軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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神聖結界の代用品を開発し始めて、数週間が経過した。その間、レオルドは一切休むことなく開発作業に没頭していた。

しかし、今日は違う。いつもと同じようにレオルドは開発を再開しようとしたところにギルバートから手紙が届いた。

レオルドは手紙を受け取ってすぐに目を通す。手紙の内容は文官達がオーバーワークで死にそうだということだった。それを知ったレオルドはルドルフとシャルロットに後を任せて急遽ゼアトへ戻る事にした。

ゼアトへ帰ってきたレオルドが目にしたものはオーバーワークによりゾンビみたいな顔をした文官達であった。しかも、度重なる激務に精神を破壊されたのか不気味に笑っている。流石にその現状を知ったレオルドは急いで文官を増やす事にした。

「ギル。至急、文官の募集をするんだ。このままだとこいつらが死ぬ」

「承知いたしました」

「頼んだぞ」

ギルバートに文官の募集を任せてレオルドは溜まっている書類を片付けていく。レオルドもここの所休みなしの働き詰めではあるが、やはり鍛錬を積んでいるだけあって心身共にタフであった。

それから、レオルドは数日ほど領主としての仕事を全うした。しかし、終わったのは書類関係だけである。文官達はこぞってレオルドに領主案件を提出する。

「各商会長との会談に新しい領地の管理者の選抜」

確かにこれらは領主であるレオルドにしか出来ない。文官達もそれなりの権限はあれど、領主に比べればないに等しい。最終的な決定権を持っているのはレオルドのみ。なので、領主案件がかなり溜まっていた。

「おおう……」

ひとまず、レオルドは王都へ戻り、ルドルフ達にしばらく開発に関われない事を告げる。その後、レオルドはまたゼアトへ戻り、領主としての仕事を片付けていく。

まずは新しく下賜された領地を管理する為に管理者を選定した。もちろん、レオルドがきちんと面接して吟味した上での決定だ。契約書にサインもさせたので裏切ることはないだろう。もっとも、裏切れば死を以って償うことになるが。

そして、次にレオルドは領内で商売をしたいという商会長と面談をすることになる。賄賂でレオルドを味方につけようとした商会は後に潰れる事になる。レオルドが手を回した結果だ。残ったのは清廉潔白とまではいかないが、ギリギリの線引きが出来ている賢い商会だけだった。

「ううむ。流石だな」

レオルドは自身のことを徹底的に調べ上げてきた商会長を称賛した。とりあえず金を握らせおけばなんとかなると考えていた商会よりも手強いことをレオルドは知る。

次にレオルドは新たな文官候補と面接を行う。ゼアトの文官ということで数多くの応募者が殺到して喜んだが、最初の内だけで今はあまりの数にうんざりしている。

「ここまで来るか?」

「今のゼアトは国内でも類を見ないほど勢いがありますから。いずれ王都を越える都市になると見据えてのことでしょう」

レオルドは募集をかけたギルバートに、どうしてここまで応募者がいるのかと尋ねる。すると、返ってきたのは主にレオルドが頑張った成果であり、原因でもあった。

現在、ゼアトは国内でも有数の領土を誇り、尚且つその領地を治める領主が英雄レオルドだ。しかも、まだ発展途上ということで、将来性は抜群ということも加味されている。

「それは嬉しい事だが、ちと面倒だな。ここまで数が多いと選抜に時間がかかるぞ」

「では、試験などを実施されてはいかがでしょうか? 筆記、体力、面談といったようにすれば数は大分絞れるのでは?」

「ふむ……そうするか。重要なのは筆記と人格だから、そちらを重点にしようか。体力のほうはオマケだが現状を見ると体力も必須だし、いいだろう」

というわけでレオルドは筆記試験の問題を作成し、ギルバートが体力試験の課題を考え、最終面接はレオルドを中心として現在ゼアトに勤務している文官達だ。

その三つを突破して、晴れてゼアトの文官となれる。だが、忘れてはいけない。筆記試験はレオルド担当で体力試験はギルバート担当だ。どういうことになるかと言えば、数百人単位もいた候補者のほとんどが脱落した。残ったのは、十数名だけ。

「おかしいな。ギル、お前厳しすぎたんじゃないか?」

「いえ、坊ちゃまの筆記試験でかなり落選してました」

「そうか? そうでもないと思うんだが……」

「もちろん、私のほうでも落選者は多く出ましたが」

「まあ、いいか。面接が少なく済みそうだし」

ポジティブに考えるレオルドだが、この所為でゼアトに就職しようとする者が一時減る事になる。勿論、二人が行った試験が原因である。とてつもなく難しい筆記試験に騎士も裸足で逃げ出す体力試験が存在すると広まることになった。

一応レオルドは自身が面接した結果、全員を雇う事にした。文官も増えたのでレオルドは役場を増やす事にした。現在の文官に役職を与えて、新たな文官に仕事を割り振り、ひとまずゼアトでの仕事を終えたのだった。

「よし、これで王都に戻って研究を再開できるな!」

そう意気込んで王都に帰ろうとした時、新たに領主案件が舞い込んでくる。

「レオルド様。傭兵団が面会を求めてきてます」

「なに? 傭兵団だと?」

「はい。なんでも領主に会わせて欲しいと」

「どこのどいつだ?」

「ええっと、ゾフィーという方からですね。こちらの手紙を預かっております」

「中は見たのか?」

「いえ、特に怪しい気配もありませんでしたし、傭兵にしては妙に礼儀正しかったので」

「そうか。わかった」

文官はレオルドに手紙を渡すと下がって、自分の席へ戻っていく。レオルドは渡された手紙に細工がないかを確認してから中身を確かめる。

そして、手紙の内容を読んでレオルドはバンッと机を叩いて立ち上がる。その顔は非常に焦っているように見えた。

「しまった……! 完全に忘れてた!!!」

手紙にはゾフィーという名前はなかったが、別の名前が記載されていた。ゼファーと書かれていたのだ。内容はレオルドが以前約束していたことについてであった。

「やっべ! 俺は今から傭兵団と面会してくる」

慌ててレオルドは傭兵団が宿泊しているという宿へ急ぎ向かうのであった。