軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第121話 会議は踊らない

迷宮都市ラビュリントゥスの商人ギルド不動産部の部長からの手紙は、ルクスたちが王都に戻った頃に届いた。

ちなみに、ルクスたち自由の翼は許可をもらって、自由の虹羽で先に転移してきたので、王都には早くに到着した。

受け取ったルクスは、クラン幹部を集めて、自由の翼の本部会議室で会議を開いた。

幹部は黄金の導と追い風、自由気まま、風任せ、人それぞれだ。

比較的、新しく入ったクランメンバーは除外している。

「じゃあ、第二回、自由の翼クラン会議を始めます!」

ぱちぱち、と会議室に拍手が響いた。

「迷宮都市ラビュリントゥスの自由の翼支部になる予定の屋敷ですが、完成したという知らせが届きました。なので、自由の翼の一部メンバーをラビュリントゥス支部に派遣したいと思っています。ちなみに、派遣が決定しているのは、黄金の導です」

「しつもーん」

人それぞれの猫獣人である斥候アメリーが手を挙げた。

「はい、アメリーさん」

「黄金の導のアラン坊とクラーラ嬢は学生だけど、大丈夫かにゃ?」

「えっと、アランとクラーラさんは来月で卒業予定なんですよ、ね、アラン、クラーラさん」

「ああ、俺とクラーラは学園長に勝負を挑んで勝ったから来月卒業して良いってことになったんだ」

「アランの言う通り」

アランとクラーラは誇らしげだ。

「……アランとクラーラさんのレベルがかなり高いから勝てただけだからね。慢心せずに、もっと修行を頑張ってね」

二人が天狗にならないように、とルクスは忠告した。

「「……はーい」」

二人はしょぼんとした。

「話を戻します、迷宮都市ラビュリントゥスに派遣するのは黄金の導だけじゃないんです。あと、三組を派遣したいです。ただし、自由気ままと風任せ、人それぞれのいずれかのパーティーには、王都に残って貰いたいです」

自由気ままと風任せ、人それぞれはパーティーメンバーと顔を見合わせた。

「ということで、ここは厳正なるクジ引きで決めようと思ってるんですけど、どうですか?」

「俺は良いと思う」

風任せのリーダー、フランツが賛同した。

「あたしもそれで構わない」

人それぞれのリーダー、アガーテも同意する。

「ちょっと、待ってくれるか?」

自由気ままのリーダーエドヴィンがパーティーメンバーとなにやら話し合う。

何かを決めたようで、皆で頷いている。

「自由気ままは王都残留組になろうと思うんだが、どうかな?」

「え、良いんですか?」

「ああ、俺たちのレベルは結構上がってるしな、それに、まだ、廃坑ダンジョンの最下層に到達できてないことが心残りなんだ」

エドヴィンはそう言って、笑みを浮かべた。

「なるほどね。じゃあ、自由気ままに残って貰いましょう。フランツさんとアガーテさんは派遣組でも大丈夫です?」

「問題ない」

「望むところだね」

「うん、あと一組は新規メンバーから選出しようと思うんだけど、おすすめのパーティーとかありますか?」

エドヴィンとフランツとアガーテは顔を見合わせた。そして、考えが一緒だと感じ、口を開いた。

「「『明日への架け橋』!」」

三人とも同じパーティーメンバーを口にした。

「えーっと、俺、最近のメンバーについて詳しくないんですけど、どんなパーティーですか?」

「平均レベルは四十で、若者中心のパーティーだが、礼儀正しく、性格が良いメンバーばかりなんだ。慎重すぎる面もあるが、良いパーティーだ」

饒舌に話すエドヴィンの言葉に、自由気ままと風任せ、人それぞれの全員が頷いた。

「ふうん……良さそうなパーティーですね。じゃあ、明日への架け橋も派遣組に入れますね。じゃあ、派遣組は黄金の導と風任せ、人それぞれ、明日への架け橋。残留組は自由気ままと追い風になります。派遣組の出発はアランとクラーラさんが卒業してから一週間後の 厳月(ゲブラー) 七日にします」

「「はい!」」

「よろしくお願いいたします。じゃあ、解散で!」

「ちょっと待った!」

ルクスの頭上から三匹の従魔が落ちてきた。

小さなドラゴン──ルベウスと、白い猫──アルブム、白い蛇──ヴィオラだ。

「我らも連れて行って欲しい」

「連れて行くのだ」

「私も行きたい……」

三人の 円(つぶ) らな瞳がうるうるとしている。

「えっと、どうしたの?三人とも……」

「主がいないと外出禁止だと皆に言われる。我はもっと外に出たいし、戦いたいぞ、主」

「我、そろそろ違う街に行きたいのだ、ルクス」

「書庫の本は読みつくしたから、もっと本が読みたいの」

三人(?)の希望を聞いて、ルクスは悩んだ。

(アルブム以外は目立つけど……まあ、ダンジョン内であれば問題ないか。それにヴィオラは新しい本があれば大人しいっぽいし。よし、連れて行こう)

「いいよ、三人とも連れて行くよ」

「「 本当(か) !」」

「うん」

「「やった」」

三人(?)はハイタッチ(ヴィオラは尻尾でタッチ)して喜んでいた。

「じゃあ、今度こそ解散で!」

ルクスが解散と言うと、背伸びしたりする者もいれば、机に突っ伏したりする者、席を立って退出しようとする者、隣のメンバーに話しかける者など、様々だ。

ルベウス、アルブム、ヴィオラは楽し気に話しをしている。

「ティアは予定ある?」

「えっと、特にはないですね」

「じゃあ、デートしよっか」

そう言って、ルクスはラエティティアの手を握り、恋人繋ぎをした。

「はわ……」

ラエティティアには刺激が強かったようで、真っ赤になっている。

「ティア?」

まさか恋人繋ぎごときでラエティティアが混乱すると思ってなかったルクスは首を傾げた。

やがて、ラエティティアには恋人繋ぎは刺激が強いということに気付いたルクスは、残念な気持ちを抱きつつ、恋人繋ぎをほどいた。

「はうぅ……デート、します」

やっとのことでラエティティアは応えられた。

ルクスは微笑んだ。

「うん、じゃあ、行こうか」

ルクスはラエティティアに手を差し伸べた。

「はい……」

ラエティティアはそっとルクスの手に自身の手を載せた。