作品タイトル不明
EP 4
キュララの電撃直撃! 往生際の悪い二人
「ガハハハハ! 最高だっただわリーザちゃん! 子供たちの 心(トラウマ) に、ワシらの名前がガッチリ刻まれたて!」
「ええ、オロチおじ様! きっと明日にはファンレター(苦情)の山が届きますわよ!」
大放送事故を引き起こした張本人たちは、ルナミスTV局の裏口から意気揚々と出てきた。
オロチはリーザの肩をガッチリと抱き寄せ、リーザはオロチから貰った純金のネックレスを芋ジャージの上からジャラジャラと鳴らし、完全に「ズブズブの 共犯者(マブダチ) 」のオーラを放っていた。
だが、彼らが漆黒の高級リムジンに乗り込もうとした、その瞬間である。
「はいはーい! 見つけましたよぉ! 放送事故の犯人さぁん!!」
上空から、天使の羽を羽ばたかせた少女が急降下してきた。
「な、なんだおみゃあは!?」
「ゴッドチューブ、突撃生配信中! いくよ! 【ホーリー・スプラッシュ】!!」
ピカァァァァァァァァンッ!!!
キュララが放ったのは、悪魔を浄化するはずの光属性の極太レーザー。
しかし彼女はそれを攻撃ではなく、夜の裏路地を昼間のように照らし出す『超強烈なカメラのフラッシュ(照明)』として使ったのだ。
「目がァァァッ!! なんですのこの無駄に神々しい光は!!」
「目が潰れるだわ!!」
目を押さえて悶絶する二人の鼻先に、キュララはマイクを容赦なく突きつけた。
そして、カメラ目線をバッチリ決めながら追及を始める。
「ルナミス警察と提携中のゴッドチューバー、キュララですぅ! オロチ会長、そしてリーザさん! お二人は裏で手を組み、カネの力で公共の電波をジャックしたという疑惑がありますが、いかがですか!? つまり、汚職と癒着のズブズブ関係ってことですよね!?」
カメラ(魔導ドローン)のレンズが、二人をドアップで捉える。
——その瞬間、【ずっ友ロコシ】の恐るべき真の 効力(バグ) が発動した。
元々、このロコシは悪徳政治家たちが『ワイロ』として使うためのアイテム。
メディアや追求者からカメラを向けられると、脳内のオキシトシンが反転し、自己保身のための「絶対的テンプレ釈明(自動防衛システム)」が口から勝手に飛び出してしまうのだ!
オロチは、リーザの肩を抱き寄せたまま、真顔でカメラに向かって叫んだ。
「身に覚えがにゃあて!!」
「えっ」
キュララがマイクを持ったままフリーズする。
「癒着? 放送ジャック? 記憶にございません!! ワシは今、たまたまここを通りかかっただけの善良な一般市民だわ!」
いや、紫のダブルスーツで純金ジャラジャラの一般市民がいるか。そもそもさっきまでテレビで葉巻吸ってただろ、というツッコミを待たず、今度はリーザが芋ジャージの襟を正してキリッと言い放った。
「事実無根でありますの!! 私、こんな胡散臭い成金おじさんから、TV局の枠を買ってもらったなんて事実、一切ありませんわ!!」
「いや、リーザちゃん、首に掛かってるその『純金ネックレス』はどう見ても……」
「面識はございますが、あくまで一般的な付き合いであり、深い関係ではございませんの!!」
(※注:その間も、二人はガッチリと肩を組み、オロチはリーザの頭をヨシヨシと撫でている)
【神界ゴッドチューブ —— 突撃生配信のコメント欄】
『一般的な付き合い(肩組みヨシヨシ)』
『記憶にございません(放送終了から5分後)』
『おいwww 言ってることが完全に永田町のソレだぞww』
『行動と発言が矛盾しすぎてて腹痛いwww』
『ずっ友なのに政治家テンプレで草』
コメント欄は、二人のあまりにも往生際が悪い、しかも物理的な行動と全く噛み合っていない言い訳に大爆笑の渦に包まれていた。
「ちょ、ちょっと! 証拠の映像はバッチリ残ってるんですよ! リスナー特定班も動いてますからね!」
キュララが食い下がるが、オロチは手でレンズを遮るようにしながら、リムジンのドアを開けた。
「事務所……いや、 秘書(ニャングル) に確認させたところ、番組編成における事務的なミスが判明したんだわ! ワシは一切、報告を受けとらんかった!!」
(※ポポロ村で配信を見ていたニャングル:「はぁ!? ワイのせいにしよったで!! 殺すぞあのクソ社長!!(算盤をへし折る)」)
「現在、当局が捜査中……かは知らんけど、調査中の案件でありますので、私からのコメントは差し控えさせていただきますの! いきますわよ、オロチおじ 様(マブダチ) !」
「おうよ! 逃げるでよリーザちゃん!!」
二人は「一般的な付き合い」と言いながら、手を取り合って漆黒のリムジンに転がり込み、猛スピードでルナミスTV局の裏口から走り去っていった。
「あーっ! 逃げましたぁ! リスナーのみなさぁん、スパチャくれたらリムジン追跡デリバリー(物理)頼みますよぉ!」
キュララがカメラ目線でドヤ顔を決め、配信の同接はさらに跳ね上がるのであった。