作品タイトル不明
第126話 奈落ダンジョン七十層から九十層
七十層にやってきたルクスたちは、氷に覆われたボス部屋に入った。明かりが灯り、中央に仁王立ちした狼男の姿が 露(あら) わになる。
【NO NAME】
狼男王(ワーウルフキング) と呼ばれる獣系の 魔物(モンスター) 。
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七十層のワーウルフキングは百レベルだ。油断はできない。
七十層に至るまで、黄金の導のメンバーは、レベルがそれぞれ五ほど上がってはいる。
レベル差はまあまあある筈なので、余裕はあるかもしれない。
まず、ラエティティアがスキル舞歌の中の一つ、【戦舞の歌】を歌う。
【戦舞の歌】
熟練度に応じ、味方のSTR・MND・LUKをUPさせる効果がある。
歌っている間は、敵の攻撃力が下がる。
ラエティティアは二次職のアイドルなので、その場で歌って踊り始めた。
アスターとシアーシャはラエティティアの横で楽しそうに飛び回りつつ、バフを全員に掛ける。
アスターは小妖精魔法の【小妖精の守護】を掛け、シアーシャは、神聖術の【聖なる願い】を。
従魔の神龍ルベウスは【龍の守り】を、神獅子アルブムは【獅子の鼓舞】を、神蛇ヴィオラは【蛇の導き】を使った。どのスキルもステータスを向上させる有用なスキルだ。
バートは【水壁】で後衛陣の守りを固めた。
「来い!【挑発】、【不動の盾】」
アランは盾術の技を二つ使った。
挑発はいつも通りだが、不動の盾はお初だろう。
不動の盾は、一定時間、動けなくなるが、敵のどんな攻撃も威力が半減し、一定時間内にHPが零になる攻撃を受けると、熟練度に応じて、一定量のHPを回復するという素晴らしい技だ。
ワーウルフキングはアランの盾を一心不乱に攻撃し始めた。
こうなるとかなり攻撃しやすい。
クラーラとルクスはワーウルフキングの背後から狙いを定めた。
「【刺突】」
「【連続三段突き】」
ルクスはワーウルフキングの首を剣で貫き、クラーラはワーウルフキングの背中を三回素早く短剣で突いた。
ワーウルフキングはドロップアイテムを残し、光の粒となって消えた。
「百レベルだけど、呆気なかったね」
ルクスはドロップアイテムを拾いつつ、言った。
「ああ、確かに」
アランは奥の階段を見据えつつ、頷いた。
「バフも凄かったし、連携も良かったと思う」
クラーラはアランの腕に抱き着きつつ、そう言った。
「落ち着いたら、皆で下りようか」
「おう」
「うん」
MP(マナポイントつまり魔力)やSP(セイクリッドポイントつまり神聖力)、FS(ファイティングスピリットつまり闘気)が回復するのを待つ。とはいえ、消費した力は僅かだろうが。
十分ほど雑談をしてから、彼らは階段を下りた。
七十一層からはワーグつまり魔狼が出現する。ルクスたちはワーグでレベリングしつつ、八十層に到達した。
八十層のボスはレベル百十のワーグキングだった。
ルクスたちは難なくワーグキングを倒し、次の層に向かった。
八十一層からはスノウウーマンつまりは雪女が出現する。
ルクスたちは氷でできたスノウウーマンを容赦なく倒し、レベリングしていった。
九十層のボスは九十層に広がる雪原の向こう、巨大な氷の城にいた。
氷の城の最上階の謁見の間、その玉座に座す優美な氷の女性。彼女こそが、この城の主であり、階層ボス──スノウクイーンだ。
【NO NAME】
雪の女王(スノウクイーン) と呼ばれる妖精系の 魔物(モンスター) 。
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スノウクイーンが氷の右手を掲げると、謁見の間は酷い吹雪が吹き荒れ、ワーグやスノウウーマンがどこからともなく何体も現れた。
常春のランタンがある場所(バートが手に持っている)は吹雪の影響はないので、黄金の導はその付近でワーグやスノウウーマンたちを蹴散らす。
吹雪が収まることはなく、ワーグやスノウウーマンたちも減る様子がない。
ルクスはバフを掛けてもらい、単身、スノウクイーンのいる玉座まで時空間魔法で転移した。
突然目の前に現れたルクスにスノウクイーンはすぐには反応できなかった。
ルクスは戸惑うことなく赤陽剣を構え、【魔法剣】を発動し、炎属性魔法を剣に纏わせ、剣技【刺突】を使い、スノウクイーンの心臓部を貫いた。
スノウクイーンは 為(な) す術もなく事切れ、光の粒となって消えた。
吹雪が止み、謁見の間の奥には扉ができた。
扉の向こうには、最上階から地上へと続く階段が出来ていた。
黄金の導は階段から地上に降り、地上にある地下への階段を下りる。
次の階層の降りた場所のすぐ近くにセーフティエリアがあったので、ルクスたちは 此処(ここ) を野営地とすることにした。