軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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二人が頼んだハンバーガーが来たので、早速レオルドは食べ方を教授するようにシルヴィアの前で思い切り口を開けて食べていく。

「まあ、こんな感じです。ここには作法についてとやかく言うような人はいないので好きなように食べるのがいいですよ。勿論、私のように豪快に食べるのも一つです」

そうは言うがシルヴィアは乙女でありレオルドが目の前にいるのだ。流石にその食べ方だと恥ずかしいだろう。

しかし、シルヴィアはチャレンジしてみようとハンバーガーを手に取った。一世一代の大勝負というわけでもないのにシルヴィアは真剣な表情をしている。一度レオルドの方をチラリと見てレオルドがどうぞ、という感じのジェスチャーを送った。

それを見たシルヴィアは意を決して可愛らしくカプリと小さな口の中にハンバーガーを頬張った。モグモグとハンバーガーをしっかりと味わい飲み込んだシルヴィアは目を見開いた。

「美味しいですわ……」

先程見かけた子供が美味しそうに食べているのを見ていたので疑ってはいなかったが、予想以上に美味しかったのでシルヴィアは驚いたのだ。

「それはよかったです。では、残りも食べましょうか」

シルヴィアの口に合って良かったと微笑むレオルドは自身の皿に残っているハンバーガーを食べる。全て食べ終えたレオルドはシルヴィアが食べ終わるのを待っていた。

しかし、シルヴィアはレオルドに見られているのはまだ恥ずかしいのか見ないで欲しいと頼む。

「レオルド様。そのように見詰められていると恥ずかしいですわ……」

「これは失礼しました。しかし、殿下の食べる姿が可愛らしくて、つい見てしまうのです」

「なっなっ……! 何を言っているんですか、もう!」

照れるシルヴィアはレオルドの視線から逃れるように顔を背けてハンバーガーを食べようとするがレオルドの目が気になって仕方がない。

それに顔を背けたせいで横から見えるようになったので余計に食べている姿が見られてしまう。それは流石にとシルヴィアは渋々正面を向く。

ハムスターのように可愛らしくハンバーガーを食べ進めていくシルヴィアにレオルドは愛おしさを感じた。

餌付けをしているわけではないがシルヴィアが幸せそうに食べているのを見て、今度なにかこの世界にはまだない異世界のお菓子でも作って上げようと考えた。

(この世界にないお菓子とか調べておくか)

それからシルヴィアがハンバーガーを食べ終わり、会計を済ませて店を出て行く。満腹になった二人はしばらく街を散策することにした。

あてもなく適当に歩き回り、目に付いた雑貨屋に入って談笑しながら商品を見て回ったりなどする。

そうしている内に時間は過ぎていき、午後三時となった。丁度良いタイミングで二人は喫茶店を見つける。休憩にもってこいの場所だったので二人はそのまま喫茶店へと入る。

喫茶店に入った二人はテラスにあるテーブル席へ案内される。渡されたメニューを見てシルヴィアが悩んでしまう。

「どうなさったのですか?」

「あ、いえ、そのどれにしようかと悩んでまして……」

メニューには豊富な種類の飲み物と菓子類がある。シルヴィアが眺めているのはケーキの一覧だ。どうやら一つに絞りきれないようだ。先程から眉間に皺を寄せて眺めている。

レオルドも一緒になってメニューを眺めてシルヴィアの視線を追う。そうすることでレオルドはシルヴィアが望んでいるものを見抜いて一つの提案を出した。

「殿下。私はこれにしますので一緒に食べるのはどうでしょうか?」

「え? わ、私は構いませんけどよろしいのですか?」

「ええ。殿下がお悩みの様子なので、そちらの方がいいでしょう」

「あぅ……」

レオルドに見透かされていたことを知ったシルヴィアは恥ずかしそうに俯いてしまうが、自身の食べたかったケーキはしっかりと選んでいた。

二人の下へ頼んだケーキと飲み物が来た。すると、早速シルヴィアがフォークでケーキを掬うと、なぜかレオルドの方に差し出した。

「さあ、レオルド様。あーん、してください」

「え……? いや、殿下?」

「ほら早くしてください」

「じ、自分で食べられますから!」

「レオルド様。お忘れですか? 今日は私の言う事には従ってもらうということを」

「そ、それはそうなのですが……流石にこの状況ではちょっと……」

そう言うレオルドは周囲を見渡す。二人の周りには他の客も来ているので、当然二人は注目されている。美男美女のカップルである二人だからだ。

そんな二人が仲睦まじそうにしているので周囲も温かい目で見ている。しかも、今から彼女が彼氏にケーキを食べさせる所だ。注目されるのも当然のことであろう。

「そんなに私に食べさせられるのがお嫌ですか?」

ここぞとばかりにシルヴィアが攻める。周囲の同情を誘うように声を震わせ、ウルウルと瞳に涙を溜めている。

その様子を見ていた他の客は完全にシルヴィアの味方となった。彼女が折角食べさせてあげようとしているのに彼氏は拒んでいるのだ。印象は悪くなる一方である。

「うぐ……わ、わかりました」

流石にこの状況では逃げ切れないと判断したレオルドは顔を赤くしながらシルヴィアが差し出しているケーキを食べる。

「あ、あーん」

パクリとレオルドはシルヴィアが差し出したケーキを頬張った。それを見てシルヴィアは嬉しそうに尋ねる。

「美味しいですか、レオルド様?」

「……美味しいです」

「ふふっ、それはよかったですわ」

してやったりと微笑むシルヴィアにレオルドはケーキの味を楽しむどころではなかった。

(くっそ〜。あの笑顔は反則だろう)

顔を真っ赤にしてケーキを食べるレオルドはシルヴィアの笑顔にハートを打ち抜かれていた。

そして、レオルドは知らないがシルヴィアの耳も真っ赤になっている。無論、シルヴィアもレオルドにあーんをするのは恥ずかしかったりした。