軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

125話 富良野ダンジョン攻略

富良野ダンジョンの1階層はそこまで広くない。分かれ道はいくつかあるが、最短ルートさえ知っていれば5分ほどで次に行ける。

モンスターもゴブリンしか出ず、遭遇率も低い。

ただ、ルートを外れると魔法陣がいくつかあり、それを踏むと部屋に飛ばされて面倒なことになる。条件を満たせば帰って来れるからまだ良心的な方なんだけどね。

ルートを外れたところに宝箱が1つあるが、それを無視して進み、1階層はすぐに終わった。ゴブリンには1匹しか遭遇しなかったし、それも奈那さんが一瞬で倒してた。魔核は一応回収する。

2階層は逆に最短ルートに行くと、転移トラップがいくつかある。中には飛び越えていかないといけないのがあるので、少し外れたルートから行った方が手っ取り早い。

なお、俺が覚えている富良野ダンジョンの攻略情報は5階層までだ。昨日の夜に12階層までの内容も調べてはいるが、まぁ意味ないものとなったな。

俺が案内しなくても、15階層までは行ったことがある奈那さんに従ってた方が早いからだ。

4階層まで順調に進み、とある魔法陣の前で止まる。

「ここの魔法陣はあえて踏む。8階層までショートカットできるんだ」

「わかった」

「わかりました」

ここまではギリギリ知ってる攻略情報だ。

「次はこの魔法陣を踏んで、6階層に戻る」

「戻んの?」

「了解です」

奈那さんの案内に従って魔法陣を踏む。

「6階層は大きく分けて3フロアに分かれていてな。魔法陣を踏む事でしかフロアの行き来はできない。ここには6階層内からでも行けるが、こっちの方が近いのでな。ということで次は12階層へ行く扉だ」

どうやってこういうの見つけるんだろうな。

一応こういう行き方があるというのはネットに載っていたが、流石にどこのトラップかは覚えていなかった。

奈那さんのおかげで15分程度で12階層まで来れたが、問題はここからだよな。

「一気にここまで来て良かったのかよ。てか俺居る意味ある?」

「問題ない。ネット上に14階層で小嵜麻夢さんを見たという目撃情報があった。少なくともそこまでは行っていい。それに、朝陽くんの持ってる空間魔法スキルは便利だ。何かの役に立つことがあるかもしれない」

空間魔法スキルか。初級でも70万ポイントかかるんだよな。

マジックバッグの代わりになるから便利っちゃ便利だけど、初級だと容量そこまで大きくないし、物を入れる時にも出す時にも魔力は使うし、だったらマジックバッグでいいよなってなる。あとは空間と空間を繋げられたり、壁に穴をあけて向こう側の空間と繋げられたり出来るが、所詮初級なので範囲が小さい。

それでも壁の向こう側を見まくれば小嵜の居る空間が見つかるかもしれないが……見つけたところで出せないから無意味だな。せめて上級にしてくれないと。

まぁ、蓮見だけじゃなくて俺も居る意味が今のところないんだけど。

引き続き奈那さんの案内でダンジョンを進む。

色々スキルは持っているが基本的には魔法スキルが中心の奈那さんと、草魔法をメインとする蓮見。そして風魔法と最近は水魔法がメインの俺。見事に全員後衛職だ。

ただ俺は身体強化にナイフ術、投擲にパリィ、斬撃術と前衛で戦えなくもないスキルが揃っている。奈那さんも出来なくはないが、後衛に居てもらった方が圧倒的に強いので、一応俺が前衛としてやることになった。

改めて自分のスキル欄見ると取得したスキルが多すぎる気がする。最初は必要最低限だけにする筈だったのに、どうしてこんなことに。……うっかり文字みたいなものが見えた所為か。

12階層で出るモンスターは膝下くらいのサイズ感の猿っぽいやつらだ。5匹前後でまとまって行動し、連携攻撃をしつつ、武器を盗ろうとしてくる。盗られた武器を取り戻そうと追いかけると、うっかり転移トラップにハマってしまうわけだ。だからもし武器を盗られても無闇に追いかけてはいけないし、そもそも近かれる前に倒すのがベターだとされている。

角を曲がった先に猿のモンスター、モンキッコが5体現れた。俺達を視認したモンキッコ達はこちらに向かってくる。

「“ 氷槍(ひょうそう) の乱”」

「“ 風刃(ふうは) ”」

俺が1体倒してる間に奈那さんは4体倒してた。発動するスキルを選んで唱えるスピードが早い。たぶん、俺が何かスキル発動しようとしているのを察して対象を4体のみに絞ってそうだし。まじで奈那さんだけでなんとかなるんじゃないか?これ。

続いて13階層。ここは隠し通路を見つけて進むタイプの階層だ。

通路のどこかに隠し扉がある。

次の階層に行くルートは既に見つけられており、情報が公開されている。下手に隠し扉を開けるとどっかに転移するので、横道に逸れない方が良い。

なお、ここの階層では鳥系のモンスターが襲ってくる。

何匹か俺が倒したが、8割くらいは奈那さんが殲滅してた。

道は奈那さんが知ってるし、モンスターも奈那さんが倒すしで、やっぱり俺と蓮見の出番はなかった。

正直、奈那さんも俺も持っているスキル的に相当硬いモンスターじゃないとサクサク倒せてしまう。もっと向こうから積極的に遠距離から攻撃してきたり、素早い動きで避けたりされたら別だけどな。富良野ダンジョンはモンスターじゃなくて転移トラップに力を入れているので、今の所そういうモンスターは出てきていない。

とりあえず13階層もすぐに終わり、小嵜の目撃情報があった14階層に来た。

「さて、ここからはゆっくり行こう」

「転移トラップに引っかかってるんだったら、結局探しようもなくない?」

「奈那さんは転移トラップの情報はどこまで見れるんですか?」

「まずそれが転移トラップだと表示され、次に何階層に転移するかが見れる。魔法陣なら発動条件もわかるが、それまでだな。転移した先に何があるのかまではわからない」

「そうですか。ならわざとトラップに嵌っていくのは厳しいですね」

「ここのダンジョンの探索者達は、転移トラップから帰還したらどこにトラップがあって、どうしたら帰還出来たのか、あるいは異なる階層に飛ばされるだけだったのか掲示板に書き込むんだ。

私はそこに書き込まれた情報を全てを把握している。まずは私達にはできて、小嵜麻夢さんができなさそうな条件のトラップに引っかかるのはありだな」

「えー……まじ?」

「まぁ今の所それしか出来ることないですね」

わざとトラップに引っかかるなんて本当に嫌だけど仕方がない。条件を把握しているという奈那さんを信じよう。

「朝陽くんは道中、空間魔法で壁の向こう側を見て欲しい」

「はーい」

「では行こうか」

いよいよ蓮見より俺の方が役立たずになってきたな。