軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

39 クマさん、蛇退治を終えて街に帰る

翌日、朝早く目覚める。

天井が違う。

村長の家に泊まったことを思い出す。

体を起こして立ち上がると、隣の部屋から物音がする。

長老はすでに起きているらしい。

「おはようございます」

「もしかして、起こしてしまいましたかな?」

「大丈夫です」

「それでは簡単ですが、朝食を作りますのでお待ちください」

ボーとしながら待っていると、朝食が運ばれてくる。

パンと野菜と…………目玉焼き?

「どうぞ、口に合えば良いのですが」

「あのう、これは?」

目玉焼きを指す。

「これはコケッコウの卵です。カイの父親が朝一で森に採りに行ってくれました。ユナさんに食べてほしいと言われて」

「その、ありがとうございます」

礼を言って、ナイフでパンに切れ目を入れて野菜と目玉焼きを挟んで食べる。

「おいしい」

「それはよかったです。採りに行ったカイの父親も喜ぶでしょう」

朝食を食べ終わり、卵について聞いてみる。

「この村ではコケッコウの卵が採れるんですか?」

「そうですな。森の中にコケッコウがいますから朝一で行くと産みたてが取れます」

「コケッコウってどんな鳥なんですか」

「普通の鳥は木の上に巣を作るのですが、その鳥はあまり、高く飛べないので地面の草むらに巣を作ります。あと鳥ですが逃げ足は速いです」

にわとり?

「今朝採ってきた、コケッコウと卵がまだあると思いますから、お持ち帰りになりますか」

「いいの?」

「もちろんです。村の恩人です。わしらに払えるものは何もありませんから、このぐらいかまいません」

卵と鶏もどきゲット!

朝食を食べ終わった後、帰り支度を始める。

「本日、帰られるのですか?」

「ギルドにも報告しないといけないからね」

村長の家を出るとカイがやってくる。

「姉ちゃん、帰るのか」

「この村に向かっているギルマスと冒険者もいるし、報告をしないと迷惑がかかるからね」

帰り際、カイの父親からコケッコウの卵を10個とコケッコウを3羽ほどもらう。

今回の討伐で、これが一番嬉しいかもしれない。

ちょっと遠いけど、また来よう。

村人全員に感謝されて村を出発する。

くまゆるを呼び出し、街に向けて走りだす。

昼頃、街に向けて走っていると、前の方から向かってくる者がいる。

もしかして、ギルマス?

くまゆるの速度を落とす。

「ユナか!」

ギルマスがわたしに気づいて馬を止める。

「こんなところでどうした。もしかして、村が全滅か」

「ブラックバイパーなら倒しましたよ」

「……はぁ、すまん、もう一度言ってくれ」

「ブラックバイパーなら倒しました」

「冗談だろ」

面倒なのでクマボックスからブラックバイパーを取り出す。

ギルマスの前に全長10m以上のブラックバイパーが現れる。

「本当に1人で倒したのか。でも、体に傷が付いていないな」

「体にダメージが与えられなかったから、口の中に火の魔法を撃ち込んで焼き殺した」

「口の中ってそんな簡単に……」

ブラックバイパーを見る。

口元を確認しているのだろう。

「確かに、よく体内まで撃ち込めたな。普通は口の中で噛み砕かれて奥までいかないんだけどな」

炎のミニクマが歩いて体内の奥に行きましたとは言えない。

「とりあえずわかった。村に行っても意味がないなら街に帰るぞ」

くまゆると馬が走り出す。

「すまないが、おまえさんの召喚獣と違って俺の馬はそんなに速くは走れない。合わせてもらっていいか。話も聞きたいし」

ギルマスに村で起きたことを説明する。

「おまえさん、無茶なことをするな」

休憩を挟みつつ街に戻る。

その途中で、ギルドの職員に出会う。

「ギルマス!」

「どうしたんだ?」

「ギルマスこそ、どうしてここに、ブラックバイパーを倒しに行ったのでは」

「ブラックバイパーなら、この嬢ちゃんが1人で倒した」

「1人で……」

ギルド職員がわたしを見る。

「それで、おまえはどうしてここにいるんだ」

「はい、ブラックバイパー討伐の依頼を頼むはずだった隻眼のラッシュが怪我をして戻ってきたんです。それで、他の冒険者を探しているんですが、ブラックバイパーを倒せる者がいなくて。とりあえず、冒険者探しはヘレンに任せて、冒険者が遅れることを伝えにわたしが来たのですが……」

職員はもう一度、わたしの方を見る。

だから、なぜ、わたしを見る。

「わかった。とりあえず、おまえも街に帰るぞ」

3人になったわたしたちは街を目指す。

村を出て2日ほどで街に帰ってくる。

慌てることは無かったので、馬たちの負担を軽減するために速度を落として帰ってきた。

そのままギルドに入るとヘレンがわたしたちを見つける。

その瞬間、泣き出す。

「ユナさん、ギルマス……。どうしてここに……。もしかして……」

「ヘレン大丈夫だ」

「えっ」

「ブラックバイパーなら倒した」

「本当ですか。良かったです。Cランク以上の冒険者がどうしても捕まらなくて困っていたんです。流石ギルマスですね」

「倒したのは俺じゃない。俺が着く前にユナが1人で倒した」

「はぁ……」

「俺も同じ気持ちだ。でも、事実だ」

「ユナさん、凄いですね」

「それでユナ。今日はもう遅い。悪いが明日来てくれないか。今回の報告書も書かないといけないし、ブラックバイパーの素材の件もある」

「時間は?」

「早いほうが助かるが、おまえさんも疲れているだろう。時間は任せる」

「了解」

わたしは冒険者ギルドを後にした。