軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

守られた火

雪は弱まっている。

だが、まだ止んではいない。

「……やる」

クラウスは短く言う。

並べられた土瓶。前回とは違う。

外側。布と油を重ね、その上から殻で包む。

割れるまで——中を守る為の構造。

「……」

一つ、手に取る。重い。火を入れるとじ、と鈍い音。前より、安定している。

投げると弧を描き——落ちる。

一拍。

——割れる。

「……!」

炎が上がる。消えない。雪に打たれても、残る。

地面に広がりゆっくりだが、確実に。

クラウスは動かない。ただ、見ている。

もう一つ、同じ構成。火を入れ投げる。

——割れる。

炎が立つ。先程よりも、強い。

「……これなら使えるな」

ぽつりと呟く。

火が——雪を越えている。

一歩、踏み出す。

割れた跡。外殻は砕けている。

中の布は、乾いたまま燃えている。

指で触れる。まだ、熱い。

「……守れたか」

短く言う。方向は正しい。

だが——もう一つ。強く投げる。

——落ちる。割れる前に、崩れる。

中身が、先に露出する。

「……」

火が弱い。燃え切らない。

さらに一つ。角度を変える。

——落ちる。炎は出る。

だが、ばらつき安定しない。

クラウスは目を細める。

「……まだだな」

低く言う。

燃える。だが——

「……揃っていない」

結果が一定ではない。

空を見ると雪は、まだ残っている。

「……使える」

小さく呟く。条件付きで。

炎は、雪の中でまだ燃えている。