軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

464 クマさん、それぞれの封印の建物に向かう

「ふぅ」

これで終わりだね。

クマ魔法の風魔法を放って最後のワイバーンを倒す。

建物から離せば、倒せない相手ではない。建物の中にある封印を守りながら戦うのが面倒くさい。ワイバーンの相手をしているとヴォルガラスが建物の中に入ろうとする。こういうとき、くまゆるとくまきゅうが居れば楽だった。

そして、残りのヴォルガラスを倒し、魔物は全て倒した。

「終わった」

わたしはあらためて建物を見る。

いろいろな箇所が壊れている。

「わたしのせいじゃないよね?」

一部はわたしの魔法で壊れた場所もあるけど。ヴォルガラスとワイバーンが壊したものが多い。

戦いには多少の犠牲はつきものだ。

大蛇の封印は守ったのだから、良しとする。

周囲に魔物がいないことを確認したわたしはくまゆるとくまきゅうのところに向かう。

こっちはワイバーンが一体とヴォルガラスが数体残っている。順調に数が減っている。わたしが駆けつければすぐに討伐ができるはずだ。

2人は仲良くしているかな?

くまゆるとくまきゅうが守っている建物に駆けつけると、くまゆるとくまきゅうがワイバーンを追いつめているところだった。

「くぅ~ん」

「くぅ~ん」

くまゆるとくまきゅうに追いつめられたワイバーンは翼を羽ばたかせて、逃げようとする。

くまきゅうが攻撃を仕掛けるが、間に合わず避けられる。だが、くまゆるが建物に駆け上がり、建物を使ってワイバーンに向かって飛ぶ。くまゆるの攻撃がワイバーンに命中して地面に叩き落とす。

地面に落ちたワイバーンにくまきゅうが止めを刺す。ワイバーンは息絶えて、倒れる。

ワイバーンを倒したくまゆるとくまきゅうはお互いを称えるように体を擦り合う。

うん、仲良く戦っていたようだ。二人が仲良しだとわたしも嬉しくなる。

「くまゆる、くまきゅう」

声をかけると、わたしに気づいたくまゆるとくまきゅうが駆け寄ってくる。

「二人とも頑張ったね。怪我はしていない?」

「「くぅ~ん」」

「大丈夫だよ」って感じに鳴く。

どうやら、怪我はしていないみたいだ。良かった。

くまゆるとくまきゅうは頭を撫でてほしそうにするので、頭を撫でてあげる。

でも、まだ戦いは終わっていない。

「ヴォルガラスが残っているよ。わたしも手伝うから一緒に倒そうか」

「「くぅ~ん」」

わたしの言葉にくまゆるとくまきゅうは競うようにヴォルガラスを倒しに向かう。

あれ? 今、仲良く戦っていたよね?

わたしも2人を追いかけてヴォルガラスの討伐を手伝う。

全ての魔物を倒したわたしはくまゆるに、わたしが受け持った建物に向かってもらう。こっちにはくまきゅうに残ってもらう。

魔物がいないからくまゆるとくまきゅうだけでも大丈夫なはずだ。

それに、それほど離れた距離でもないので、なにかあれば、すぐに駆け付けることができる。

「それじゃ、2人ともお願いね。でも、無理はしちゃダメだからね」

「「くぅ~ん」」

くまゆるとくまきゅうは返事をして、くまゆるはわたしが受け持った封印の建物に走り出す。くまきゅうは建物の屋根に陣取る。やる気満々だ。

封印がある建物はくまゆるとくまきゅうに任せて、わたしは次に近いカガリさんのところに向かう。

それほど、時間もかからず、カガリさんが受け持った封印がある建物にやってくる。

「ほれ、凍れ、凍れ」

カガリさんの手から、吹雪のようなものが吹き出し、ワイバーンを攻撃している。それに対して、ワイバーンは翼を体の前で閉じて防ぐ。

「なら、これならどうじゃ」

カガリさんは炎の玉のようなものをワイバーンに放つ。炎はワイバーンに絡みつき、翼を燃やす。ワイバーンは翼を羽ばたかせて、消そうとするが、粘り気のある炎のようになかなか消えない。

わたしの魔法と違うのかな?

ワイバーンはそれでも、翼を羽ばたかせ、炎を消す。

でも、カガリさんがさせない。次から次へと炎を投げる。

ワイバーンの強度が高い翼にヒビが入る。

なるほど、温度差による攻撃か。

ワイバーンの皮が吹雪で冷やされたことで収縮され、炎の熱で膨張させたの?

ワイバーンは耐えきれなくなり、翼を大きく広げて逃げようとする。

「逃がすわけがなかろう」

カガリさんは両手を上にあげると、大きな炎を作り出す。それをワイバーンに向けて投げつける。ワイバーンは炎に包まれて、悲鳴をあげながら、倒れた。

強い。

カガリさんの炎はクマの炎ぐらいの威力があるかもしれない。

わたしが見ていると、カガリさんが気づく。

「なんじゃ、見ておったのか」

「うん、少し前から」

「それなら、手伝ってくれてもよかろうに」

「手を出す必要はなかったかなと思って」

「そんなことはない。大蛇のことを考えると、魔力の消耗はなるべく抑えたいからな」

それはわたしも同様だ。

戦いが終わったら、白クマに着替えて、休んだほうがいいかな。

まあ、そんなに魔力は消耗していないから大丈夫だと思う。それに、白クマ姿をシノブにでも見られたら、笑われそうだ。

「それで、嬢ちゃんがいるってことはそっちは片付いたのか?」

「わたしとくまゆるとくまきゅうのところは片付いたよ」

「そうなると、残りはシノブのところじゃな」

わたしは探知スキルでシノブが向かったほうを確認する。

まだ、魔物の反応がある。手こずっているみたいだ。

「わたしが見てくるよ」

「そうか。なら、頼もうか」

「それでカガリさんにはくまゆるとくまきゅうが見張っている封印になにかあったときに、駆け付けてほしいんだけど」

「それはいいが、魔物が来たかどうかなんて、わからんぞ。まあ、木に登って確認すれば、可能じゃが」

「確認はわたしがしますから、大丈夫ですよ。それで、カガリさんにはこれを持っていてほしいんだけど」

わたしはクマフォンを取り出す。

「そのクマは、たしか、遠くの者と話す魔道具」

「なにかあったときは、これで連絡をするから、持っていてもらえますか?」

「これで、ムムルートと」

「ちなみに、この魔道具はわたしとしか、話すことはできないから」

「そうなのか?」

カガリさんは残念そうにする。

そんなにムムルートさんと話がしたかったのかな?

わたしはカガリさんにクマフォンの使い方を説明する。

「もし、カガリさんのほうでも、なにかあったら連絡ください」

「わかった。ありがたく使わせてもらおう。お主のクマのことも任せろ。なにかあれば妾が守る」

そして、シノブのところに向かう前に尋ねたいことがある。

「カガリさん、尻尾増えてません?」

カガリさんを見たときから、気になっていた。見える限り、尻尾が3本ある。

「妾の秘密の一つじゃ。隠しごとをもっておるのは嬢ちゃんだけじゃないぞ。ちなみにこれは乙女の秘密じゃから、教えぬぞ」

もしかして、尻尾が増えるとパワーアップするのかな?

九本まで増えるとか?

大妖怪、九尾の狐が思い浮かぶ。

「そんなことより、早くシノブのところに行け。あやつのことが心配じゃ」

確かにそうだ。

こことくまゆるとくまきゅうのことはカガリさんにお願いして、シノブのところに向かう。

探知スキルを確認しながら走る。

まだ、ワイバーンの反応はある。さらに新しくワイバーンがやってきている。このまま進めばシノブがいるところを通る。これはまずいかもしれない。

わたしは駆ける。

距離は離れていないので、数十秒でたどり着く。

わたしがたどり着いたとき、シノブがふらつきながら立ち上がるところだった。そして、空から2体のワイバーンが降りてくるところだった。

一体は建物に向かって、もう一体はシノブに向かってくる。

両方は間に合わない。

考える前にわたしは動いていた。

わたしは地面を蹴る。

そして、シノブに向かって降りてくるワイバーンに向かって、クマさんキックをする。

飛び蹴りとも言う。

ワイバーンはクマさんキックで弾き飛ぶ。

「シノブ、大丈夫?」

倒れそうになるシノブの体を支える。

「ユナ?」

「間に合ってよかった」

わたしは倒れないようにシノブの肩を抱き寄せる。

「建物にワイバーンが」

「わかっているよ」

建物に向かうのを見ていた。

「もしかすると、ユナは封印より、わたしを守ったっすか?」

「…………」

わたしは封印の建物に向かうワイバーンより、シノブに襲いかかろうとしたワイバーンを蹴り飛ばした。

目の前でシノブがなにもできずに、ワイバーンの攻撃を受けようとしていたからだ。

「ユナ、選択を間違っているっす。わたしの命より、封印を守るほうが上っすよ」

確かに国王やトップの人間なら、1人の命より、多くの命を守るために封印を守る選択をするかもしれない。

だけど、わたしは国王ではない。

「わたしがなにを守ろうと自由だよ」

建物の中に入ったワイバーンは建物の中で暴れている。すぐに対処したほうがいいが、たぶん、遅い。

それにわたしが蹴り飛ばしたワイバーンが立ち上がろうとしている。

ここでシノブから離れたら、間違いなく襲われる。

考えている時間はないのは間違いない。

「あとはわたしに任せて」

安心させるように優しく声をかける。

「ごめんなさいっす……わたしのことは気にしないで戦ってくださいっす」

シノブは目を閉じると、首がカクンと落ちる。

「シ、シノブ!?」

声をかけるが反応はない。

息はしている。どうやら、気を失っただけみたいだ。驚かせないでほしい。死んだかと思った。

シノブの状態は酷い。致命傷はないみたいだけど、いろいろな場所に怪我をしている。特に左肩が血で滲んでいる。シノブの左肩の部分は血に染まっていた。

女の子なのに顔にも傷がある。

すぐにでも治してあげたいけど、わたしに蹴り飛ばされたワイバーンがわたしを見て唸っている。

「今すぐ、相手をしてあげるから、慌てないでもらえる?」

ワイバーンにわたしの言葉が届くわけもなく、ワイバーンは翼を大きく広げて、風の刃を飛ばしてくる。

わたしは土の壁を作って防ぐ。

「それじゃ、倒してくるから。休んでいて」

わたしは気を失っているシノブをゆっくりと地面に寝かせる。

そして、唸っているワイバーンに向かって、クマ魔法とミスリルナイフを使って、瞬殺する。

遊んでいる時間はない。