軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

5話 ヤボ用で警察署に行ったら何故か事情聴取を受けた件

翌日、不動産屋に行き、一人暮らしに適した賃貸アパートを契約し、役場に行って住所変更の手続き、そして警察署に行って運転免許証の住所変更の手続きをしてる最中、電話がかかってきた。

「はい、中村です」

『もしもし、私警察の者ですが』

まさか警察署から警察官の電話が来るとは思ってもみなかった。流石に場所が場所だけに詐欺を疑ったが、どうもそうではないようで。

『中村さん、あなたの奥さんからですね、家の物が盗まれたと報告がありましてですね』

「はあ」

『それで盗んだのが貴方と言うんですよ。それでですね、少し詳しく聞きたくてですね、今どちらにいます?』

「今ですか? 北警察署にいますが」

『そうですか、なら丁度いいですね。今から向かいますので、暫く待っていただけますか?』

「はあ、解りました」

そこで電話が切れた。

いやなんなんだ? 自分が窃盗を疑われているとか訳解らん。というか美沙は警察官に何言ってるんだ。

で、ロビーで待ってると、暫くして警察官がやってきた。

「中村さんですね? 念の為当人かどうか確認出来るものを」

「はい、そうです。免許証でよければ……自分が家の物を盗んだと聞きましたが」

住所変更したばかりの免許証を見せる。

「はい、確認しました。ええまあ……美沙さん、貴方の奥様が言うには自動車と通帳を盗まれたと」

「……それ自分のですね」

「一応念の為、拝見しても?」

「どうぞ、構いませんよ」

通帳を見せる。通帳には当然自分の名前が書かれている。

「車の方は? 車検証を確認させてもらえますか?」

「はい、こちらです」

自分の車の方に案内する。家族サービスの為に購入したファミリーカーだ。ただ、生憎とここ数年妻も美沙も乗せてないのだが。

車検証を見せる。

「……確かに中村さんの名義になってますね。すみません、あの様に言われたので疑っていたのですが、あなたの方が正しい様ですね。被害届を出すとか言ってましたが、どちらも当人名義の物なので出しても意味がないことを伝えておきます」

「いえいえ、職業柄疑ってかかるのは当然ですからね」

あっという間に冤罪が晴れた。というか美沙が馬鹿すぎる。

まあ家電品は共通の財産だ。これらを回収する手も暇もないからそのまま手つかずだ。正直くれてやる。しかし車は自分名義で購入したものだ。しかも美沙は運転免許証を持ってない。つまり運転出来ない。なのに美沙は自分の物だと主張する。預金通帳に至っては結婚前からの個人の財産だ。それにいざという時の為に取っておいた共有貯蓄に勝手に手を出したのは美沙である。財産分与の事を言ってるなら寧ろ使い込んだ分返してもらわないといけない。

その辺警官も理解してるのだろう。

「まあ警察は民事不介入ですからね。お二方で話し合って下さい」

と苦笑しながら言った。

まあそのうち話すさ。内容証明を美沙の実家に送ったし。因みに会社と黒沼の奥さん、それに実家にも送った。まあ明日には届くんじゃないか?

知らんけど。

それから午後は生活に必要なものを購入して、結局探索者の登録は明日する事にした。

***

「……という訳ですので。では」

呼んだ警察が出ていく。

………………

「あーーーもーーーー! 何がという訳よ! 巫山戯んじゃないわよ! この家の車もお金も全部私の物なのに!」

手当たり次第に当たり散らかす。こうでもしないとやってられない。

スマホとパソコンは良しとしよう。 あの男(浩士) と連絡を取る為にもスマホは持たせておきたい。

パソコンはかなり古い物だから売ったところで二束三文どころか買い取れない可能性もある。

服に関しては最初は全部切り刻んでやろうと思ってたけど時間がないからやめたわ。それにアイツの着てた服、特に肌着なんかは触りたくないし。だからそれを入れる為のポリ袋用意してやってわ。私ってば優しい〜。

けど車は駄目だ。アレは売ればかなりのお金になる。預金通帳もそうだ。手出し出来なかったから見てないけどアイツの通帳の中にはそれなりのお金が入ってた筈。当然これまでアイツと夫婦生活を送ってたんだからそれも私の物だ。

なのに警察ときたら……

「何が民事不介入よ! アイツの肩を持つとかどうかしてるわ! 私の物を盗んだ犯罪者なのよ! あーもう! くそくそくそくそくそっ!」

………………

…………

……

一頻り叫んだら落ち着いたわ。

まあいいわ、どうせアイツは慰謝料を払わなければいけない。それと養育費も。離婚するんだから当然男の方、つまり浩士の方が有責、だからアイツが慰謝料を払うのは当然の事。

とりあえず1000万くらい請求しようかしら。15年も付き合ってあげたのだもの、これくらいはもらわないといけないわよね。

そして陽茉莉の養育費。こっちは月に10万は払ってもらいましょう。陽茉莉が大学を卒業するまでは払ってもらうわ。となると年間120万で凡そ8年分の養育費、締めて960万。笑いが止まらないわ。

騙されて素寒貧にされて、哀れね。けど私と結婚出来たし、いい夢も見れたんだからいいでしょ? ねえ?

「あは、あはは、あははははは!」

私はこれからの未来を夢見て、声をあげて笑った。

翌日両親からしこたま叱られ、縁を切られるとは、この時は思ってもみなかった。