作品タイトル不明
第139話 海底遺跡への道
私たちは海に潜り、海底の遺跡を目指して泳が出した。
『ふむっ、海中は久しぶりだな』
『潜れるんだね』
『動きは鈍るがな』
『それはしょうがないね』
アークはそのまま潜っても大丈夫なようで、私と同じように普通に泳いでいる。その泳ぎは犬かきって感じで可愛い。ちなみに私は平泳ぎとバタ足の併用スタイル。
『ピヨピヨ』
エアは泳ぐのは厳しいので、空気の結界を作り、私たちの後をついてきている。
もし、私が呼吸を長く我慢できるだけで、苦しくなったとしても、エアが酸素をくれるので問題なし。
私たちの側を小魚の群れが通り抜けていく。
遊んでいる時も思ったけど、太陽の光が差し込み、小魚や真っ白な砂地によって幻想的な空間を創り上げていて本当に綺麗。
YoTTube(ヨッチューブ) で沢山の海を見たことがあるけど、やっぱり実際に見るのは世界が全然違う。
小魚の後を追いかけるように少し大きな魚や亀がついてきていたり、青色の半透明の不思議な生物が泳いでいたりする。
できれば、こういう光景を記録に残しておきたいけど、そういうカメラみたいな魔道具は見たことがない。
もしかしたら、オークションとかに売ってるかな。
『もぐもぐもぐっ』
『ピヨピヨピヨ』
『もうっ、綺麗な景色が台無しじゃない』
景色に見入っていると、アークとエアはいつの間にか小魚を食べていた。本当に二人は食べるのが大好きだなんだから。
私も好きだけど、二人には勝てそうにない。
『なかなか美味いぞ。新鮮なだけある』
『ピピッ』
二人は満面の笑みを浮かべている。
まぁ、満足しているのならそれでいっか。
『あれはツナトロではないか。全身脂が乗っていてとてもうまいのだぞ』
大きい魚が私たちの前を横切った。
どう見てもマグロにしか見えない。ただ、めっちゃデカい。本マグロもとても大きいみたいだけど、そんなものじゃない。一匹一匹が四、五メートルくらいある。
迫力が段違いだ。ただ、この世界に馴染み過ぎて全く怖くはないけど。
『それじゃあ、獲っておこうか』
『うむっ』
私たちは物凄く速いツナトロを追いかける。
『やぁっ!!』
『ふんっ!!』
『ピィッ!!』
――ボコォッ!!
でも、私たちの方が速かった。
ツナトロをデコピンしたら、どこも傷つけることなく、一撃でプカァッと浮かぶ。
ちょっと手加減が上手くなったかもしれない。
アークとエアは頭を一撃で切り落とし、必要以上に傷つけずに殺していた。流石食い意地が張っているだけある。
私は味が落ちないように、すぐにアイテムバッグに仕舞っていく。
『おっ、あっちにいるのはクロカッツォではないか!! アレも美味いのだ!!』
さらに進んでいくと、今度は完全にカツオにしか見えない魚が現れた。
すぐにアークとエアが確保に動く。
その他にも巨大なヒラメやカジキマグロ、鯛、ノドグロ、アンコウなどなど、よく見たことがある魚をおっきくした魚介類が沢山いた。
もちろん全部確保。
それに、無害な魚介類だけじゃなくて、無謀にも私たちにモンスターが私たちに襲いかかってきた。
――オポポポポポッ
『我らの前に姿を現すとは!! 食ってほしいということだなぁ!!』
『ピピィッ!!』
最初に襲ってきたのはクラーケンと対を成しそうなおっきなタコ。アークとエアが嬉々として瞬殺した。
次にやってきたのは、人間なら誰しも恐れるサメ。ホホジロザメをもっと大きくしたメガロドンみたいなモンスターが襲い掛かってきた。
なんというか、前世で怖い物と教えられてきたせいで少し怖かったけど、アークとエアに一撃で終わらされていたので、怖くなくなった。
『シーサーペント!!』
ファンタジーの水棲モンスターの代名詞とも言えるモンスターもやってくる。
めっちゃデカかった。五十メートルくらいあった。ちょっと怖かったので、少し本気で頭をぶん殴ったら一撃で沈んだ。
でも、私のパンチで原型を留めていたのは初めてだ。さらに上位のモンスターとしてリヴァイアサンがいてくれれば、フルパワーで殴ってもサンドバッグにできそうな気がする。
次はぜひとも出てきてもらいたい。
ただ、そこから少し困ったことになった。だって、ドームがある場所がざっくりしか分からなくてなかなか見つからなかったから。
『確かこの辺りだったと思うんだけど……』
『本当にこの辺りなのか?』
『海って目印つけられないから難しいね』
『確かにな。まぁいい。しらみつぶしに探せばよかろう』
それから探すこと数時間、ようやく半透明のドームを見つけた。周りを岩礁が囲んでいて見えにくくなっていて、探すのが大変だった。
『どうにかして目印をつけられないかな』
『ひとまず、岩礁を削って目印にしておけばよかろう』
『うーん、そのくらいしかできないか』
ひとまず、海上まで垂直に上がってヴェルナスからの距離を確認して、ドームの近くの岩礁をアークとエアの形に削り出して目印にすることにした。
ドームは半透明の結界みたいになっていて、中には複数の建物が見える。どう見ても地上の建築様式とは違う。
『どうやって中に入ったらいいんだろう?』
『いつものように殴ればいいのではないか?』
『それはちょっと怖いかなぁ』
折角水が入ってなさそうなのに結界を壊して水の底に沈めてしまうのは歴史的価値が落ちてしまう気がする。それは勿体無い。
どこかに入り口はないかな……。
――スルッ
『あれ? 通り抜けちゃった?』
ドームに触って調べようとしたら、私は通り抜けて中に入っていた。