作品タイトル不明
219 万物を喰らう者
全ての首を失い、ゆっくりと崩れ落ちるジオ・イクシード。
直後、俺の脳内に幾つものシステム音が鳴り響いた。
『エクストラボスを討伐しました』
『経験値獲得 レベルが941アップしました』
『エクストラボス攻略報酬 レベルが1000アップしました』
『称号:【強者を喰らう者】獲得しました』
『エラーが発生しました』
『獲得がキャンセルされました。現在解析中です』
レベル10万のエクストラボスなだけあり、貰える経験値や討伐報酬はかなりのものだった。
さらに同様のシステム音はジオ・イクシードを討伐する前、何体ものイクシード・キマイラを倒した際にも鳴り響いていた。
その結果、恐らく一気に4~5000レベルは上がったはず。
とんでもない飛躍っぷりだ。
「ところで、称号の獲得がキャンセルってのはどういうことなんだ?」
似たようなことは以前にもあった。
剣崎ダンジョンにて零がラストボスであるオーク・ジェネラルに殺されそうになっていた時、俺はダンジョン内転移で突入し横取りした。
その結果与えられたのは、『終焉を 齎(もたら) す者(ERROR)』という称号だった。
「ただ今回はERRORってわけじゃなさそうだし……まあ、解析中ってことだしもう少し待ってみるか」
そう呟いた直後だった。
突如として、頭上にキラリと輝く何かが見えた。
落下してくるそれを俺は両手で受け止める。
その巨大な物体の正体は魔石だった。恐らくジオ・イクシードの斬り落とされた首の断面から零れ落ちてきたのだろう。
ケルベロスを倒した時も思ったが、Sランクの魔石はなかなかの威圧感だ。
すると、
「本当に、倒したのか?」
後方から戸惑ったような声が聞こえた。
俺は魔石をアイテムボックスの中に入れて俺は振り返る。
するとそこには斎藤を始め、驚愕の表情を浮かべる【ミューテーション】の面々がいた。
彼らを見て、俺は僅かに顔をしかめた。
(まずいな、何て説明しよう……)
Sランク魔物を単独で倒したという事実はもちろん、その際に転移を連続発動するところは間違いなく見られただろう。
彼らに危険が迫っていたため、仕方のないことではあったのだが……さて、どう誤魔化すべきか。
(いや、待てよ)
そこで俺はあることに気付く。
今朝、斎藤から名乗られはしたものの、こちらはまだ名前すら教えていない。
少なくともそこから素性が見抜かれることはないはずだ。
となると、ここで取れる最善策は一つ。
(よし、ここは逃げよう! まだ一回分、ダンジョン踏破までに必要な攻略も残っているから時間も勿体ないし!)
ジオ・イクシードを倒した影響か、ダンジョン内の揺れ――つまり 迷宮崩壊(ダンジョン・コラプス) は収まったようだが、いつまた再開するかは分からない。
俺は颯爽と踵を返し、その場から全力で駆け出した。
……いや、どっちみち既に転移は見られてるわけだし、転移でもいいか。
「な、待ってくれ! 君はいったい――」
「ダンジョン内転移」
俺は声を無視し、転移で一刻も早くその場から立ち去るのだった。
そしてその流れのまま、40回目――最後のボス挑戦に向かう。
その結果、
『ダンジョン攻略報酬 レベルが120アップしました』
『貴方は本ダンジョンを規定回数攻略しました』
『ボーナス報酬 レベルが500アップしました』
『今後、貴方が本ダンジョンを攻略しても報酬は与えられません』
無事に踏破することができた。
かくして、俺の合獣ダンジョンでの日々が終わる。
そして、 そ(・) れ(・) が鳴り響いたのは、俺が地上へと戻った直後のタイミングだった。
『解析が終了しました』
『対象者は分類:【殺意を喰らう者】に認定されていることを確認しました』
『称号が【強者を喰らう者】から【万物を喰らう者】へと進化します』
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天音 凛 19歳 男 レベル:72810
称号:ダンジョン踏破者(10/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者・賢者の意思を継ぎし者・万物を喰らう者
SP:85780
HP:576500/576500 MP:18923/151600
攻撃力:132900
耐久力:112070
速 度:136900
知 性:118780
精神力:112030
幸 運:115420
ユニークスキル:ダンジョン内転移LV30・略奪者LV1
パッシブスキル:身体強化LV10・剛力LV10・忍耐LV10・高速移動LV10・精神強化LV10・魔力回復LV10・魔力上昇LV10・状態異常耐性LV10
アクティブスキル:金剛力LV10・金剛不壊LV10・疾風LV10・不撓不屈LV10・起死回生LV1・初級魔法LV3・纏壁LV10・留壁LV10(スキルレベルは纏壁に依存)・浄化魔法LV1・索敵LV4・隠密LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV10・隠蔽LV1
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万物を喰らう者
・数多の強者と殺意を喰らい続けてきた者に与えられる称号。
・魔石を消費することで、新しいスキルを極低確率で獲得することができる。
ただし、消費できる魔石は自分が討伐した魔物から入手したものに限られる。
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