軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

刺繍をどうするか相談する!

朝ご飯を食べた後、洗濯物を手早く済ませる。

まだちょっと早いけど、ハンバーグとパウンドケーキを作る準備を始める。

特に挽肉は時間が掛かるし、終わらせておきたい。

わたしがテーブルの上で準備をしていると、ゴロゴロルームからニコニコ顔のヴェロニカお母さんが出てきた。

「あれ?

シャーロットちゃんは?」

わたしが訊ねると「今、イメルダと刺繍をしているわ」という返事がある。

そして、台所を覗くと、シルク婦人さんに「冷たい飲み物を、皆の分お願い」と声をかけていた。

刺繍かぁ~

あ、そういえば……。

「ねえねえ、ヴェロニカお母さん。

町で売っていた刺繍、どうしようか?」

わたしに振り返ったヴェロニカお母さんは、苦笑する。

「一応、ある程度は作ってあるけど、しばらくは持っていかなくても良いわ。

無理をして、サリーちゃんに何かあったら困るもの」

まあ、お金には困っていないから、それでも良いけど……。

「う~ん……。

生地屋さん、帝都に持っていくって言ってたから、困ってるかも」

「帝都に?」

ヴェロニカお母さんは目を見開いた。

そして、顎に手を置き、考え込む。

帝都ってどれくらい大きいか分からないけど、そこで評判になったらきっともっと高く売ってくれるはず。

ヴェロニカお母さん的にも、逃したくないのかもしれない。

「ねえねえ、例えばだけど。

町の側にいる冒険者の人達に、アナさんを連れてきて貰って、売ってきて貰う。

それでどうかな?

アナさんには手数料として、果物とかをあげるとかして」

わたしが、イメルダちゃんと話した時に思いついたことを言ってみる。

ヴェロニカお母さんは少し苦悩するように顔を顰めたが「その方法でお願いできる?」という。

「うん、分かった」

「でも、無理はしないで。

難しそうなら、すぐに帰ってきてね」

念を押すヴェロニカお母さんに「分かった」と頷いた。

――

朝、起きた!

体を起こして、伸びをする。

そして、横を確認する。

シャーロットちゃんと、昨日からまた一緒に寝ることになったイメルダちゃんがスヤスヤ眠っている。

皆と寝ると、なんだかやっぱり嬉しい。

だけど、流石にずっと三人で寝るのは良くないかな?

まずはイメルダちゃんの部屋にベッドを入れなくてはならないかな?

しかし、物作り妖精のおじいちゃん達には、作って貰う物が多いから、いくらか後回しになっちゃうかもしれないけど……。

そんなことを考えつつ、寝間着から着替えて部屋から出る。

中央の部屋(食堂) ではケルちゃんが嬉しそうに座っていた。

どうやら、今日は天気が良いようだ。

「おはよう!」

と言って、3首に抱きつく。

「がう!」「がうがう!」「がう~!」と元気よく返してくれた。

可愛いくてモフモフだぁ!

「リアちゃんもおはよう!」

と尻尾ちゃんを撫でて上げると、蛇の姿になった彼女が嬉しそうに頬ずりをしてきた。

ちょっと冷たくて気持ちよい!

ケルちゃんを連れて玄関から外に出る。

うん、天気良いね!

ケルちゃんは嬉しそうに階段を飛び降りると駆け回っている。

しかし、昨日は大変だった!

ハンバーグ自体はそこまででもなかったけどね。

沢山タネを作って、シャーロットちゃんやケルちゃんが満足いくまで食べさせて上げた。

あと、ママにも送って上げた。

ここまでは問題なかった。

ただ、パウンドケーキがなかなか大変だった。

蜂蜜入りのパウンドケーキを作ってみようと思ったんだけど……。

それを聞きつけた妖精ちゃん達が大木から大量に降りてきて〝わたし達も食べたい! 食べたい!〟と大騒ぎをし始めたのだ。

もう、大勢に詰め寄られて致し方がなく「今回だけだよ!」といって四本、妖精ちゃん用に作って上げた。

我が家用の一本、更にそういえばママ用の蜂蜜酒を送るつもりだったのを思い出し、でも、今から作るのも何だったので、ママ用にもパウンドケーキを一本作った。

慣れてきたとはいえ、ハンバーグプラス計六本のケーキを作り、途中から、妖精メイドちゃんやイメルダちゃんが手伝ってくれたけど……。

流石に疲れてしまった。

でも、今になって考えると、ママにパウンドケーキ一本は多かった気がする。

ひょっとしたら、食べきれずに困っているかもしれない。

う~ん……。

失敗したかなぁ~

などと悩みつつ、家の中に入る。

わたしの小さな家の前には、姉姫ちゃんが何故か完全武装をして立っていた。

わたしに気づくと、ニコニコしながら身振り手振りをする。

え?

敵がいつ来ても大丈夫?

凄い必殺技を思いついた?

そ、そう?

頼もしいなぁ……。

う~ん、敵かぁ~

多分、結界があるから来ないと思うけど……。

ま、まあ、下手なことを言って暴走させるよりは、このままで良いかな?

何やら、槍を勇ましそうに振っている姉姫ちゃんを横目に、身支度に向かう。

身支度を終えると、スライムのルルリンと妖精メイドのサクラちゃんを肩に乗せ――いつもとは違い食料庫に向かう。

そして、小箱に色々と詰めて台所に戻るとシルク婦人さんから壺や籠を白いモクモクで受け取る。

飼育小屋に着くと、赤鶏さんにはいつものように大麦を上げる。

卵を受け取った後、山羊さん達の側まで歩くと、箱を置いた。

そして、訊ねる。

「皆、この中で食べたいものある?」

わたしの言葉が分かっているのか、それともそれそのものに引き寄せられているのか……。

山羊さん夫妻、牛さん、ユニコーン君が近寄ってきて、箱の中を覗く。

箱の中には皆が食べられそうなものを詰め込んでいる。

林檎、人参、サツマイモ、ジャガイモ、キャベツ、トウモロコシだ。

なんとなく、前世Web小説に家畜の餌として載っていただろう物を厳選した。

このことは、我が家の宰相様であるイメルダちゃんからも了承を得ている。

「家畜の餌にしては贅沢じゃない?」

と渋い表情はされたけどね。

皆、鼻を近づけたりしながら選んでいる様子だったけど、牛さんは林檎、ユニコーン君は人参、山羊さん夫妻はキャベツをモグモグし始めた。

あと、ひょっとしたら塩が足りないのかな? と岩塩を渡してみた。

こちらも、ペロペロと舐めた。

一応、以前から定期的に山羊さんにも塩を舐めさせていたけど……。

常時、舐められる場所に置いておいた方が良いのかな?

前世、Web小説には鉱塩? だっけ?

それを用意するって書いてあった気がする。

あれ?

でも、鉱塩って加工品だったんだっけ?

まあ、大きな岩塩でも置いておけば良いのかな?

ただ、ママが最初に、結構な量の岩塩を置いておいてくれたけど、それにしても限度がある。

本来はわたし一人用だったしね。

どこからか、岩塩を探してこないといけないなぁ。

蟻さんに頼めば持ってきてくれるかな?

う~ん、悩ましい。