軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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喫茶店で普通の恋人らしいやり取りをした二人は、ケーキを食べ終えて喫茶店を後にした。

喫茶店を後にした二人はしばらく街の散策を続けて、夕暮れ時に王城へ帰る。

王城へ帰った二人は驚く事となった。なぜか、ハーヴェスト公爵家と王家の一同が勢揃いしていたからである。

いったい、どういうことなのかとレオルドとシルヴィアはそれぞれの家族に尋ねる事にした。

「父上。これはどういうことなのですか?」

「これはお前の婚約祝いを兼ねてハーヴェスト公爵家と王家だけで食事会をすることになったのだ」

「なるほど。しかし、既に婚約パーティは終わっていますが?」

「あれは祝勝会であろう? 今回は違うさ。お前達二人の婚約を祝ってだ」

「それは有り難いですが……」

チラリとレオルドが見るのは王家の面々である。国王から始まり、第一王妃、第二、第三、にまで続き、王太子から末っ子の第八王女までいる。大所帯である上に相手は王家の面々だ。祝福をしてくれるのは有り難いが同じ空間に長いこといたくはない。

「どうにかならなかったのです?」

「よく見ろ。全員はいないぞ」

確かに言われて見れば王家は勢揃いしていない。嫁いでいる王女や王子は見当たらない。つまり、今回はまさに仲の良い家族同士の集まりといった形だ。

「まあ、そう身構えるな。今回は堅苦しいものではない。肩の力を抜いて身分など関係なく飲み食いするようなものだから安心しろ」

「親父ィ……それが一番怖いだろうが!」

向こうに聞かれないようにレオルドがベルーガを責める。確かにベルーガの言うとおり、今回は身分など関係のない楽しい食事会ではあるが、それはつまり絡まれることは必至だ。

シルヴィアを嫁に貰う上に何度か交流のある面子が集まっているのだ。どのように絡んでくるか分かったものではない。

「お前、また……ううん! いいか? 敵じゃないんだからもっと気楽にしておけ」

「どこを見て言ってるんだ! 俺の目を見て話せよ、親父!!!」

怒っているような口調ではあるが決して声を荒げないレオルドはベルーガを問い詰めていく。しかし、ベルーガは手馴れているように軽く受け流している。

頼りにならない父親にレオルドは歯噛みする。死ぬことはないだろうが、このままだと精神的に死んでしまうかもしれないと。

(くそぅ……! このままじゃ地雷原に突っ込むようなもんだぞ! どうすればいい……! どうすればいいんだッ!)

王家の面々を地雷扱いするのは不敬極まりないが、レオルドの心の中なので問題はないだろう。バレた時にどうなるかは定かではないが。

レオルドが唸る少し前にシルヴィアも家族の元へ赴いて話をしていた。

「あの、これはどういうことなのでしょうか?」

「二人の婚約を祝って食事会をすることになったんだ。それとレオルドが新たな結界魔法を開発しただろう? これでやっとお前を嫁に送り出せるということで祝福をしてやらねばと思ってな」

「あっ……」

シルヴィアが生まれるまで王都の守りは城壁と騎士、魔法使いによる警備だけであった。しかし、そこにシルヴィアが生まれて神聖結界という破格のスキルを所有していた事で変わることになった。

だが、それもレオルドの手によって再び変わる事になった。そのおかげでシルヴィアは心置きなくレオルドの元へ嫁ぐ事が出来る。

「ありがとうございます……」

「礼を言うのは我々の方だ。今まで十年以上もお前に負担ばかりをかけてきた。本当にすまなかった。だが、これからは自由だ」

「はい……はい!」

歓喜に満ちた返事をしたシルヴィアに国王は微笑を浮かべる。今までずっと娘には負担ばかりを掛けてきたが、それも全て終わる。

(レオルドには返しきれないほどの恩が出来てしまったな……)

終ぞ、自身ではどうにも出来なったがレオルドの手によって娘が救われた国王は感慨深そうにレオルドの方を見詰めるのであった。

その視線にゾワリと背筋を震わせるレオルドなのだが、国王が気がつくことはなかった。

そして、ついに始まる二人の婚約を祝った晩餐会。国王の祝辞を合図に乾杯をした。

レオルドとシルヴィアは主役であるので二人揃って真ん中にいるのだが、両脇から質問攻めである。やはり、二人が婚約にまで至った経緯を知りたいのだ。

ワイワイがやがやと騒がしく飲み食いしながら晩餐会は進んでいく。最初は座ってお行儀良く食べていたが、レオルドに興味のある王子達が立ち上がってレオルドへ近付いた。

「やあ、未来の弟よ。楽しんでいるかい?」

「カルロス殿下。勿論です」

「はは、そう堅苦しくなる必要はないんだぞ? もっと肩の力を抜いてリラックスして、ほら」

(どうリラックスしろって言うんだ! てか、肩組んでくるなよ!)

カルロスと呼ばれた王子がレオルドと肩を組む。内心、レオルドは怒りを顕にしていた。なにせ、身内だけとはいえ相手は一国の王子だ。しかも、シルヴィアの腹違いの兄である第四王子である。ちゃらんぽらんな性格に反して策略家だったりするのでたちが悪い。

「おい、カルロス。困っているだろう。離れてやれ」

「ええ〜、困っているようには見えないけど? ブルーノ兄さん」

次に声を掛けてきたのは、ブルーノと呼ばれた王子である。彼も腹違いの兄である。性格はカルロスとは違って真面目なので特に問題視することはない。ただ、少々頑固者であるとだけ言っておこう。

「まあ、そこまでにしてあげなよ。二人共、レオルド辺境伯が困っているから」

そして、最後に声を掛けてきたのがイザークだ。彼はシルヴィアと同じく第一王妃の子である。穏やかな性格をしており、争いを好まないのでレオルドからすればまさに天から垂れる蜘蛛の糸であった。