作品タイトル不明
レアモンスターを討伐する
悲報。
当たらない。
『狙撃は難しいか』
『もう7体逃がしているな……』
『グダってるね』
『イライラする』
『はよしろ』
『いやいや、的が小さいんだからしょうがないだろ』
『ちょっと近づいただけで逃げるしね』
『なんか民度悪くなってきたなぁ……』
『コメントの奴らって、ほんとオモロくないよな』
『初期の雰囲気の方がよかった』
『はいはい、古参アピール乙』
『当てやすくなるように調整するべきじゃない?』
「うっ……ごめんなさい……」
なぜか、朝日が責められる流れとなってしまう。
大体そういうのは、女性ファンっぽい感じがあるのだが。
(まずいな)
グダると荒れるのは、配信あるあるだ。
人が増えると、民度が下がるのもあるある。
いよいよ、この辺りの対応力が求められるようになってきた。
「朝日さんの調整は完璧ですよ。下手なのは俺なので、上手くなるまで見てもらえたら、とても嬉しいです」
『二キ様、優しい♥』
『ゆっくりでええんやで』
『みんな楽しくコメントしよう!』
一時的にコメントの雰囲気が良くなる。
しかしこれは一時しのぎ。
それに影山としても、もう命中させたいところであった。
集中力がもたない。
「影山さん、3時方向、木の上にとまっています!」
「了解」
すかさずウォールブレイカーを構え、スコープを覗く。
400メートル先。
木の上で、ブラックバードが休んでいる。
スコープの中央でブラックバードをとらえた。
しっかりとウォールブレイカーを支える。
ブレないように。
ふう、と息を吐く。
その引き金を、一気に引いた。
「チュン!?」
ばしゅっ! とバリアをすり抜けて銃弾がブラックバードをとらえる。
するとブラックバードは木の上から、落下していった。
ようやく、命中。
しかも一発で、バリアに影響されず倒せた。
影山はガッツポーズをとる。
これまでの当たらなかったイライラ、鬱憤が発散された。
「しゃああぁぁぁぁぁああおらああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」(※ご覧のキャラクターは影山です)
ものすごいシャウトであった。
『ナイス!』
『やったああああ!』
『そんな声出るの(笑)』
『唐突なキャラ崩壊www』
『まあ、もう5時間も経過してるからなぁ……』
『二キもイラついてたんやなぁ……』
『マジでブラックバード倒しやがった』
『俺、あいつらにフンかけられことあるから、スッキリしたわ』
『え、マジ?』
『スッキリしたわって、フンだけにってこと?』
『きったね』
『ブラックバードの特性やで。戦わないくせに、ウ〇コかける』
『ウザすぎぃ』
『珍しい現象だけどね。ウンがつくって言われている』
『嬉しくねぇ……』
豆知識が披露されるコメントを見つつ、ブラックバードの魔石を回収した。
そしてドロップアイテムとして、皮が回収される。
「素材になる皮がありましたね」
『おお、ドロップアイテム!』
『これは熱い』
『良い素材になるかな』
『初のブラックバード撃破!』
『また伝説作りやがって!』
『いつも神回!』
『切り抜きがはかどるぜぇ』
「二キさん、おめでとう。ちょっと休憩したら?」
「そうだな……」
ブラックバードが止まっていた木に、寄りかかる。
この辺りはまばらに林があって、奥には森が見えた。
森にはまた新たなモンスターがいる。
もっと冒険がしたいなと、ワクワクした。