作品タイトル不明
では、カード合成を開始します
『召喚カード合成機能と、武器錬成機能が解放されました』
「え……な、なに?」
雑談配信の次の日、俺は息を切らしながら家に帰っていた。
散歩がてら外に出たら、やたらと声をかけまくられた。雑談で顔を映したせいか、もうみんなに知られてる気がする。
マジビックリしすぎてテンパっちまった。
『まずは召喚カード合成機能について説明しましょう。所持している召喚カードの中から、二枚から十枚までお好きに選択し、合成させることができる機能となります。おまけでレア素材も手に入ります』
「へー! そんなこともできるんだ。え? それもサブスクの特典?」
『はい』
ま、マジかよ。ちょっと本当に怖くなってきちゃうな。
「なんか……サービス良すぎて怖いな」
『ご安心を。現在の探索者が恵まれていないだけで、かつてはこういった特典はあったのです。また、合成機能と言っても、そう簡単に強いカードになれるわけではありません。組み合わせ次第では、弱い召喚カードになることもあります』
「え? 十枚使っても?」
『はい。カードの組み合わせが重要です。お試しになりますか?』
もう頭がパンクしそう。毎日新要素追加されてない? 俺の気のせい?
「なんだろう。モンスターを食わせる、みたいな感じなのかな」
『いいえ。あくまで一時的に呼び出す手段のカードがなくなるだけです。召喚するモンスター達は、そもそも別の世界で生きており、地球では仮の体を得ているに過ぎません』
「え、マジ?」
今しれっと凄いこと言わなかった? 召喚カードのモンスターについては、はっきりと解明されてないはずなんだけど。
『……と、いう噂がネット上にあります』
「あ、なんだ噂か。それデマだよ」
AIは何でも吸収しちゃうからな。ネットの噂なんて学習させちゃいかん。
『合成をお試しになられますか』
でも新しいものが始まると、ミーハーな俺はやってみたくなる。
「じゃあ、ちょっとだけやってみるか」
『承知しました。では、合成させるカードを選んでください』
すると、天井近くに召喚カードの一覧ウインドウがパッと表示された。もう慣れてきてる自分が怖い。
「いやぁー……こうして見ると、めちゃめちゃ集まってきたなぁ。まあとりあえずは、弱い召喚カードからやってみるか」
最低でも二枚は選ぶ必要があるっぽいけど、どうしようかな。とりあえずゴブリンとかゾンビとか、その辺りからいってみようか。
『確認します。合成に使用するカードはゴブリン(棍棒)五枚、ゾンビ二枚でよろしいですか』
「オッケー」
『では、カード合成を開始します』
すると、今までとは一味違う演出が始まった。急にカードがふわふわと浮かび上がると、一枚のカードを中心に円を描くように回り始める。
今回は今まで見たいな宇宙映像な感じじゃないけど、充分派手な気がする。
そしてある時、一気に全てのカードが重なって強烈な光と音を発した!
「うお! すげえ」
『できあがったカードは……』
クルリと回転する一枚のカードは、どうやらSレアのようだ。
======
ハイ・ビッグタートル
カードランク:Sレア
限界突破:☆4
カード利用効果:
敵全体から受けるダメージを半減
カード所持効果:
戦闘時、カード所持者の体力が15%上がる
======
「あれ? これ……初めてゲットしたはずだけど、限界突破してるよ!」
『はい。カードの枚数により、確率で限界突破数も上げることがあります』
「ええー」
お得じゃん。いや、でも待てよ。
「そういえば、合成する前にどんなカードになるかってわからない感じ?」
『はい。合成するまで分かりません』
「じゃああれだな。余ってるカードじゃないと、やるべきじゃないな。じゃあ今度は……Sも入れてやってみるか」
とりあえず今度は十枚合成してみたい。俺はもう一度開かれたウインドウを眺めつつ、どんどん指で触れていく。
「よし! これでいく」
『選ばれたカードは、悪魔の木二枚、オーガ一枚、巨大カニ一枚、大ネズミ三枚、ヒールバード一枚、スライム一枚ですね』
「おう! 頼むぜ」
『実施します』
今度は十枚。しかもSレアカードだって入ってる。ってことは知らないSR出ちゃうんじゃないか!
そう思いくるくる回る演出を見守る俺。めっちゃ楽しみだーと思って一枚に合体するところまではワクワクしてたんだけど。
次の瞬間、目を疑うことが起きた。
眩く光るカードが裏返り、筋骨隆々のモンスターが見えた瞬間だった。四方から黒い稲妻が突然走り、カードに直撃してしまう。
「………え?」
『予期しない出来事が起こりました。こういったケースもあります。出来上がったカードは……』
======
死神の影
カードランク:SRレア
限界突破:なし
カード利用効果:
ダンジョンで使用した召喚カードを、もう一度利用可能にする
カード所持効果:
なし
======
予期しない出来事? なんか事故ったのか?
「あれ? なんか、さっきのマッチョモンスターのほうが強そうだったんだけど」
『こういったケースもあります』
「え、えええ」
使えるのかこのカード。ちょっと疑わしいなぁと思っていると、
『では、続いて武器錬成を行いますか?』
と質問されたので、とりあえず首を縦に振る。
「せっかくだし、やろう」
『承知しました。ですがその前に、今回の合成で獲得したレア素材です』
「ん? う、うわああああ!?」
天井が光ったと思ったら、大量の宝石が落下してきた。おまけがあるとは聞いてたけど、多すぎないか!?