精霊王として、少し世界の竜脈が乱れてるなと迂闊に近寄って、この星では滅多に起こらない大規模なエネルギー放出を浴びた。いつもならば即移動できたけどそのときに、ふとこのまま浴び続けたらどうなるのだろうかと思ったのだ。

そうしていたら、精霊王としての身体を滅ぼしていた。ノンファンはブラーシュたちにお別れを言わないまま転生したことを思い出して気まずくなる。

どうしよう、なにかあげた方がいいのかな?

「どうしたらいい?あ、キスしてあげようか?ほっぺプニプニする?」

「……永遠の誓いを」

冗談みたいなことだったのに、相手は真剣に黙る。

「永遠の誓い?なんだったか……えっと」

「居場所を知れるようになる契約だ」

「そっちこそいいの?私に常に居場所が知れてしまうのに」

首を傾げて正気を疑う。

「構わない。聞いてくれれば言うけどな」

妖精も精霊も人間とそう変わらない。性格も色々、明るいのもいれば静かなものもいる。約束だって守るものもいるし守らないものもいる。魔法が使えるかどうか、とノンファンなりにそこは理解していた。

心配させた、のかな。どこにいるか知りたいと言うのならば別に構わないけど。

「取り敢えず今すぐ誓いを」

誓いのやり方なんて知らないけどな?

「やり方を調べてからやろうよ」

「いや、今すぐ」

落ちついてくれ、と肩に手を当ててポンポンとさせる。

「ノンファン、せめて場所がどこか知りたい」

「ノンファン?昔は精霊王様って言ってたのに」

ノンファンとブラーシュは幼馴染だ。たまたま精霊王の適性者だったので、精霊王になっただけ。違ったのならば逆の立場だったかもね。

「わかったわかった。ちょっと待って」

何故か、というか焦るのは当たり前か。納得しながら髪を一本ぷちりとしてから魔法で指輪にした。それを彼へ渡す。無くさない形態にしておいたよ。

受け取ると居場所を知れるようにしておいたので、指輪が気配を辿ると本人に行き着くというものにした。男は指輪を指につける。男らしいデザインなので満足。

彼は確認してからまぁいい、と謎の上から目線。前は一歩引いていた対応だったから、なんだか気安くて嬉しい。

ほんのわずかな期間だけ二人はここまで気安くて、話しやすかったのに精霊王の儀式を終えるとよそよそしくなったのだ。寂しかったけど相手の立場を考えたら一歩引くのも、妖精や精霊の本質のせい。

「よし、これで解決したね。これからたっぷりいろんなところ行きたいから、出かける」

「は?帰ってきたばかりだろ」

「精霊王の継承しようかな?」

「まだまだ先だろ?めんどくさがりなのは変わってないな。人間として死にかけていたのを見た時は仰天したぞ」

「え?ブラーシュが仰天?」

「当たり前だ……血だらけで。人間になってる上に、姉が妖精の愛し子?お前は精霊王なのに?なんの茶番かと思ったほどだ」

「いや、わたしもびっくりしたし」

気付いたら血まみれ、腕や頭はズキズキしたし、獣王の側近はブラーシュに一撃でやられているしで。なにからどうやろうかと、チャートをまとめるのに苦労した。

「でも、あ、じゃあ、一緒に行こう」

「……おれは、お前の側近、だから、一緒に行くのは……越権行為、だ」

相変わらずの真面目、生真面目だ。しかし、今回からは同じではない。なぜなら、今回は人間であり生粋の妖精ではなくなったからだ。

「それがそうじゃなくなったんだよ。なんでかわかる?」

「なんでだ?」

「私はね、高エネルギーを浴びて身体をなくしたから、この世界の整備をしなくちゃならない。ということは、精霊王や側近があちこちに行ってやらなきゃいけない。仕事をしないといけない」

「仕事?」

頷く。彼は精霊王の補佐なのでついてくる権利が発生する。

「私と一緒に世界の整備をしに旅行しようか?」

ふふ、と笑ってノンファンはブラーシュの手を引いて他の場所へ移動した。

彼と一緒に来なかった場所へ行って食べたり、絶景を見たり兎に角連れ回す。

「おい、忘れてないか?」

アイスクリーム六段を注文して、ブラーシュに倒れないかとヒヤヒヤさせつつ歩いていると問われる。

「っえ?なに?なにか忘れてたりする?」

「これ、だ」

ブラーシュは新聞紙を見せて指を差す。そこには獣人国と生まれた国がすごーく大変なことになっている記事が載っていた。

そこには、お辞儀する国王や番の元妖精の愛し子を抱きしめる獣王が、記者から庇うように写っている。謝罪会見と、うーんこれは……パパラッチたちに追いかけられている、ロイヤルな人たちの図かな?

首を傾げて言い当てると顔が整っている側近はやれやれ、と首を振る。もう、真面目なんだから〜。ちょっとしたジョークなのに。

にこにこと笑みを浮かべると、相手はため息を吐いて「まあいい」と手を振る。

新聞紙は亜空間に収まった。

精霊王や精霊にまでなると、誰でも魔法を自在に操れて好きにできる。こうして、ものを収めることなど、おちゃのこさいさい。

二人は色んなところを回りながら、たまに元家族や姉や獣人の王ガオンのところに現れて仕返しをしていた。そろそろ、またやろうかなと思い始める。

ノンファンは謝罪会見らしきことをしている国王のことも加えて、嫌がらせに行こうよと暇つぶしを提案する。

「それを言うのを待ってたんだ」

「燃料投下?だよね」

記者が日々彼らを追い回す様は見ていて胸がスッキリする。