軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

進化素材を順調に入手しています

「や、やったか?」

俺はついやってないフラグみたいなことを口走りながら、周囲をキョロキョロ見回した。

とりあえず、悪魔の木は全部斧で切り倒したっぽい。なんていうか、いろんな色の林檎で溢れかえっている光景が新鮮過ぎる。ちらし寿司かこれ。

『悪魔の木はひととおり討伐されました。アイテムを回収します』

「お、サンキュー! ってかボックスって、何個まで入るんだ?」

『正確な個数は今はお伝えできませんが、まだまだ入ります』

「ふーん」

ミリアと会話している間に、カラフルな林檎達は一斉に異次元空間へと吸われていった。高速すぎる回収はいつ見ても圧巻。

そういえばチャット欄は? とチラ見すると、それはもういろんなコメントで溢れかえっている。

:マジか! ソロで悪魔の木の群れを全滅させたぞ!?

:しかも息切れすらしてない

:強い……!

:普通にランカークラスじゃね?

:さっきから次元の穴みたいなのに消えてるの何?

:あれだけあった林檎? がなくなったんだが

:え、え?

:謎すぎい!

:ボックスについての説明お願い!

:そういえば荷物持ちは?

:どこに収納してんの?

:事前知識が必要すぎる配信w

:多分三十匹? いやもっと倒してるよな

:化け物かよ

:うおおおおおお

:いやいや、悪魔の木くらいは探索者ならいけるっしょ

:凄いーーーー

:癖になる無双シーン

:フラグがフラグじゃなかったw

「あ、そっか! ボックスの説明……っていうか、みんな持ってないのか? 俺、サブスクの特典でボックスが付いてきたんだけど。そこにいつもダンジョンで手に入れたアイテムとか入れてもらってるよ」

これが自然に思えていたんだけど、違うのかな?

:サブスク??

:全く聞いたことないんだけど

:え?

:預けてるってことか

:初めて聞いたんだけど

:さっきから時々出てくる謎の穴……あれがボックスか

:いやいやいやいや

:サブスクって?

:これは雑談配信でまとめて聞きたいわ

:謎すぎ!

:考察班まで出てきちゃうぞこれ

「ミリア。サブスクのこと、誰も知らないみたいだぞ?」

やっぱり知らないの、俺だけじゃなかったじゃん。するといつもよりちょっと遅れて、ミリアが回答してくれた。

『まだあまり認知されていないようです。しかし、そのようなことは問題ではありません。進化の洞窟はここからが本番です。前方より、エヴォリュシオンスライムの群れが出現、こちらに向かっています。全て討伐しましょう』

「エボ……え?」

スライムの群れか。まあでも、スライムくらいなら別に大丈夫じゃね? と思いながら前に進んでいた俺は、曲がりくねった通路を進む。

開けた先で砂煙っぽいのがあるなーと思っていたら、なんか変なものを頭に乗せたカラフルなスライム達が、ビビるほどの速度でこっちにきた!

「うおおおおお!?」

よく見ると、頭に変な石ころを乗せてるみたいだ。形も色も多種多少で、なんか綺麗……なんて思ってる余裕は全然ない。

これ多分三十匹以上はいるな?

当然囲まれたら大変なので、俺はまたしても逃げながら戦うことになってしまった。

『召喚カードが有効です』

「召喚……そうか!」

何度か体当たりを喰らったり、斧で反撃したりしながら、俺は懐に入れていたカードを取り出して前方へ投げつける。

すると、白い光とともに呑気な笑顔を振り撒いたピクシーが現れた。

「ピクシーーーー! 全部狙ってくれ!」

「無理ー」

「え!? 喋った!?」

普通に返事してきたのでビビる俺。そうか、モンスターの中でも会話できるやつはいるわけかー……とか呑気に思っていたら、ぶっとくてバチバチな雷がフロア内に飛びまくり、あっという間にスライム達が真っ黒に。

『戦闘に勝利しました。進化素材を順調に入手しています』

気がつけばシューシュー言いながら消えていった。そして頭の上に置いてあった石が地面に落ちまくってる。

ってか全部狙って倒したじゃん。すげーなピクシー。

:なんかもう理解追いつかんぞ!?

:あのスライム達、なんだったん?

:いやー爽快

:またしてもアイテムが吸い込まれてますね

:ええええええええ

:ってかカゲチャンネルの戦い方、何気に上手くないか?

:普通にプロの戦い方

:俺だったら初手で全滅してる

:守りが硬いんだよね意外と

:ピクシーの使い方も、まさにお手本って感じだったわ

:これ本能でやってるのかな

:すげーよカゲ君

:あああ! 全部異次元に消えていくうううう

:エヴォリュシオンスライムって初めて見たわ

:あのスライムってどの配信でも見たことない気がする

:ひえーーー

:なんか面白い

おお? なんか俺の戦い方褒められてない?

『景虎様は、まずまず戦闘技能が上がっているようです。ですが、この先を降りたところにボスキャラがおります。これまでとは一枚も二枚も上手ですので、お気をつけください』

「なんかヤバそうなのがいるのか。分かった」

いや、ミリアの反応を見るに、今の俺はそんな強くないんだろうな。

変に思い上がったら、きっとボスにやられて帰らぬ人になっちゃうかも。ここは気を引き締めていこう。

しばらく前に進むと、たしかにその階段はあった。

降りていった先には、なぜか湖と祭壇が。

「あれ……ここってダンジョン、だよな?」

おかしい。なんかちょっとばかり雰囲気が違うんだが。でも、俺が本当におかしいものを目にするのは、この直後だった。