軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第16話 開封の儀をしてみました

「……ごちそうさまでした」

帰宅して軽く寝て起きた俺は、アビちゃんから貰った新鮮採れたて深淵の果実で、遅い朝食を済ませたところだった。

「さて、いよいよ開けてきますか」

俺の独り言に、ふよんと一跳ねして応えてくれるアビちゃん。

そんなアビちゃんが見守るなか、とりあえず俺は昨晩の成果をゴミ袋から取り出して、並べていく。

もちろん、先に部屋の床にはゴミ袋をハサミで切り開いて繋げたビニールが敷いてある。

──汚れるような物が箱から出てくる可能性もあるしねー

ざっくりと、箱を大中小のサイズにわけていく。

小サイズは本当に俺の親指から拳くらいの大きさの箱だ。それが四個。

中サイズは俺の拳四つ分くらい。二個ある。

大サイズは一抱えはある感じで、三個だ。

「こうやって改めて眺めてみるとアビちゃんが入っていたのは特別に大きかったのかもね」

どこか誇らしげに一跳ねして、俺の感想を肯定するアビちゃん。

俺はそれを微笑ましく眺めながら告げる。

「じゃあ、小さいのから開けていきますか」

一番手前の小さい箱に手を伸ばし、開く。ひときわ小さいながらも、なかなか立派そうな作りの箱。開けると、ぴったり箱の中におさまるように輪っか状の物が見える。

「──指輪、かな?」

箱から俺が取り出したのは蛇っぽい装飾の指輪だった。よくみると自分の尻尾を蛇が咥えているあつらえになっている。

「見た目は、なかなかカッコいいかも」

ほよんほよんと二回、跳ねるアビちゃん。アビちゃん的にはセンスの良いとは言えないデザインらしい。それに苦笑していると、いつの間にか指輪の入っていた箱が消えている。

ここら辺は、アビちゃんが入っていた箱と共通のようだ。

「──箱をゴミに出さなくていいのは便利だよな。まあ、今のは箱も結構、立派だったから、もし消えなかったら、ネットで売れたかも知れないけど……」

今度はアビちゃんも、ほよんと一跳ねする。

俺はそのまま手のひらの上の指輪に鑑定スキルを使用してみる。

『綻びのアイテム:ウロボロスリング。時空の綻びに隠されし報酬ボックスを力ずくで強奪せしものへ授与される。システムへのアクセスキーの壱』

「なんだろ、この鑑定結果……」

相変わらず、鑑定スキルからは、そこはかとなく悪意を感じる。

まあ、アビちゃんを鑑定した結果と似てると言えば似てるので、そこはこういう仕様なのかと無理やり自分を納得させておく。

「とりあえず、この箱から出る物品の名前は綻びのアイテムなんだろな。で、この指輪自体の名前がウロボロスリングってことだろう。ま、蛇が尻尾を咥えているし、そこはまんまな感じだ。問題はシステムへのアクセスキーの壱ってところか……アビちゃんはシステムって何かわかる?」

俺は試しに訊いてみる。

ふよんふよんと二回跳ねるアビちゃん。どことなく申し訳なさそうだ。

「おー、ゴメンゴメン。わからなくても、大丈夫だから──ま、あとはもう、つけてみるしかないよな……」

俺はそっと指輪を右手の人差し指にはめてみるのだった。