軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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第二試合が始まってからレオルドは二人と別れて、家族の下へと向かう。その際に、係員へ事情を説明してから控え室を出て行く。

別に出場選手は必ず控え室にいなければいけないというようなこともないのだが、試合開始時間にいなければ失格だったりする。

楽しみにしている観客を待たせるわけにもいかないし、他の試合もあるので対戦相手が来るまで待つわけにもいかない。

まあ、決勝戦だけは別枠だったりする。

それにレオルドはもう試合が終わっているので、明日の二回戦までは自由である。だから、係員に言わなくても良かったりする。

そういうわけでレオルドは家族の下へと向かうのであった。

闘技場の中でも限られた人しか入れない貴賓席へとレオルドは向かい、そこにいた家族と応援に駆けつけた仲間達と再会する。

「みん――」

「レオ兄さんっ!!!」

「ゲフゥッ!?」

第一声を紡ぐ前にレオルドはレイラのタックルにより中断されてしまう。しかし、そこはレオルド。ベイナードに勝った偉大な兄として妹の強烈な抱擁を見事に受け止めた。

「すごいわ、レオ兄さん! あのベイナード団長を倒すなんて!」

先程の試合を見て興奮状態のレイラはキラキラとした目でレオルドを見上げる。レオルドは抱きついて、胸元から見上げてくるレイラの頭を優しくなでながら微笑む。

「ああ。ありがとう」

レオルドはそう言ってからレイラを引き離す。レオルドがレイラを引き離していると、他の家族も近寄ってくる。いつの間にか囲まれたレオルドは家族の顔を見回す。

「よくやったな、レオルド。本当にお前はよくやった」

「ありがとうございます、父上」

ベルーガは心の底からレオルドのことを褒めた。先程の試合の全容は分かっていなかったが、それでもレオルドがこれまで努力を積み重ねてきたものだということは十分に理解できた。だから、ベルーガは一切の邪念なく褒めたのだった。

「レオルド! 貴方は本当に自慢の息子よ!」

レイラとは違いレオルドを自身の胸の中に抱きしめるオリビア。突然、抱きしめられたレオルドは顔面から 母親(オリビア) の胸に突っ込む。真正面から抱きしめられたので、鼻と口を塞がれたレオルドは息が出来なくて苦しむ。

酸欠でいよいよ天に召されるかもしれないと感じたレオルドはオリビアの手を叩いて伝えようとするが、先程の試合で息子の勇姿を目にして興奮が止まないといった様子で気が付かない。

よもや、ここに敵がいようとは思いもしなかっただろう。

もしや、ジークフリートを勝たせるために世界がオリビアを使ってレオルドを殺しに来たのか。

なんてことはない。

レオルドが苦しんでいるのを知ったベルーガが慌ててオリビアを引き剥がす。

「オリビア! このままではレオルドが死ぬぞ!」

「ええっ!? あっ、ごめんなさい、レオルド! 大丈夫!?」

やっと解放されたレオルドは息を整える。

「ハアハア……だ、大丈夫ですよ、母上。俺はこの程度では死にませんから」

どの口が言っているのだろうか。先程、確かに死にかけていたというのに。やはり、男とは見栄を張る生き物だということか。

「そ、そう? でも、すごく苦しそうだけど?」

「問題ありません。ご安心を」

キリッと決め顔を見せるレオルドに他の者達は感心していた。母親を心配させまいと見栄を張るレオルドに一同内心拍手を送っている。

懸命にレオルドがオリビアを心配させまいと気丈に振る舞っている所へレグルスが声をかける。

「レオ兄さん。一回戦突破おめでとうございます」

「ああ、ありがとな」

「それにしても、やっぱりレオ兄さんは強いですね。あのベイナード団長を打ち破るとは」

「まあ、運もあったがな。だが、鍛錬の賜物でもある」

「この勢いなら、優勝できそうですね!」

「どうだろうか。決勝には間違いなくリヒトーさんが来るだろうし、それに二回戦を勝たないといけないしな」

そう言ってレオルドは窓の方へと歩き、第二試合を眺める。そこには、レオルドと因縁の深い男が戦っている光景が映った。

闘技大会、一回戦第二試合ではジークフリートが戦っている。相手も予選を突破した猛者であるのでジークフリートは苦戦を強いられていた。

「くっ……!」

「そらそらっ!」

対戦相手はジークフリートに槍を連続で突き出していた。この対戦相手は第一試合を観戦していて、いかに相手にダメージを与えるかが重要だということに気がついていた。

たとえ、ダメージが少ないとしてもレオルドのように格上相手にも通じることがわかったので、ジークフリートの対戦相手はとにかく攻めるのであった。

苦戦している姿を見てレオルドは悔しそうに歯ぎしりをしてしまう。ギリッと奥歯を鳴らせるレオルドは、忌々しそうにジークフリートを見つめ呟く。

「何をやっているんだよ、 主人公(ジーク) !」

そんなレオルドの気持ちなど届くことはなく、試合はジークフリートが劣勢のまま進んでいく。観戦しているレオルドの横へシャルロットが近づき、誰にも聞かれないように防音結界を張って声をかける。

「彼がそうなの?」

「ああ。今押されてる方だ」

「ほんとに? 信じられないんだけど」

「……だろうな。俺ですらそう思う」

「レオルド。やっぱり、貴方の考えすぎなんじゃない?」

「そうかもしれん。でも、俺は……アイツなら勝つと信じている」

「そう。貴方がそう言うのなら私は何も言わないわ〜」

静かに、ただ静かにレオルドは試合の行く末を見守った。