作品タイトル不明
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ジークフリートが戦っている第二試合はいまいち盛り上がりに欠けていた。それも仕方がないことだろう。第一試合があまりにも派手すぎた。
レオルドとベイナードの戦いは、観客からすれば決勝戦といってもおかしくないほどの激闘であった。だから、第二試合は申し訳ないが物足りないのだ。
そのせいか観客の態度は悪いものに変わる。
「さっきと比べるとつまらねえな〜。早く終われよ」
「だよな〜。もう見てて盛り上がらねえよ」
一部の観客は熱が冷めており、第二試合を見ようとはしていなかった。むしろ、早く終わってほしいと言う者まで出る始末だ。
その声はジークフリートを応援に来ていたヒロインたちに届いていた。ヒロインたちは何も知らない観客に怒りを覚えるが、騒ぎを起こしてジークフリートの迷惑になってはいけないと必死に我慢した。
空気を変えようとヒロインたちが声援をジークフリートに送る。周囲にいた観客は声援を送るヒロインたちを見て、ジークフリートはモテるんだなと呑気なことを考えていた。
一方で声援が届いたのかジークフリートが一転して攻め始めた。槍使いの対戦相手にジークフリートが攻勢に出る。
「おおおおおっ!!!」
「くっ! 舐めんな!」
叫び声をあげながらジークフリートは槍使いを壁際に追い詰めていく。どんどん後ろへと下がる槍使いは背中が壁についてしまう。壁にまで追い込まれた槍使いは、冷や汗を流してどのようにしてこの状況を切り抜けようかと思案する。
しかし、槍使いの考えは砕け散ることになる。ジークフリートの強さが増したのだ。剣を振る速度が上がり、一撃に重みが増した。
いきなりのことで動揺した槍使いだが、予選を突破した実力は伊達ではない。巧みに剣を受け流して壁際から脱出する。
壁際から脱出した槍使いは体勢を整えてジークフリートへと向かう。力強く踏み込んで槍を突き出すが、ジークフリートは剣で槍を受け流して槍使いの間合いに侵入する。
槍使いは急いで槍を引き戻すが、それよりも早くジークフリートが剣を振るい槍使いを切った。
「があっ!」
腕輪の結界に守られているので本当に斬られることはないが衝撃は伝わる。肩から腰に掛けてまで斬られた槍使いは斬られた箇所を押さえながらジークフリートから距離を取る。
「ハア……ハア……くそったれ……っ!」
息を切らしながら槍使いは悪態をつく。そこへ一気に畳み掛けるようにジークフリートが迫る。
槍使いは息を整える暇もなく槍を構える。距離を詰めてきたジークフリートが剣を振るい、槍使いは剣を受け止める。
「く……っ!」
「うおおおおおっ!」
この勢いのままジークフリートが勝負を決めようと力を込める。だが、槍使いも負けじとジークフリートの剣を押し返す。
拮抗する二人だったが、槍使いが蹴りを放ちジークフリートをふっ飛ばす。
「うぐぅっ……!」
蹴り飛ばされてジークフリートはゴロゴロと地面を転がる。そこに槍使いは駆け寄り、槍を叩きつける。倒れていたジークフリートは迫りくる槍を横に転がって避けた。
なんとか槍使いの追撃を避けたが、状況は悪いまま。ジークフリートは立ち上がろうとするが、そこへ槍使いが阻止しようと追撃を仕掛ける。
ジークフリートは不十分な体勢のまま槍使いの攻撃を受ける事になる。必死に防ぐが、やはり体勢が不十分なジークフリートは劣勢を強いられる。
槍使いの槍は少しずつジークフリートの耐久値を削っていく。このままいけばレオルドが戦う二回戦の相手は槍使いで決まりだ。
「ぐ……う……ここで負けるわけにはいかないんだーっ!」
劣勢だったはずのジークフリートが槍を弾き返した。勢いよく弾かれた槍使いは仰け反ってしまい、体勢を崩してしまう。その隙にジークフリートが体勢を整えて槍使いに打って出る。
「ここだーーーっっっ!!!」
連続の斬撃を槍使いに浴びせて、最後に火属性の魔法を叩きつける。
「うわあああああっ!?」
怒涛の攻撃に槍使いは叫び声をあげて吹き飛んで壁に激突する。そのままズルズルと地面に倒れると、腕輪が砕け散った。
腕輪が砕け散ったのを確認した審判が高らかに勝者の名前を口にする。
「一回戦第二試合勝者ジークフリート・ゼクシア!」
その言葉に観客席にいたヒロインたちが飛び跳ねるように喜んでいる。そして、闘技場にいるジークフリートは勝ったことで安心したのか、その場に腰を下ろしてしまう。
「か、勝てた〜……」
座り込んでいるジークフリートの腕輪は今にも壊れそうであった。恐らくだが、僅差で勝利したのだろう。
もし、あそこで逆転出来ていなければジークフリートが負けていたかもしれない。
さて、そんなことはさておき、ジークフリートが勝利したので二回戦はレオルド対ジークフリートとなった。
ついに、二年の時を経て二人は相対することになる。
果たして、世界はどのように進んでいくのか。
レオルドとジークフリートが戦うことによって運命はどう変わるのか。
それはまだ誰にもわからない。全ては明日決まるかもしれない。