軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第123話 情報共有

一週間で使用人を十五人雇ったルクス。人が増え始めたクラン『自由の翼』ラビュリントゥス支部に活気が出ていた。

「さて、そろそろ迷宮都市の『奈落ダンジョン』に挑みたいと思うのだけど、どうかな?」

ルクスは三階の談話室にクランメンバーを集めて、皆の意見を聞いていた。

「俺は賛成だ。使用人たちはまだ不慣れだけど、一生懸命だ。俺たちが留守になっても悪さはしないだろう」

風任せのフランツがそう言って笑った。

「僕も、今回雇った使用人たちは良い人、だと思う……」

風任せ魔法使いのハイノは表情を変えないまま、思うことを口にした。

「 某(それがし) も同意見だ」

そう言って、風任せの斥候カネツグは微笑んだ。

「私も賛成です」

そう言った風任せのアルバンはいつも通り微笑んでいる。

風任せの回答を受けたルクスは人それぞれのアガーテに問う。

「人それぞれはどう思う?」

ルクスに問われたアガーテは仲間たちと小声で意見を交わし、代表で応えた。

「人それぞれも風任せに同意する」

アガーテの応えに頷いたルクスは明日への架け橋に目を向けた。

明日への架け橋は話し合いを済ませていたようで、リーダーのアドラーが自信満々に口を開いた。

「明日への架け橋は風任せと人それぞれに同意します」

「うん、分かった。反対意見もないようだし、明日からダンジョン攻略に向かおうか。皆、アイテムポーチに一週間分の食糧と道具を入れておくように」

「「ということは」」

「うん、今回のダンジョン攻略期間は一週間とします。頑張ろうね」

「「はい!」」

「それと、事前に奈落ダンジョンについて調べたんだけど」

これから攻略するダンジョンの情報は貴重なので、皆、真剣な表情になってルクスの話に耳を傾けた。

「一層のモンスターはレベル三十のスライムで、十層の階層ボスはレベル四十のスライムキングだ。明日への架け橋は平均レベルがまだ四十と聞いているので、まず一層から九層でレベリングして、レベル五十くらいになったら、十層ボスに挑戦すると良いと思う。十層の階層ボスだからと言って油断すると痛い目を見るからね」

明日への架け橋は、いつの間にか用意した和紙メモ用紙でメモを取っていた。その様子に安心しつつ、ルクスは言葉を紡ぐ。

「次は二十層。二十層の階層ボスは五十レベルのゴブリンキングだから、人それぞれのレベリングにおすすめだと思う」

「あー、そのことなんだけど、団長……あたしら、先週、 緋金級(ヒヒイロカネランク) に昇格したんだ」

「え!そうなの!?おめでとう!」

すごいね!とルクスがアガーテたち人それぞれを褒めていると、風任せのフランツが咳払いをし、手を挙げた。

「フランツさん?」

「あの、俺たちも 金剛級(アダマンタイトランク) に昇格した」

「ええ!すごいね!おめでとう!」

黄金の導の面々と明日への架け橋の面々も人それぞれと風任せを賞賛するものだから、収拾がつかなくなってきた。

ルクスはしばらく落ち着くのを待ったが、落ち着かないので、手を叩いた。

「はい!ちゅうもーく!ダンジョンの情報はいらないの?いるの?」

「「いります!」」

「じゃあ、座ってね」

全員が席に座ったところで、ルクスは口を開いた。

「じゃあ、次は三十層のボスについて。三十層の階層ボスはレベル六十のオークキングだよ。普通のオークも三体出現するから注意してね。 緋金級(ヒヒイロカネランク) の人それぞれはここでレベリングできたら良いと思う」

人それぞれも、和紙メモ用紙に書き込んでいる。ルクスはその様子に感心しつつ、風任せに目を向けて、次の情報を口にした。

「次は四十層のボスについて。四十層の階層ボスはレベル七十のオーガキング。普通のオーガも四体出てくるから厄介かもね。 金剛級(アダマンタイトランク) の風任せは此処でレベリングするのがオススメだよ」

風任せもメモを取っていた。

「最後に冒険者が到達できた最高到達層は五十層で、五十層のボスはレベル八十のブラッディオーガキング。この次の層は地獄のような極寒の地らしいよ」

「質問」

バートが手を挙げた。

「はい、バート、どうぞ」

「たしか、現在アルヒ王国でレベル八十以上の冒険者は黄金の導くらいだったと思うんだけど、奈落ダンジョンの五十層に到達した冒険者は過去の冒険者なのかな?」

「うん、そうだよ。確か、百年前くらいに 幻金級(オリハルコンランク) の冒険者がいたらしくて、その冒険者が五十層まで攻略したそうだ。五十一層についての証言はその冒険者のものらしいよ」

この話は迷宮都市での一週間の間にルクスが冒険者ギルドや冒険者たちに聞きこみして、得た情報だ。ちなみに、階層ボスの情報はマップでもよく分かるので、これ以上正確な情報はないだろう。

「五十一層は地獄のような極寒の地なんだよね?……礼装装備でも大丈夫かな?」

「礼装装備には温度調節の魔法も付与されてるから、大丈夫だよ」

ヘレナが作る礼装にはアクセントで宝石のような魔石が縫い付けられていて、それに魔法が付与されている。昔は、魔法使いに依頼して付与してもらっていたのだが、最近はルクスが魔法を付与するようになっていた。魔法付与は正確には魔石に魔法陣を付与することで、魔法陣によって、発動する魔法が異なってくる。

魔石の魔力を補充することは誰にでもできるので、魔法陣さえ付与されれば、その魔法はずっと使えるようになる、という仕組みだ。

魔導具も魔石に魔法陣を付与して動かすようになっている。

魔導具の場合は器など工夫が必要になってくる。

「万が一、魔力の補充ができなくなっても困るから、アイテムポーチに防寒着を入れておいた方がいいかもね」

「分かった」

「(暖かい空間を作れる魔導具も探しておくか……)以上になるけど、他に質問はあるかな?」

団員たちは首を横に振ったり、沈黙したりして、質問がないということを示した。

「うん、じゃあ、解散!」

団員たちはぞろぞろと明日からのダンジョン攻略に向けて、買い出しに向かった。

ルクスたち黄金の導も集まって、買い出しに向かった。