軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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無事、デュラハンを討伐した一行。

デュラハン討伐報酬に加え、二体の犬使いも倒している。装備の新調や強化にアイテムの購買などなど、やる事がたくさん増えている。

戦利品を眺めながら嬉しそうに声を上げるショウキチ。

「この『首無し公の胸当て』ってセットボーナス付いてるじゃん! なになに……『ハルタナ王の首飾り』ってどうやって手に入れんの?」

「それはケンロン大空洞のボスドロップだな。結構レア度高いけどね」

微笑みながら答えるラオ。

ラオが言うように、ハルタナ王の首飾りはケンロン大空洞に住む毛の長い猿に似たハルタナ族の王が落とす装備品。そのセット効果は極めて高く、STRに+5%の補正と冷属性耐性を得るというもの。

このセットは最前線でも未だに使われているほどで、揃えればかなりの戦力増強が望める。

ショウキチの目が爛々と輝いた。

「え!! 欲しい!! なあなあ次ケンロン大空洞にしようぜ!」

「馬鹿言わない! しばらくキレン墓地の周回でレベル上げていくって決めたでしょ」

ショウキチとケットルが睨み合う。

バーバラ達は二人を笑いながら見ていた――。

* * * *

「紋章に騙されてはいけません! 我々は――」

第7部隊がカロア城下町へ戻ると、門の付近で小さな人だかりができていることに気付く。

「なにあれ?」

「さぁ?」

バーバラに尋ねるショウキチ。

バーバラは肩を竦めてそれに答える。

人だかりの中心には二人のプレイヤーが立っているように見え、通りがけに耳をそば立てたバーバラ曰く「ギルドの勧誘か何かでしょ」という話だった。

「あんなに注目を集めてるのに小規模ギルドなんですね。条件が厳しいんでしょうか?」

「加入条件はレベル40〜とか?」

などと会話するキョウコとラオ。

「代表二人が来てるだけじゃない?」

冷静にツッコミを入れるケットル。

怜蘭はそれに無言で頷いている。

その中でただ一人、

修太郎だけは別の事を考えていた。

(あの声、どこかで……)

視線の先には熱心に演説する男が映る。

修太郎もすぐに興味が失せ、一行はその人だかりに特に関心を示さず通り過ぎていった。

* * * *

「あれ、修太郎君?」

ふいにかけられた声に振り返る修太郎。

第7部隊の面々もつられてそちらを見る。

そこには男女の二人組が立っていた。

修太郎の表情がパァッと明るくなる。

「キイチさん、ヨシノさん!」

そこにはかつて第38部隊としてパーティを組み、リヴィルの死後、エマロの町で別れたキイチとヨシノの姿があった。

「ご無沙汰だね。元気してた?」

軽い挨拶を交わしたあと、修太郎達がバーバラ達に「エマロで探してた人達に会えた」と伝えると、バーバラ達は納得したように笑顔を見せる。

「修太郎君と一緒に行動してる紋章ギルド第7部隊隊長のバーバラです。はじめまして」

「これはどうも! 僕は無所属の弓使いキイチで、こっちが聖職者のヨシノです。修太郎君とは一度同じパーティを組んだ繋がりでして……」

紋章の〝数字の若い方が精鋭〟というシステムは、知る人ぞ知るといった所。その上、実力的に第38部隊体験入隊がギリギリだったキイチは、紋章の層の厚さを重々理解していたのだった。

「というか、紋章の一桁部隊って精鋭って聞きましたけど、そんな人達と一緒だなんて修太郎君すごいなぁ!」

などと交流を深めつつ、修太郎はあの後召喚士に転職したことや、そしてシルヴィアとセオドールを呼び出したこと、種子田を含めた三人を探したけど見つからなくてガッカリしていたことを話し、キイチとヨシノは嬉しそうにそれを聞いていた。

バーバラ達もまた、その光景を微笑ましそうに眺めていた。

修太郎の探し人が見つかったことへの喜び。そして年相応の感情を露わにする修太郎を見て、ある種の安心感を抱いていたのもある。

「――そっかあ、悪いことしちゃったな。それならフレンド登録しておけば良かったね」

「はい! じゃあ今します!」

「うん、もちろんよ」

三人はようやくフレンドを交換し、修太郎のフレンド欄にキイチとヨシノの名前が光る。修太郎がそれを満足そうに眺めていると、二人にラオが話しかけた。

「お二人さんは元々エマロの町で活動してたんだよな? なら春カナタって名前のプレイヤー、知らないかな? ずっとエマロを拠点に活動してた生産職プレイヤーなんだけど」

その言葉に、二人は顔を見合わせた。

「知ってますよ。工房の主って呼ばれてた方ですよね」

「そう、ソイツ。なんかラオと怜蘭宛に言伝とかあればなーと思ってね。何も言わずに居なくなっちまったもんだからさ」

「言伝? すみません、そういうのは聞いてないですね。そういえばこないだ、 カロア城下町(ここ) に向かうパーティに参加して出かけるのを見ましたが……その方がどうかなさったんですか?」

それを聞いて、ラオと怜蘭は溜息を吐く。

きっとその道中に死んだんだな――と。

ラオが言いづらそうに経緯を話すと、二人は再び顔を見合わせた。そしてヨシノが語り出す。

「そのパーティなら〝解放者〟の所に向かったはずですよ。私達も それ目的(・・・・) のパーティに参加してこの町に来ましたから」

ラオはバツが悪そうに頭を掻く。

「あー、でも奴の名前はオフラインになってたからね。道中何かあったんだろう」

ヨシノは心配したような表情で再び尋ねる。

「単純に、その方は〝ログアウト〟したのでは?」

「はあ? ログアウトなんてできたら――」

不機嫌そうに声を荒げるラオに対し、ヨシノは少しも表情を変えず、こう答えた。

「できますよ」

そして続けるようにこう語った。

「解放者は〝ログアウトして戻ってきた人〟なんです。彼はこのゲームの脱出方法を見つけ、かなりのプレイヤーが既にログアウトして行ったって話ですよ」

一気に驚愕の表情となる一同。

〝ログアウトができる〟

それは、デスゲームから抜け出せる手段が見つかった――という、地獄に囚われた全プレイヤーへの朗報であった。