軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

05精霊王を処刑しようとした人の獣。誰にも真似できないことをやってのけた今世紀の大罪人が決定

会うたびに、誰かに会っている時に毎日のように暴力を受けているように頭を抱えておやめくださいご主人様!打たないでください!

姉の服を貰っただけなんですぅ。私には一着も買ってもらえなかったから、お古の服だけでもほしくて!

まさか、連座されたり処刑されたりするんだったら裸で過ごせと言うのですね?

ごめんなさい。ただ服を、姉妹にもらっただけでしてと言われるんだったら!言ってくださったらよかったのに!って。

人がいる前で毎回突然現れてやろう。そうしたらこの人部屋から出なかったりして。出なくなるとどうなるんだろう。

ご飯の時とかも人に運んでもらってる時にしたら食べなくなるのかな?そうなったらなったで王を交代?

いや、人目なんて気にしないかもね。それはそれで好きにすればいい。精霊王を処刑しようとした人の獣。

全ての妖精や精霊から恨まれる。さてさて、精霊たちがいないのにいつまで強気で生きられるのか。彼が良くても国民はどうなのだろう。

いつその王座から蹴落とされるだろう。いくら実力主義とは言え。女で身を滅ぼしたようなものなので、姉も国の国民に恨まれるだろう。

妖精の愛し子のままならなんとかなったかもしれないけど、もう違うからね。身を守れるものがなんにもない。

「そ、の、しゃ、ざいを……」

「そうだ!」

ガオン獣王がなにか戯言、いや、寝言を言おうとしている。はっはっは!

笑える笑える……そんなわけないじゃない?ふふ!

バカらしくて笑ってしまう。あまりにも人を軽く扱いすぎているね。自分と番以外どうでもいい。うん、獣らしくていいよ?

泥舟に乗って共に沈めるので。姉もこの国も獣人国も。まとめておさらばするので。誰も逃すことはない。

「私は世紀の犯罪者らしいんで、この国から戸籍も抹消されるんですね?じゃあ、手間を省いてこっちで全部やっとくね!感謝してね?この国の貴族だった証明も、この国の人だった証明も、愛し子……ぷ!」

自分で妖精の愛し子って……って、なに?いやいや、精霊王を前に妖精たちに愛されてるんですよって、恥ずかしいよね普通?

これからもそれを名乗るの本当にやるのかな?

妖精たちにチヤホヤレベルで精霊王を目の前にして愛されてますよって名乗るのは恥なんてレベルじゃないし、布団に入って丸まって済ませられる話ではない。

「確かにおれも笑いたくなったが。我慢したんだがな。愛し子とはよく言えたものだな」

「そ、んな、ちがっ」

ブラーシュも姉に向かってバカにした声音になって、姉メーライが顔をみるみるうちに赤くして震え出す。

確かに高位精霊から愛し子とか、妖精に好かれていますは、言った後に後悔するセリフだ。よくも言えたよ。

ノンファンからすると姉が好かれていたのは理由を知っているので呆れ果てている。

ノンファンの近くにいたなら魂に触れたりノンファンの何かしらの成分を得てしまったか、赤ん坊として生成されるときにノンファンの細胞や血液が一部姉の中に入ったか?

でも、双子というわけではないから。それでも母親の中になにかしら残っていたならば。ノンファンを宿した体で姉の体にすごく埋まった精霊王の因子が、姉の体に行き渡った可能性もある。色々可能性があるし、他にもあるかもしれない。確実ではない。

姉メーライは生まれつき妖精の愛し子であったと聞いたことはない。ノンファンが生まれたあと、らしいから。聞いた話ではその家に集まった妖精を見て、姉は妖精の存在や不思議なことを体験したのだそう。

「今日から愛し子とか名乗るのやめてね、メーライ」

「え」

姉を呼び捨てにしたことなんてない。姉様とか姉とか呼んだこともないけど。だからこそ、メーライという名前を呼んだのも初。全て今日で何度目の初めてなのだろうか。

正直、この二人を今すぐコテンパンにしたい。あ、でも、やろうかなぁ。ウキウキする。

「メーライ、妹……わたしを殺そうとしたってことで、いいよね?」

「な、違う!違います!」

ガオンが言い訳を言ったけど、奴隷に落とされて十二歳の子供がどれほど生きられるのか?

ほんっとにふざけんな。怒りがブチっとなる。人間の部分で感情が抑制できないみたい。人間になってここまでコントロールできないなんて。

「連座で処刑しようとしたくせに、白々しい〜。妖精の愛し子は身内殺し〜、あー、こわこわぁ」

魔法で身内殺し、怖ーい、こわーいと録音した声を部屋に流して、ここでなにがあったか詳しく内容を具体的にしたものをさらに拡散させた。

街に魔法陣を出現させて妖精の愛し子が番を使い、服を買ってもらえなかった可哀想な妹を服を盗っていくと言いがかりをつけて、獣王に連座で処刑させようとしたとんでもない希代の魔女だ!と声が国民たちへ全てを知らせていく。

少しずつ広がっていくので、他の町にも広がっていくから、止められない。他国にも広がっていくので悪評は響く。

ノンファンが精霊王とは思っておらず、精霊の愛し子かもしれないという妖精の愛し子よりもグレートな存在に変化しているので、扱いは悪くなるだけ。

妖精と精霊の明確な違いを人間たちは知らないけれど、人型を取れる精霊と取れない妖精では違いなど一目で分かろうものだ。

夜会のキラキラした明かりも見納めかな?

それとも、イタズラに姿を変えて気づかれない姿になり踊りに行くのもいいかな?

姉の落ちぶれたところや獣王のげっそりした姿を見に獣人国へ向かうのもいい。いやあ、楽しみが増えた。

奴隷として大々的に遊べる。奴隷になんてなってないけど。奴隷なんてあくまでまだ言葉だけ。

けれど大国の獣王の言葉など決定事項と同じ。他国も大国に倣うから。その大国が下手を打ったということは、この大国の終わりと大陸の揺らぎが待っている。

抑止力がなくなるってこと。

妖精の愛し子が精霊の愛し子を殺そうとした事実(本当は精霊王だけど精霊の愛し子の方が都合がいい)は大陸に激震を走らせることだろう。

周りが顔つきだけでノンファンとブラーシュを止めようとするが、二人は姉の妖精とこの国の妖精を一人残らず連れていく。

ふわりと煙のように蜃気楼のように、妖精も精霊も連座される予定だった子供も消えた。最初から居なかったかのようにフッと。

「きえ、た?」

全て夢だったのではないかと、夜会で最初から最後まで見ていた彼らは精霊の愛し子を殺そうした、歴史的な現場を見たことにのちのち、身体がガタガタ震えて顔色も顔色に染まるのを止められなかった。