軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

63.池袋アラグネシルク大作戦⑦

「良い休憩場じゃないか」

【アマゾネス】のピンクの髪のお姉さまが話しかけてきた。ピンクの髪ってトラブルメーカーだって聞いたことがあるぞ。

「トイレもあって至れり尽くせりだ」

「シャワーも欲しかったねぇ」

緑、紫とカラフルな髪のお姉さま方が続く。

同じような髪の信号機の騎士さんらは紳士なのに、このお姉さま方は本当に【アマゾネス】だ。

「なんでうちの休憩場におばさんたちがいるのかしら?」

腰に手を当てた美奈子ちゃんが喧嘩腰だ。

「なんだと? あたいたちはまだ24,5だぞ!」

「おばさんじゃない」

「くっ、ケツの青い餓鬼が言うじゃないか!」

「ケツの青い餓鬼のわたしから見たらあなたたちはまさにおばさんよ?」

「キィィィ!」

美奈子ちゃんが無双してる。いや、知能の差か?

「で、お姉さま方はなんでここに? 【エクセリオン】とかいうチャラ男たちといましたよね?」

彼女らはいるけどあの男たちの姿がない。あいつらとは別行動するもんだろうか?

それだけの信頼関係があるとは思えないんだけど。

「あぁ、あいつらなら置いてきた」

「20階に行く約束なのに18階まで来て怖気づきやがって」

「金玉ついてんのかよ」

「あははは」

うーん、この。類友っていうのかなぁ。

「でかい蜘蛛も大したことはなかったし」

「倒しても何も落ちやしない」

「物足りなくってさぁ」

【アマゾネス】のお姉さま方が立ち上がって武器を持って歩いてくる。あれか、喧嘩上等ってやつ?

ちなみに、これも配信されているわけで。うちの正当性は立証されてる、はず。

となったらお仕置きである。喧嘩を売るなら、買われて倍返しの覚悟もあるってことよね?

「仕方ないわね」

美奈子ちゃんが2本の刀を抜いた。クルっと回転させ峰を表にする。

「マナーのなってないメス猿でも人間には違いないから、手加減はしてあげるわ」

美奈子ちゃん、煽りすぎ。というか、それは俺の役目だ。

「お仕置きなら俺がやるってば」

「いえ、この手の輩は、女だからってバカにされるのが嫌で突っ張ってるタイプなので上下関係を知らしめればいいんです」

うわー美奈子ちゃんがコワイよー。

『四街道ぉー、師匠から伝言。負けたら飯抜きだってー』

「負けたら破門だそうです。負けられませんね」

「飯抜きなだけでしょ?」

「同じことですよ」

『美奈子が負けるわけねえだろ、とか師匠がのろけてるんで、守さん何とかしてくださーい』

「俺に何とか出来るわけねーでしょ!」

なんなのこのガンギマリ師弟。

「ずいぶんと舐めてくれるじゃないか」

ビッキビキな顔した黄色の髪の【 アマゾネス(女戦士) 】がでかいメイスを手に近づいてきた。メイスってのは、鉄の棒の先に大きな鉄のウニが突き刺さってるみたいな鈍器。 鎚矛(つちほこ) とか戦棍って言われる武器。

「不用意に近づかない方がいいですよ」

「あぁ?」

「ハッ!」

一瞬で黄色の懐に入り込んだ美奈子ちゃんが刀を持った 右(・) 拳(・) で(・) アッパーカットした。宙に浮いた相手の腹を【白鶴】で薙ぐ。

「ガハッ……」

20メートルくらいぶっ飛ばされた黄色は回転しながら大木の幹に激突して地面に崩れ落ちた。ピクリとも動かない。

「あら、終わりですか?」

「舐めやがって!」

美奈子ちゃんの煽りに、残りの4人が殺気立つ。

「まとめておいでなさい」

美奈子ちゃんがニッコリ笑顔だ。葉子ちゃんは【駆け込み寺】の中で「ヤッチマエー」って叫んでるし。やばそうなら止めるかな。

「くらえ!」

青髪がハンマーを振り上げた腕の下をくぐって美奈子ちゃんがそいつの裏に回り込む。振り向きざまに回し蹴りでそいつを蹴り飛ばした。青髪は美奈子ちゃんの背後を狙っていた緑髪に突っ込んでいった。

「チッ!」

「甘い」

突っ込んできた青髪を避けた緑髪だけど、間合いを詰めた美奈子ちゃんの射程範囲に入っちゃって【裁き】の峰で滅多打ちにされて地面に転がった。ついでとばかりに転がってる青髪の頭に【白鶴】の峰が落とされる。

「ぎゃうん」

こっちもダウン。

開始20秒ほどで残りはふたりになってた。コワッ。

「コイツ、まじかよ!」

「つえぇじゃねえか!」

ちょっと引き気味の紫と返って燃えちゃってるピンク。笑顔だけどコワイ。

「これならどうだい?」

こん棒を構えたピンクが突っ込んだ。

「おらおらおらおらぁぁ!」

残像で3つに見えるこん棒が美奈子ちゃんを襲う。すごい速度なんだろうけど美奈子ちゃんは峰で受け流してすべてを捌いた。

それでもピンクの攻撃は止まらない。

「まだまだぁぁ!」

心底楽しそうな笑顔で襲うピンク。戦闘狂やん。

それを笑顔で難なく捌き切る美奈子ちゃん。こっちもたいがいおかしい。

「あたいの攻撃を捌くなんて、やるじゃないか!」

「デュラハンに囲まれた時に比べればかわいいものよ?」

「そうかい!」

ピンクがニヤリと笑うと攻撃速度が上がる。残像の数が5つに増えた。美奈子ちゃんはそれを捌いたうえで喧嘩キックを食らわせた。たたらを踏むピンク。その隙に紫がハンマーを振りかざして突撃するも屈んだ美奈子ちゃんに足払いをされて膝をついた。

「ちょうどいい高さね」

美奈子ちゃんの回し蹴りが紫の後頭部にヒット。そのまま前のめりで地面とごっつんこした。美奈子ちゃんが二刀流と足技のハイブリットな戦いをしてる。もしかして瀬奈さんの足技が混ざってる?

「蹴りだけで玲子が倒れるわけない。スキルがのってるね?」

「ご名答。ちょっと【強打】を混ぜてみたの」

「チッ。クソみたいに有能じゃないか」

「わたしなんてまだまだ 雑(・) 魚(・) よ。強いっていうのはあの人みたいなのを言うのよ?」

美奈子ちゃんが【裁き】を向けた先に、那覇さんがいた。わかりやすく怒ってる。イケメンが怒ると迫力があるんだよ。

「うちの団員が階下で【エクセリオン】の妨害を受けたと連絡が入った。その際に君らもいたらしいね」

那覇さんがダークでやばそうなオーラを纏って歩いてくる。後ろにいる浦添さんらは「おら知らね」って顔だ。俺も知らん。

「ハッ、だったらどうすんだい?」

「反省なしか」

小さくため息をついた那覇さんの姿が消えてピンクがぶっ飛んでいった。

オラ見えなかったんだけど!???