軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

まだ足りぬなら

領全体。防衛方針は——ほぼ、固まった。

北部は、後退。補給線伸長し負荷をかける。基本方針だ。

2本の街道には、偽装村と大量の罠。

俺の隊は、ほぼ平地。地形ごと変えるつもりだ。泥濘化をさせる。大型クロスボウ。

兄上の隊は、中央。投石器による攻撃。

伏せた拠点。

机の上に並ぶ、地図と計画。

点ではない。線の防衛。

エドワルドは、それを見下ろしていた。

「……これで」

ぽつりと漏れる。

大枠は——決まった。

父は、防ぐ。兄は、刺す。自分は、止める。

理屈も通る。

だが。

「……本当に、これで全部か?」

指が、止まる。

何か。まだ——足りない。

抜けは?見落としは?

敵の動き。敵の補給。

如何にもならない天候。

あるいは……別の手。

低く呟く。

「……」

兄上は、守るだけでは、終わらない。

敵に選ばせず。流れを作り。

主導権そのものを奪うつもりだ。

間違いない。なら——

「……俺は?」

止める。それだけで十分か?

防ぐ。止める。悪くないと思っている。

だが——

「……まだ、受け身か?」

ぽつりと漏れる。

敵が来る前提。敵が動く前提。

それを、崩せないか。

考える。もっと別角度。

沈黙。やがて——

「……駄目だな」

小さく息を吐く。

同じ場所を、回っている。

机を離れ、行き詰まった時。

今までも——そうだった。

「……書庫、か」

ぽつりと漏れる。

戦記。報告書。過去。

答えそのものは無くとも——

「……切っ掛けは、あった」

今までも。全て——何かを見て、繋がった。

なら今回も。

「考えろ、俺」

低く、自分へ落とす。

「……他に、何かある筈だ」

まだ気付いていないだけかもしれない。

扉へ向かう。

ふぅ、と小さく息を吐く。

「……気分転換だ」

そう言いながら——本当は、探しに行く。

次の一手を廊下を進む足は、止まらない。

防衛は、形になった。

なら——その上を行く手が、あるかもしれない。