軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お姉ちゃんと私

ユニバンス王国・王都郊外ドラグナイト邸

「あ~。燃え尽きた」

ベッドに突っ伏して僕は弛緩しまくる。

結局あの後お城にドナドナされてジャルスのことを根掘り葉掘り説明することとなった。

全部先生に丸投げしようとしたら、『まだ門の調整がありますので』とか言い出してアイルローゼは門に残ったのです。おかげで物凄く精神がすり減ったよ。

『それはちょっと』とか『その部分はちょっと』とか曖昧に曖昧を重ねて必死に言い逃れ続けた。

頑張って言い訳した結果『アイルローゼの住まいに護衛で居ますけど? だから具体的に誰が居るのかは言えません。言えと言うなら口封じ要員であるファシーが出て来ますけど?』と猫の名を出したら流石の陛下も引き下がってくれた。

やっぱりファシーだ。本気でラブだ。

「先生が無茶振りするから」

「それは貴方でしょう?」

「うげっ!」

うつ伏せで寝ていたら背中に圧が……ジタバタと暴れたら、コロンと背中に乗っている存在が転がり落ちた。

「酷いわね」

「どっちが!」

「あん?」

起き上がって振り返ると、先生が上半身を起こして僕のことを睨んでいた。

「最初に私に無茶なことをさせたのはそっちでしょう!」

「はい?」

何か無茶振りしましたっけ?

本気で記憶になかったから、首を傾げたら先生がスパークした。

膝立ちからの飛び掛かりで僕の首を絞めて来る。

ダメです先生。本気で首が絞まっています。

「お姉ちゃんダメ」

「邪魔をしないでノイエ。もう本気でこの馬鹿には1回、ひゃん!」

先生が甘い声を出して僕の首から手を放した。

軽く咳き込んでから涙目でベッドの上を確認すれば、自分のお尻を両手で押さえた先生が涙目でノイエを見ていた。

何をしたのですか? お嫁さんよ?

「喧嘩はダメ」

「先に喧嘩を売って来たのはそっちよ」

「ダメ」

「だから」

「ダメ」

流石ノイエだ。圧が凄い。

頑固モードのノイエに何を言っても無意味だと悟った先生が諦め、隠していたお尻から手を放してペタンと女の子座りをする。

「それで結局どうなったの?」

「はい?」

「カミーラたちの一件よ」

「聞いてなかったの?」

「途中で門から人が出て来たからそっちの方に行ったのよ」

そう言われるとジャルスの話が終わったぐらいでそんな話があったな。

「カミーラの出した条件は勝ち残り戦だね。それと飛び道具になる魔法の禁止かな?」

「何よそれ?」

「だから先生が出て腐海の乱発とかは禁止した感じ。ファシーも無理だね」

魔法使いの参加を禁止した感じだ。

「魔法以外の飛び道具は?」

「それは使用可だって」

「何よそれ」

ノイエを呼びよせ彼女を膝枕しながらアイルローゼが呆れて見せる。

「だから飛び道具はあり」

「私がフレアにあげた魔法は?」

「あ~。あれは有りかな? 飛んでないし」

「何よその基準。ならシュシュは出れるのね」

「あ~。出れるかな? 問題はシュシュは出ないだろうし、勝ち残りになった時点で8人で参加者を打ち切ったので」

「そうね。あの子は出ないわね」

さわさわとノイエの頭を撫でながら、先生は何処か妹の目を覗き込んでいるようにも見えた。

「ならホリーも参加できるわね。武器がありならスハも」

「あ~。その2人は出れます」

「身体能力だけでレニーラも出れるわね」

「レニーラって戦えるの?」

「昔、カミーラには全敗していたわね」

カミーラと戦おうとするその精神を褒めてあげたい。

「後は?」

「……何人か居るけど、参加しそうなのはジャルスぐらいよ」

「何故に?」

「誰が好き好んであれと戦うのよ? と言うか良くジャルスも参加する気になったわね」

魔眼の中だとやはりカミーラが最強なのか。魔法が使えれば勝てる人も出て来そうだけど。

「それでいつするの?」

「10日後」

「会場の都合?」

「それもあるけど地方の有力貴族が来てくれた方が稼げるでしょう?」

「下種な理由ね」

「それは言うなかれ」

呆れながら先生はノイエを撫でる。

何だかんだで最後はお金を持っている方が勝ちなのだよ。貴族としてはね。

「と言うか場を乱したグローディアとかカミーラとか何だったの?」

「説明しよう!」

突如としてポーラの姿をした悪魔が姿を現した。

まるでマントを脱ぐかのように部屋の景色を振り払い、ベッドの上に立っていた。

片方の手は腰に、もう片方は天井に向けて突き立てて……何がしたいのか説明を求む。

ポーズを解除して悪魔もペタンとその場に座った。

「面白くなるかとちょっと頑張って、止めろ~」

悪魔に向かいハリセンを振り下ろしたら全力で逃げやがった。

この存在は本当に好き勝手やりやがって……巻き込むなと言いたい!

「やはりお前が原因か!」

「認めようじゃないか!」

追撃のハリセンも回避し、馬鹿はベッドの下へと転がり落ちた。

「だが今はそんなことどうでも良い!」

またさっきと同じポーズを決めて馬鹿が立つ。

「そこの魔女!」

「……何よ?」

「借りを返してもらいましょうか?」

「……」

良く分からないが悪魔の言葉にアイルローゼは唇を噛んだ。

物凄く悔しそうにして……何故僕を睨むのでしょうか? 関係ないよね? でも内容次第ではちゃんと救いの手を伸ばすからね?

「魔女ちゃんへのお願いは~」

ゴソゴソと悪魔がメイド服のエプロンの裏をかき混ぜだす。

あれってやっぱり四次元に繋がっているの?

「これこれ。これを着て貰いましょうか!」

言いながら取り出したのはエプロンだ。

何と言うか服の大半を覆うような……まさか?

「もちろん全裸で」

やっぱりか!

「ぜん……無理よ!」

顔を真っ赤にして先生が吠える。けれどノイエがムクッと起きだして悪魔に近づいた。

「お姉様」

「はい」

「これを全裸になって着るとあそこの阿呆が大喜びします」

「……」

クルっとアホ毛を一回回し、黙ってノイエが寝間着を脱ぐ。

悪魔からエプロンを受け取って全裸の上からそれを身に纏う。

「どう?」

「ありがとうございます!」

思わずノイエに向かって土下座してしまった。

裸エプロンはやはり良い物だ。

「ん」

機嫌を良くしたノイエが僕の所へ来て正座すると、無理矢理膝枕をしてくれる。

どうしてでしょう? エプロンの生地を一枚隔てた先に素足があると思うと興奮して来るのは? 今の僕ならどんな強敵だって勝てるかもしれない。

「さあ魔女ちゃんもこれを」

「どうして布の面積が減ってるのよ~!」

「それは後から出て来た物は面積が減るという法則があって」

「無いわよ!」

残念ながらお約束界では存在する法則です。

「さあこれを着て彼に膝枕を」

「……ってその丈だと太ももの半ばまでしか無いでしょ!」

「ふむ。ならば素足枕でも?」

「い~や~」

どんどん追い詰められた先生は、最終的に着替えさせられ……全身を真っ赤にして裸エプロンをする羽目になるわけです。

「い~よ。実に素晴らしい。もう私の記録魔道具が大変なことになりそうよ!」

「……」

先生の全身を隈なく撮影する悪魔はただのエロ写真家だ。

必死に両手で隠そうと抵抗する先生の様子が可愛らしい。

「ねえノイエ」

「はい」

「ノイエのお姉ちゃんって本当に可愛いね」

「……はい」

僕はノイエに膝枕されながら、先生と悪魔の攻防を眺める。

さわさわと僕の頭を撫でてくれるノイエの手が止まった。

「アルグ様」

「ん?」

グイっとノイエが僕の目を見つめて来る。

「お姉ちゃんと私……どっちが可愛い?」

「ノイエ」

それだけは譲れません。だってノイエは世界で一番可愛くて美人だから。

少しだけ頬を赤くしてノイエの顔がゼロ距離になった。

たっぷりキスをしてから彼女の顔が離れる。

「やる」

「一方的にスイッチが入った~」

「大丈夫」

「何が?」

逃げようとする僕を抱きかかえ、ノイエが全力で押し倒してくる。圧倒的だ。

「お姉ちゃんにもしてあげて」

セットでパックなのね!

結果としてノイエとしてから、先生も美味しく頂きました。

だって裸エプロンって魔性の装備品なんだもん。本能には逆らえません。

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