軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

94:やり直しで洗われた

アスタルニアの祭りはとにかく盛り上がる。

パルテダールの王都で行われた建国祭も人に溢れ賑やかだったが、国の中心部では荘厳と言っても良い式典が行われていた。街で屋台だ出し物だと騒いでいた人々も、式典に参加すれば大人しく建国を祝う。

しかし此処では違う。どこに行こうと盛り上がる、そもそも王族が筆頭となって盛り上げる、例え建国を祝おうと森の恵みに感謝しようと厳粛という言葉とは無縁な催しとなる。

とにかく賑やかな事が大好きな国民ばかりなので、普段の様子を見ていても祭りの盛り上がりは想像がつくだろう。

「船上祭、ですか?」

「そ」

ギルドで依頼達成確認を待っている間、机を一つ占領しているリゼル達は近々行われる催し事について話していた。

最近周りもそわそわと落ち着かない空気を醸し出していたし、それが祭りの所為だとは聞いたがリゼルとジルはその内容までは良く知らなかった。しかし昔ながらの祭りなのでイレヴンは知っているらしい、普段は森の中にいても流石に国を挙げての祭りともなれば顔を出す事もあったようだ。

「俺ん時と変わってなけりゃ国が持ってるでけぇ船を真ん中にして、凄ぇ数の船が出んスよ。その船同士が簡単な橋とかただの板とかで繋がれてて、自由に行き来出来んの」

「参加する人も多そうだし、小さい船だと沈みそうですね」

「や、中心らへんの船はでかいけど端っこに行くと小さい船多かった気がする」

どうやら船の安全祈願という面もあり、縁起を担いで参加する船も多いようだ。船の上ではそれぞれ出し物や催し物も行われており、巨大な船ともなれば船上パーティーも開かれるし小型の船でも屋台代わりに物を売ったりする。

飾り立てた船が並ぶ様はさぞ見ごたえがあるだろうと頷き、リゼルは周囲を見渡した。冒険者達の話題にも船上祭が多く上がっている。

「港も賑やかになるんでしょうね」

「屋台ばっかッスよ」

「あれ以上煩くなってどうすんだよ」

全く祭りの醍醐味というのが理解出来ないジルが嫌そうに言う。周りと一緒に浮かれれば良いのにと可笑しそうに笑っていると、ふいにギルド職員に呼ばれた。

どうやら依頼達成の確認がとれたらしい。依頼品の質により報酬が変動したり、応用を利かせる必要があった場合に確認が必要なのは納得出来るのだが、そう思うとスタッドが一切待たせる事無く冒険者を捌いていたのは何だったのかと思わないでも無い。

「ちょっと待ってて下さい」

「あぁ」

「行ってらっしゃーい」

優秀な子だからなぁと疑問が解決していそうでしていない事を思いながらリゼルは受付へと向かった。わざわざ三人で行く必要も無いだろう。

ニコリと笑いひらひらと手を振りながらそれを見送ったイレヴンが、ジルと二人になった机に肘をつくように行儀悪く伏せた。自然と傾げられた首を更にわざとらしく傾け、笑みをニヤニヤと人を挑発するようなものに変える。

「建国祭の時とかもだけど、煩ぇのキライとか言いながらリーダーに誘われりゃついてくもんなァ。ニィサン」

「だから何だよ」

「別に? リーダー楽しそうだし俺も大歓迎」

あっさりと認めたジルにケラケラと笑った。

確かに当たり前のことなのだから言い淀む必要など無いだろう。ジルもイレヴンも嫌な事は嫌だとはっきり言うが、リゼルと一緒ならば喧騒ぐらいは大した問題でもない。

笑みを浮かべた口元はそのままに愉快そうに目を細め、イレヴンは受付で何やら話しているリゼルの横顔を見ながら言う。

「喧嘩してから甘ぇし、今回も誘われたら断らねぇんだろうなーってだけ」

ジルが嫌そうに微かに眉を寄せた。それを見てニンマリと笑う。

こういう時、地味に後を引くのがジルだ。今回の件は自分に落ち度があると思っているのもあるのだろう。

「別にそう甘やかしても無ぇだろ」

「甘やかしては無ぇけどさァ、何つーの? ちょいちょい出んじゃん、やっぱ」

機嫌をとっているのとは違う些細なものだが、ふとした瞬間にイレヴンが見ていても何かいつもと違う気がすると思うような仕草が度々見られる。それはつまり、そういう事なのだろう。

ジルにしてみれば無自覚なのか無意識なのか、それとも意識してか意識しながらも出さないようにしていたのか。ただしイレヴンに知られたのは不本意らしい、一つだけ舌打ちを零す。

ちなみにリゼルは何も気にしない。終わってしまえば気にしない。

「リーダー変なところ男らしいッスよね」

「楽で良いだろ」

「何がですか?」

丁度戻って来たリゼルが向けられた二つの視線に首を傾げていた。

依頼も無事達成し、いつも通り報酬を三等分で分けた後は長居は無用とばかりにリゼル達はギルドを出る。ちなみに綺麗に三で分けられなかったので金貨二枚はジャンケンの勝者であるリゼルとジルへと渡り、その光景は周囲の内心にツッコミの嵐を吹き荒させた。

相変わらず早めに依頼を終わらせた三人なので、空はまだ夕方というにも早いほどに明るい。さてどうしようと取り敢えず共に歩いている時のことだ。

「そこ行く変わった三人組、ちょっと待って欲しいかなって!」

「今日は二人とも飲みに行くんですか?」

「飲みじゃねぇけど夜はいねぇ」

「俺は飲み。祭り前で良い酒多くてさァ」

「どうして本当に変わった人に限って自分のこと普通だと思ってるのかな! 待って速い!」

聞き覚えのある声だが、自分達に用事という訳ではないだろうと思っていたら自分達に用事だったようだ。変わったなんて失礼なと苦笑しながら足を止めて振り返ると、かなり下を向かなければ視線の合わない幼い少女が懸命に走り寄っていた。

異様な組み合わせに居合わせた人々の視線が集まる。ただでさえ冒険者と少女という組み合わせはあまり見ないというのに、それがリゼル達なのだから尚更だ。

「小説家さん、お久しぶりです。どうかしましたか?」

「あ、えっと、突然ごめんね、本当は君たちに依頼に来たんだけど見かけたから、つい声かけちゃったかなって」

運動不足が祟り息を切らしている小説家は、乱れた前髪をせっせと直しながらリゼル達を見上げた。しかし以前は座って向かい合っていたし、この前はリゼルだけだったしで立っているジルやイレヴンを見上げると地味に怖い。

少女にしては落ち着いた服装を纏い、さり気なく一歩後ろへと下がった彼女がリゼル達と同い年など知らなければ誰も気付かないだろう。集まる視線に、しかしリゼルは気にせず頬にかかる髪を耳へとかけた。

「指名依頼ですね。どんな内容でした?」

「ちょっと相談に乗って欲しいことがあって、私って男の人の知り合い少ないし、君たちに聞けたら良いかなって思ったんだけど」

言いにくいことなのだろうか、少し言葉を濁す小説家にリゼルが場所を移そうかと提案しようとした時だった。小説家が、大きな瞳に強い意思を乗せてキッとリゼル達を見上げる。

そして意気込むようにすぅっと息を吸い、決意を露わにはっきりと口にした。

「男を一発でオトす方法について聞きたいかなって!!」

「場所を移しましょうか」

周りもビクリと肩を震わせ二度見する程の宣言にリゼルは微笑みを揺るがせる事無くそう口にし、ジルは一緒にいる所を見られたくないとばかりにさっさと何処かへ行き、イレヴンは爆笑すれば良いのか引けば良いのか分からず口元を引き攣らせた。

何故それを自分達に相談しようと思ったのか、男の意見が聞きたいというのは分かるが果たしてこれで良いのか。そう思いつつリゼルは満足げに頷いている小説家に近くの店を指差してみせる。

「え、でもこれ以上話すんなら依頼にしてちゃんと依頼料払った方が良いかなって……」

「気にするトコそこじゃねぇよ」

「今回は大丈夫ですよ。気にしないで下さい」

突っ込むイレヴンに苦笑し、さり気なく店へと誘導する。

店は大衆向けのレストランで、開放的な店内は昼もとうに過ぎたと言うのにそこそこの賑わいを見せていた。とはいえ席の空きは多く、好きな場所にどうぞという店員の言葉に促され窓際の席へと三人は座る。

「つーかニィサン即行逃げたッスね」

「いつの間にか消えてましたね」

リゼルなど姿を見てもいない。だが恐らく盛大に嫌そうな顔をしていたのだろうと容易に想像がつく。

不思議な組み合わせだと疑問を浮かべながらも笑顔で水を差し出してくれた店員に礼を言い、丁度喉も渇いていたしと一口飲んで小説家を見た。

「それで、どうして相談を?」

「リーダー、何か頼んで良い?」

「イレヴン」

心底興味が無いと隠す気の無いイレヴンを咎める様に呼び、叱る代わりに隣に座るその頬を手の甲で一度触れるように叩いてやる。それに目を細めて笑う姿に仕方が無いと頷いてやると、メニューを見て近くを通った店員を呼び寄せ次々と注文を始めた。

小説家はというと流れるように告げられる注文を聞いて必死に覚えている店員の豊満な胸を凝視した後に、自らの胸を見下ろして荒んだ目をしていた。

「そう、それで相談に乗って欲しいかなって」

「はい」

現実から目を背けるように話を切り出した小説家は、荒んだ目を恋する乙女のものに変えた。予想はついていたが意中の男性が出来たらしいとリゼルは促すように穏やかに頷く。

「今度の船上祭、男の人に一緒に行こうって誘われたかな。その時に初めて話した同い年の人なんだけど」

「犯罪の匂いがする」

「 騎兵団(ナハスさん) 呼びましょうか?」

「どうしてそうなるのかなって!!」

リゼル達が間髪いれずそう思ってしまうのも仕方が無い。

初対面では幼い少女にしか見えない小説家を誘うなど、そういった趣味の人間だと疑いがかかるのも当然だろう。これで互いを良く知る友人男性だったのなら頑張ってと言えるだろうが、果たしてアドバイスして送り出して良いものかと考えてしまう。

「最初はあの子に相談したんだけど、『知るかコンニャロ!』で終わっちゃったし」

「団長さんらしいですね」

予想通りと言っては失礼だが、演劇に関係の無い他人の色恋沙汰に全く以って興味が無いようだ。そして恐らく自分の色恋沙汰に関しても興味など欠片も無い。

彼女の魔王役に恋するとある冒険者の望みがどんどん薄くなっていく。彼の恋心は未だに色あせないというのに。

「落としたい、というなら小説家さんも彼の事を気に入ったんですよね」

「顔が結構好みかなって!」

一発でオトしたいというなら相当入れ込んでいるのかと思ったがそうでも無かった。

理由は意外と浅い。ならば場合によっては最終手段の通報も発動して良さそうだ。

「へー、どんな顔?」

運ばれてきた料理をもぐもぐと食べながらイレヴンが問いかける。ついでにリゼルが頼んでおいたコーヒーも来たので、小説家の前へと差し出した。

礼を言って受け取った小説家はふへっと口元を緩めながらコーヒーを両手で握って嬉しそうな顔をした、彼女は今まで縁が無さ過ぎた事もあり大分舞い上がっている。

「えっとね、目元がしゅっとしてるけど優しそうで」

「それってリーダーとどっちが優しくて甘い目ぇしてる?」

「冒険者さんかな。それと、ちょっと大人っぽい顔してるけど笑うとちょっと柔らかくなって」

「それってリーダーの微笑みとどっちが柔らけぇの?」

「冒険者さんかな。あと、アスタルニアでは珍しい清潔感ある雰囲気かなって!」

「それってリーダーと」

「イレヴン、ちょっと恥ずかしいです」

何故自分を使って対抗するのか、苦笑してリゼルはイレヴンの口に運ばれてきたパンを押し当てた。イレヴンは当然のように大きく口を開き、そのままもぐりとパンを齧る。

しかし問いかけるイレヴンもイレヴンだが、今から落とそうとする男と比べて此方だと悩みもせず堂々と答える小説家も小説家だろう。もはや男を落としたいのか男連れで祭りに行きたいのか分からない。

小説家に言わせれば、我ながら口で伝えると目の前の穏やかな人と似た印象を与えたかもしれないが全然違うし格が違う。そう思っているのだが。

「あ」

ふと小説家が窓の外を見た。

リゼル達がつられるように其方を見ると、一人の男性が小説家を見つけ足を止めている。そして共にいるリゼル達へと視線を向け、状況が呑めないとばかりに両者を見比べていた。

「例の方ですか?」

「う、うううん。そう、え、こういう時ってどう、え、何、話しかけた方が良いのかな、図々しいかな!?」

「は? 何で?」

訳が分からないとオムレツを口に放り込みながら言うイレヴンに、これだからと小説家は勢い良くコーヒーを飲み干す。そう軽々しく話しかけられるのならわざわざ相談などしていない。

「好意を寄せる女性に話しかけられて嫌がる男はいませんよ」

「こ、好意……そ、そうだよね! 行って来ようかなって! 見てて! お願いだから此処で見守ってて欲しいかなって! 何かあったらさり気なく教えてね!」

好きなように、と微笑むリゼルに勢い良く立ち上がる。

そして見ていてくれと言い残して忙しなく店を出て行った彼女は余程心細いのだろう。普通は見られたくないのでは、と思いながらそれを見送る。

窓に面した席では頼まれずとも外の様子は良く見える。本来ならば余り行儀の良い真似では無いとそちらを見ないようにしただろうが、あれ程必死に頼まれれば見ない訳にもいかないだろう。

「あいつ実は男嫌いなんじゃねぇスか、凄ぇテンパッてったけど」

「不慣れなだけでしょう、普段は余り異性に接しないって以前言ってましたし」

それならば何故自分達は平気なのかは気になるが、そういった対象を超越した存在だと思われていることをリゼル達は知らない。そしてそれを聞いた団長が分からんでもないと頷いていた事も。

窓の外では丁度小説家が男に走り寄った所だった。前髪を押さえるように手を当て、少しそわそわとしながら相手を見上げている。

「あ、俺達のことについて聞かれてますね」

「兄妹にしか見えねぇッスね」

「それ、小説家さんの前で言っちゃ駄目ですよ」

リゼル達のことをお世話になってる冒険者だと告げられた男が此方を二度見していたが、見ていたとバレないようにさり気なく視線を外す。

二人が話している様子は順調のようだった。男も小説家も軽く話すつもりだったようで、簡単な挨拶と最低限の会話が済んだら終わらせようとしている。

あれを一発で落とすのか、もうちょっと情報が欲しいなどと話しているリゼル達の前では別れの挨拶の前に気合いを入れるように小説家が力を込めていた。若干顔が睨みつけるように相手を見ているのには気付いていないようだ。

リゼルがひらりと手を振って彼女の意識を呼び、トントンと自らの眉間を示して見せる。それに気付き、慌てたように小説家の表情も緩んだ。

「あ、あのあの」

「何?」

「私のこと、どうして誘ってくれたのかなって。もっと、その」

ふいに小説家の視線がすれ違うように歩いて行った女性をちらりと見る。

もっと詳しく言えばその胸元で揺れる二つの塊を見ている。もはや憎しみさえ感じる視線に、幸いなことに男は気付いていないようだった。

「そりゃ、君じゃなきゃ誘わないから」

「お、おぉ……」

恥じらうより前に感心してしまった小説家に、リゼルは手で小さくバッテンを作りトントンと打ち合わせて見せる。そこは恥じらうべきだろう、男の方だって少し照れているのだから感心されたら立つ瀬が無い。

ハッとした小説家が半分開いていた口をきゅっと閉じた。我ながら今のは無い。

「だって俺の好みって包容力のある幼女なんだよね、俺と同い年なのに幼女とか運命としか思えないし甘やかしてくれると思ってさ!」

そしてこいつも無い。

少女は潰れた種喰いワームより汚らわしい物を見てしまったような目で目の前の男を下から見下した。

「背が低いだけじゃ駄目でさ、やっぱ肌とか一番大事なトコが違うじゃん? その点君は完っ璧で前に雨にぬれた時に水を弾いてるその肌を見た時にビビッと来たんだよね! ねぇ同い年だから良いよねお願い! ちょっと今触らせ」

通報した(ナハスよんだ) 。

リゼルが宿の扉を潜ると丁度ジルが出かける所だった。何処に出かけるのかは知らないが、冒険者装備を着ているので国の外には行くのだろう。

リゼルが開けた扉をそのまま押さえ、後ろにイレヴンがいない事を確認したジルがそのまま何処かに出かけたか自分と同じように逃げたかしたのだろうと考える。自然といつもより近い位置にいるリゼルを見下ろし、自分ももう出る事を伝えた。

「行ってらっしゃい、ジル」

「あぁ。相談は済んだのか」

「はい、事情聴取に落ち着きそうです。小説家さんは団長さんに男装して一緒に行って貰うって意気込んでました」

ほのほの微笑む顔に、果たして一体何があったのだろうかと思ったが心底興味は無い。目の前の男が巻き込まれなかったならそれで良いと適当に頷き、一歩横にずれたリゼルと扉の間を通って明日には帰ると告げながら外へ出た。

それを見送り、パタンと閉まった扉を確認してリゼルは宿の中を歩く。アリムの所から借りてきた本もまだ読んでいないのが数冊残っているし後は読書をして過ごそう、そう思いながら階段へと向かっている時だった。

「あ、貴族なお客さんお帰りなさい。今日他の二人は夕食いらないっぽいですけどお客さんはどうしますか?」

「どうしようかな……そうですね、俺も無しでお願いします」

「分かりましたけど俺ちょっと寂しい気がする」

わざとらしく肩を落としながらも、了解と頷いて宿主はキッチンへと去って行った。

三人共いない時など珍しくないだろうにと内心で笑いながらリゼルも階段を上る。登りきって何個目かの扉を開くと、所々に本が置かれた見慣れた部屋が姿を現した。

真っ先に机へと向かい、身に着けていたポーチを外す。冒険者装備を脱いでポーチへと仕舞い軽装になると、早速とばかりに本を開いて読みだした。

予定していた時間を二時間程過ぎてしまったが、リゼルは夕食を食べに行こうと暗くなってしまったアスタルニアの道を歩いていた。

向かっているのはとある酒場で、初めて訪れた時に酒を飲まない事に対して絡まれた場所だ。今では馴染みの客は全員リゼルが飲めないことを知っており、時折新顔に絡まれそうになると全員総出で庇ってくれて大変楽だったりもする。

飲めなくともいかにも酒場な食事は美味でリゼルも気に入っており、時折訪れていた。バーとは違い静かな場所では無いので一人で行くと常連に絡まれたりもするが、色々な話を聞けるのでリゼルはむしろ好んでいる。

「混んでるかな」

目当ての店を見つけ、周りの店からも聞こえる賑やかな声に今日も繁盛しているようだと頷く。扉に手をかけ静かに開くと、新たな客の出現に一瞬だけ向けられた視線が元に戻ることなく固定された。

いい加減慣れてくれないだろうかと苦笑して店内を見渡す。酔って上機嫌に良く来たなと歓迎してくれるのが常連達で、酔いが醒める程に不可解な顔をして此方を見ているのが馴染みの無い客だ。

テーブル席は全て埋まっているもののカウンターは二つ三つ空いている。そちらに向かおうと思ったら、ふとテーブル席から声が掛けられた。

「おおい、冒険者殿こっち来い!」

「今日は一人かぁ?」

働き盛りの男達に呼ばれ、微笑んで招かれるままにテーブルへと歩み寄った。

彼らは国の管轄である貿易船で荷物の積み下ろしを行う作業員達だ。同じ港で働いている為に何処かで耳にしたのか、漁師達が呼ぶようにリゼル達を“冒険者殿”と呼ぶ。

この酒場には他にも冒険者が訪れるが、彼ら海の男達が敬称をつけるのはリゼル達のパーティのみ。随分と持ち上げられているなと思うが、元来持ち上げられる事が仕事のようなリゼルは特に嫌という訳でも無いので好きなように呼ばせている。

「ほら、ここ座って良いぞ」

「有難うございます」

背を反らすように後ろのテーブルから空いている椅子を引きずり、自らの横へと置いた男に礼を言いながら腰かける。

力仕事に相応しい体を持つ男達ばかりだが、元の世界では屈強な傭兵達とも交流のあったリゼルは気が引けることもない。平然と座り、慣れたように水を持って来てくれる店員へと礼を言った。

「おい品書きどこやった!」

「てめぇがさっき使ってたじゃねぇかぁ!」

「そこの皿の下にあんだろうが」

料理が盛り付けられた皿の下から引き出されたメニューを渡され、えーと、とリゼルはそれを眺める。その日の仕入れによってメニューが変わることも多いので、見覚えの無い品も所々目に付く。

とりあえず以前食べた時に美味しかった貝の酒蒸しは頼むとして、他に何を頼もうかと髪を耳にかけながらゆるりと首を傾げた。魚の魔物なら図鑑に載っている分は大体覚えているが、普通に魚の名前となると一見どんなものか分からないものもある。

元の世界と全く同じ魚が全く同じ名前でいる事もあれば、全く違う魚が当然全く違う名前でいることもあるからだ。不思議と同じ魚で名前が違うというのは今のところ無い。

「俺らみたいなのに囲まれてんのに、あの人仕草崩れねぇよなぁ」

「うちの嫁さんも見習えってんだよ。品が無ぇよ品が」

「おいおい、また喧嘩したっつって飲んだくれても付き合ってやんねぇぞ」

黙々と何を頼むか考えているリゼルを眺め、同じ席につく男達は笑いながら会話を交わす。

アスタルニア国民のフレンドリーさはこういう時に発揮された。 王都(パルテダ) では飲んだくれが自らの席にリゼルを呼ぶなど無かったし、そんな場面があれば周囲は即行タチの悪い絡み酒を連想しただろう。

リゼルは別にどちらでも構わない。静かに食事をとるのも好ましいし、騒がしく食事をとるのも慣れないお陰で楽しいからだ。

「ん、決まりました」

「おい、注文だ注文!」

頷いたリゼルに、隣に座った男が大声で店員を呼んでくれる。

本に集中し過ぎて夕食が遅れたのもあってリゼルは結構お腹が空いている。貝の酒蒸しやらオススメの魚の盛り合わせやら色々頼んだ。

特に今日は自分だけで食べる訳ではない、周りも摘まむだろうから数人分ずつ頼んで注文を終える。

「そういや最近久々じゃねぇか」

「そうですね。外食自体は結構してたんですけど」

「あれか、王族への勉強って奴が忙しかったか?」

彼らはリゼルが王族に古代言語を教授しに行っているのを知っている。

何せわざわざ公言していないとはいえ、聞かれて秘密にしておく理由も無い。いずれは何処からでも広がるだろうし、王族に関わることなら内緒だろうという暗黙の了解を取り払った酔っ払いの質問に軽く答えて全員総出で酒を噴き出されたのは記憶に新しい。

とはいえ彼らに古代言語といっても良く分からないだろう。何か小難しいことを教えに行ってる、その程度だ。

「いえ、元々暇な時にってお約束なのでそれは無いですよ。ただ他にも美味しい店があれば行きたいじゃないですか」

「店員の前でそういうの堂々と言うトコ、嫌いじゃ無いッスわ……」

刺し盛りお待ち、と綺麗に刺身が並べられた皿が年若い店員により差し出される。

量も有りそれなりの大きさな皿に、あれどかせそれどかせと男達がスペースを広げていた。リゼルも自分の前にあった空の皿を数枚重ねるが、手伝うと「良いって良いって」と言われてしまう事が大半で今回も例に漏れない。

最終的に自分のグラスだけを手で持って待機する。机の中央に置かれた新鮮な魚の刺身を、グラスを置いて早速口にした。

「あ、美味しいです。皆さんもどうぞ」

「おう」

「頂きまーす」

男達も今までに大分食べている筈だが、遠慮無く刺身を食べ始めた。

その顔が嬉しそうなのは少しばかりお高い魚も混じっていたからだろう。リゼルは値段を見る習慣が余り無い、今回も取り敢えずオススメでと旬の魚ばかりを選んだ為に必然的に値段も上がる。

「この国の魚って、全体的に美味しくて良いですね」

「あったり前よ!」

「あんた達が獲って来た鎧鮫には敵わねぇだろうけどなぁ!」

笑い声を上げ男達が酒を呷る。美味しそうで何よりだ。

鎧鮫、という言葉に遠くで酒を呷っていた冒険者達が此方を向く。一刀のパーティが 鎧王鮫(オリハルコンシャーク) を討伐したという噂は流れているが、リゼル本人を前にそれを連想するものは少ない。

冒険者らしくない冒険者、と聞いていても無理だ。まずリゼルが冒険者だと結びつける事すら難しい。

「そういや前に鎧鮫の肉、屋台で売ったって? 今度はいつやるんだ?」

「予定は無いですよ。しばらく“人魚姫の洞”にも潜らないでしょうし」

「俺この間手に入れ損ねたんだよ、欲しかったんだがなぁ」

「俺は喧嘩中の嫁に買って帰ったら一発で機嫌直してたぜ! ありゃあ美味かった!」

鎧王鮫の会話に花を咲かせていると、次の料理が運ばれてくる。

ぞくぞくと届く料理に机の上はすぐに一杯になってしまい、空腹だったとはいえ一気に頼み過ぎたかとリゼルは苦笑した。普段はイレヴンが頼んだ先から消費していくので机に皿が溢れる事は無い。

「お、でも今度の船上祭で魔物の魚肉が出るって聞いたぜ」

「何だと、そりゃ何処の船だ!」

「噂でしか無ぇよ。多分頑固爺の漁船か、中央船のパーティーの料理とかじゃねぇか」

船上祭、やはり此処でも話題に上がるようだ。

最近のアスタルニアでは話題に上がらないほうが珍しい。中央船というと、イレヴンが言っていた国所有の巨大船舶だろうか。

貝を押さえて酒蒸しされた身を取り出す動きを止めたリゼルに、向かい側に座っていた男がニヤリと笑った。まるで自慢するような笑みに、良い国だと思わず微笑んでしまう。

「そういや冒険者殿は船上祭初めてだよな。何だ、興味あるかぁ?」

「はい、とても」

にこりと笑うと、そりゃいけねぇと他の男も盛り上がった。

国を挙げての大祭だ、知らないなんて事があってはいけないし魅力を知らないままでいるなどアスタルニア国民として見逃せない。

「中央に国の船を置いて、その周りに船を配置して行き来出来るようになるとは聞いたんですが。あ、それと催し物があるとも」

「それだけじゃ全然足りねぇよ! そうだな、船丸々一つ酒蔵にするトコがあるってのは知ってるか? あんたのツレは良く飲むだろ」

成程、ジル達に教えれば喜びそうだ。

リゼルが飲めない事実を思い出して隣に座る男が目頭を押さえているが、結構酔っているのだろうか。今の所リゼルが酔っ払いによる直接的な被害を受けた事は無いので気にしないが。

そういえば過去に一度、年若い店員に「貴方が来ると、収拾付かない事態が起こらなくて良いッスわ……掃除少ないって幸せ」と遠い目をして呟かれた事があるので普段は被害が出るような酔っ払い方をしているのかもしれない。

「目玉は王族も参加する船上パーティーだろうが! 賑やかだぜぇ、酒だの踊りだの演奏だの料理だのとにかく盛り上がる!」

「盛り上がるんですか?」

「あん? そりゃそうだろ」

リゼルの想像する船上パーティーは酒と言えばシャンパンかワインだし、踊りと演奏といえばオーケストラがすぐ横でクラシックを奏でながらワルツなのだが違うようだ。

流石アスタルニア、と頷いて水を飲む。少なくなったそれに気付いて、男の内の一人が店員を呼んでくれた。

「それって全員参加出来る訳では無いんでしょう?」

「まーそりゃな、船にも限界あるし。三日前ぐらいに抽選すんのが毎年恒例だなぁ」

「後は招待客っつうのもあるから、冒険者殿は招待されんじゃねぇか?」

「どうでしょう、国の賓客って訳じゃ無いので多分無いと思います」

ぱくりと貝を口に含み、もぐもぐと咀嚼しながら何かを考えるように小さく首を傾けたリゼルに男達は招待されない方がびっくりだとその姿を見つめた。彼が言うなら確かに国の賓客ではないのだろうが、招待されて当然だと思えてしまうのだから仕方ない。

しかしリゼルからしてみると招待される理由が無い。知り合いの王族など一人しかいないし、その一人は確実に書庫から出ないので不参加だ。

「王族の方も参加、って全員参加じゃないんですよね」

「そりゃなぁ、うちの王族は国に居ねぇのも多いし」

「居りゃ絶対出るだろ。パーティーどころか他の船で普通に飲んでたり遊んでたりするし、楽しんでるからな」

中央船から離れたなんて事無い小型の船にも普通にいるらしい。その口調は王族と共に祭りを楽しめるのを心待ちにしているようで、良く慕われているのが分かる。

だが王族全員の顔を覚えている者など滅多にいなければ、人数すら定かではないようで祭りに出ているか出ていないかの区別は付かないようだ。出ない王族もいるというなら尚更難しいだろう。

「お勧めの船ってありますか?」

「冒険者殿が楽しめるような船か……何でもあるぞぉ。ギャンブル船、お化け屋敷船、釣り体験」

「ここでしか出来ねぇっつうんなら子供限定だが魔鳥体験っつうのもあるな!」

国が誇る魔鳥騎兵団が出し物扱いされている。

「釣り、良いですね。最近ちょっとやってみたんですけど、中々楽しかったです」

「おっ、今までやった事ねぇなんて勿体ねぇな!」

「漁師さんにも言われました」

やはりアスタルニア国民にとっては子供時代必ず行う遊びのようだ。

あそこの釣り場が良い、何時の何処が釣れる、あの場所であの餌を使って何が釣れたなどと全員が流れるように話している。釣り経験一回のリゼルには良く分からない単語もあったが、その都度説明してくれたので有難い。

今度やる時はより釣り人らしくしてやろうと頷き、竿を投げるフォームのレクチャーを受ける。しかし似合わないなと誰もが口に出さないままに内心の一致を遂げた。

「どうだ、初釣りは釣れたか? 漁師のおっさんに場所教えてもらったら坊主って事ぁ無ぇだろ」

「はい、結構釣れました。餌は大体種喰いワームを使って」

「お、おう」

微笑んで語ってくれている所悪いが想像がつかない。

「でも一種類しか釣れなかったんです。一緒に釣ってる人に毒持ちだって言われてしまって」

「あー、今の時期多いよなアレ」

「あれ凄ぇ舌痺れっけど、味自体は美味いよなぁ。どっかのお高い店が毒抜きして出してた筈だぜ、少しだけ痺れを残すから癖になるっつってな」

「へぇ。そのお店、教えて貰って良いですか?」

興味を持つリゼルに、男は快く頷いて記憶の彼方に放ってあった情報を思い出す。

店名すら覚えておらず聞いた場所も曖昧だが、大体この辺りというだけで充分だろう。お高い店だけあって周辺ではそれなりの知名度を誇る筈だ、あとは調べれば分かる。

宿から遠そうだなと考えながら、リゼルは成程と頷いた。鎧王鮫同様毒抜きにも特有の技術が必要なのだろう、だから例の魚は一般的に食べられない魚に分類されているらしい。

「なら全部イレヴンに食べて貰わないで、その店に持ち込んで料理して貰うっていうのも有りでしたね」

男達は一瞬真顔でリゼルを見た。

釣った毒持ちを容赦なく食べさせるような人間にはとても見えない。聞き間違いだろうか。

「そういや前に凄ぇ商人連れて歩いてたんだってな!」

「おうそうだ、俺らのトップが凄ぇ慌ててたぜ!」

聞かなかった事にした。

比較的蛇の獣人が多いアスタルニアとはいえ情報は多くはないらしく、毒が効かないと知らないようだ。最初は微妙な顔をしていたが普通に美味しい美味しいと食べていたのに、と悪戯でも何でも無く素でやらかしたリゼルは思っている。それでも食べさせる人間は少ないだろうに。

逸らされた話題にまぁ良いかと思いながら口を開いた時だった。

「インサイさんの事でしょうか。俺もお世話になって」

「おい、ちょっと良いか」

ふいに机の横に立ちふさがったのは、遠くの席で飲んでいた冒険者だった。

ギルドを訪れる度に居合わせる冒険者の顔は大体覚えているリゼルだが、余り見覚えは無い。一度二度見た気がする、と思う通り最近この国にやってきた冒険者達だろう。

何故か同席していた男達が威嚇するように立ち上がる。この国の男達は冒険者相手だろうと一歩も引かない。

「おぅ、この人に何の用だ兄ちゃん達よ。オシャベリしにきた顔じゃねぇなぁ」

「あ? 関係無い奴はすっこんでろや」

メンチを切り合っている両者にリゼルは苦笑する。

何故最初から喧嘩腰で行くのかはどうにも疑問だが、彼らにとっては慣れた対応なのだろう。とはいえ冒険者達の言い分ももっともで、自分へ用事のようだからと男達を下がらせる。

男達はしぶしぶ引き下がりながらも立ったまま酒を呷り、視線は射るように目の前の冒険者を睨みつけている。別にリゼルの為という訳でもないだろう、アスタルニアの男達の条件反射のようなものだ。

「それで、俺に何の用事でしたか?」

「今鎧鮫とか言ってただろ。お前が獲ったってのは信じられねぇが」

「そうなんです。俺が売ってたってだけで、この人達が勘違いしちゃって」

あまりにも平然と告げたリゼルに同席していた男達は盛大に酒を噴き出した。そして腹を抱えるように無言で爆笑している。

リゼルの言葉にやっぱりか、と舌打ちしていた冒険者らはそのリアクションを見て真意はどうあれ自分達がからかわれたのは気付いたようだ。羞恥に顔を顰めながら、睨みつけるようにリゼルを見下ろす。

ドンッと机に叩きつけられた拳に、しかしリゼルは微笑みを少しも揺らす事無く目の前の冒険者を見ていた。

「喧嘩売ってんのかテメェ!」

「信じられないなら信じないで良いですよって言いたかっただけなんですが……気に障りましたか?」

暗に先に喧嘩を売ったのはそちらだと返され、ビキリと冒険者の額に血管が浮かぶ。

そもそも他国からアスタルニアに辿りつけるような冒険者は自分達の実力に自信がある者が多い。時々運よく実力が足りずとも辿りつける者がいるらしいが、果たして彼らはどちらなのか。

どちらにせよ馬鹿にされたと感じて黙っているような者は少なく、彼らも例外なくその性質を持つ。

「鎧鮫倒したっつう話は聞いてる……てめぇが本人かは関係無ぇが、素材持ってんのは確かだろ」

「そうですね」

「俺らに安く売っちゃくれねぇかって頼みに来たんだよ、なァ!」

冒険者と呼ばれているが冒険者には見えない、見た限り優男な相手に脅せば一発だとでも思ったのだろうが。胸倉に伸ばされた腕は、直後パンッと弾かれた。

冒険者がじんっと痺れを伝える自らの腕を見下ろす。其処には、片手をひらひらと振っているリゼルが意外と痛いと零しながらグラスを握って自らの掌を冷やしていた。

「君達みたいな人って、絶対ここを掴みに来るんですよね。流石に俺も覚えました」

「な……」

「先に言っておきます。脅しは意味が無いし、無いでしょうけど金を積まれようと譲る気はありません。それと、暴れるならお店の迷惑になるので外に行きましょうか?」

冷やしていた手でひょい、と扉を指差すリゼルに冒険者達は縫いとめられたように動かない。

平然とした態度は余裕の表れのようで、事実リゼルには余裕がある。それが強者のものなのかは分からないが、しかし外に行こうと口にした言葉には狼狽も不安も緊張さえ微かたりとも見られず実際に喧嘩を売ってどうなるかがまるで想像がつかない。

故に、どうする事も出来ない。行おうとした全ての行動を制されどうする事も出来なくなった冒険者達に、リゼルはにこりと微笑んだ。

「店員さん、彼らの会計は?」

「え、はい、銀貨八枚と銅貨三枚ッス……」

「らしいですよ。そろそろ二軒目っていうのもオツだと思います」

示されたただ一つの道に、従う以外の選択肢など無い。

どこか操られたように茫然としながら金を支払い去って行く冒険者達が姿を消し、扉がパタンと不釣り合いな程に静かな音を立てた瞬間のことだった。店の中が爆発したように盛り上がる。

「有難うございます! 有難うございます! 今日は何枚割れた皿片付けるんだろうと思ってたッスわ! 確実に喧嘩の流れでした!」

「いえ、原因は俺にもあるので」

「良いじゃねぇか冒険者殿、最ッ高だ! ああいうのに喧嘩売られて流すだけじゃいけねぇ、反撃もしねぇと男じゃねぇよ!」

「流したようなものですよ」

何故かテンションの上がりきった店内で響く盛大なカンパイコールに、当事者なのに乗れないなぁとリゼルは握った水の入ったグラスを見下ろしてしみじみと思った。

「あ、イレヴン帰ってたんですね。シャワー次、使います」

「どーぞ。リーダー珍しく遅かっ……うわ、酒臭! 飲んでねぇんスよね」

「一滴も飲んでないです。ただ周りが浴びるように飲んでました」

「臭いで酔うようなタチじゃなくて良かったっつうか……うわ、服だけじゃなくて髪にもついてる。リーダーの匂いがこれって俺無理だから早く風呂入って」