作品タイトル不明
第107話 みんなで王都探検(第二回)
ヘレナがルクスに渡した動きやすい服の形状だが、男子用の三着は色違いの長袖に半ズボンのセーラー服っぽい感じのデザインだ。
女子用の二着も色違いの長袖に膝丈スカートのセーラー服っぽい感じのデザイン。
一応、セット効果が付いてる。冒険者にもおすすめできそうな一品だが、筋骨隆々とした厳つい冒険者たちに、セーラー服は似合わないだろう。似合うとしたら、蛮族っぽいデザインの服じゃないだろうか。
「前回は北表通りの職人街を探索したけど、今回は商人街を探索してみようと思う。表通りだけじゃなくて、裏通りも自由に探索したいね」
ルクスはすでに赤を基調としたセーラー服に着替えている。
「楽しそうだね」
バートは紫色を基調としたセーラー服。
「だな」
「わくわく」
アランとクラーラは紺色を基調としたセーラー服。
「どきどきしますね」
ラエティティアはルクスと同じ赤を基調としたセーラー服を纏っている。
「じゃあ、出発しようか」
「「おー」」
「「はーい(はい)」」
商人街にやってきたルクスたちは和紙のメモ帳と鉛筆を持って探険というか取材をしていくことにした。
「ここからは分かれて探険しようか。アランはクラーラさんと東側を、俺はティアと真ん中あたりを、バートはアスターとシアーシャと一緒に西側を探険して欲しい。いいかな?」
「「りょうかーい」」
「「分かった(分かりました)」」
黄金の導の面々は三手に分かれて、王都商人街の探検をすることとなった。
「ティア、行こうか」
「はい」
ルクスとティアは商人街の真ん中辺りを探険する。
「そういえば、近くに『夜明けの魔法商店』があるから冷やかしに行こうか」
「えっと、大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫だよ、冷やかしって言わなければ良いし、もしかしたら、買いたくなるかもしれないしさ」
「まあ」
ルクスとラエティティアは手を繋いで夜明けの魔法商店にやってきた。
「いらっしゃいませ……って、ルクス君?」
ルクスたちを迎えたのは、薬師のエルナだった。
「エルナさん?どうしてここに……」
ルクスたちは驚き、目を丸くしてる。
「あー、えっと、立ち話もなんだし、中に入る?」
ルクスとラエティティアは顔を見合わせて頷いた。
「「はい」」
エルナはルクスたちを連れて、店の中にある机と椅子がある一角に案内した。
「さ、座って」
ルクスたちは座った。エルナは丸椅子を持ってきて、座った。
「結論から先に言うと、私とこの店の店主のアルイスターさんは婚約中なの」
「「!!」」
ルクスたちは目を丸くした。
「「おめでとうございます」」
「ありがとう。それで、私がここにいるのは、互いの店を手伝ったり、行き来して生活してるからなの」
「良かったです。アメリアさんも安堵したでしょうね」
「おばあちゃんね……安堵してはくれたけど、今度は『孫の顔が早く見たい』って催促してくるのよね……まだ、婚約中だっていうのに」
「あはは」
ルクスたちが和やかに話していると、アルイスターがやってきた。
「おや、ルクス君と……前に来てくれた子だね?」
「はい、ラエティティアと申します」
「私は、エルナの婚約者のアルイスター・クラウリーだ。よろしくね」
そう言って、アルイスターはエルナの肩に手を添えた。
「よろしくお願いいたします」
「……それで、いつ頃、結婚するんですか?」
「直球だな、ルクス君……来年には、と考えている」
「アルイスターさん」
エルナが目を輝かせた。
アルイスターは苦笑しつつ、エルナのつむじ辺りに口付けた。
「プロポーズは少し、待っていて欲しい」
「……はい」
エルナは顔を真っ赤にして、頷いた。
「ひゅーひゅー」
「ルクス君、冷やかすだけなら、帰ってくれても良いんだよ?」
「はは、馬には蹴られたくないので、退散しますね。ティア、行こう」
「はい、ルカ君」
ルクスとラエティティアは夜明けの魔法商店から出た。
「本当に冷やかしだけになってしまったような……」
「んー、別に良いんじゃない?俺たち、二人の知り合いだし、お祝いに行ったってことで」
「まあ!ふふ、そうですね」
ルクスとラエティティアは和やかな雰囲気のまま、商人街を探険した。
宝飾店や仕立て屋、魔導具店、武器屋、防具屋などなど、様々な店を訪問して、店員に話しを聞き、メモをしていった。
屋敷に戻って合流した黄金の導の面々は、前回使った和紙の地図に、今日聞き込みした店の名前を記入していった。
詳細のメモは地図の裏に貼っていった。
「うん、商人街はほぼ埋められたね」
ルクスは満足げだ。
「俺とクラーラのお陰だな」
「うん」
アランとクラーラが頷き合った。
「僕たちだって頑張ったよ」
バートが主張する。
「はいはい、皆が頑張りました」
ルクスがそう言って地図をアイテムボックスに入れた。
「「あーー」」
アランとバートが声を上げた。
「もうちょっと眺めたかったのに……」
クラーラも残念そうに言った。
「また今度ね。さ、お昼ご飯が待ってるよ」
「「はーい」」
丁度、昼食の時間で、食堂から良い匂いがしていた。黄金の導のメンバーたちはルクスと一緒に食堂に向かった。