軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

改装した部屋を確認しよう!

元々、旧軽運動室へと続く扉はそのままになっていて、そこを開けると横に廊下が延びている。

計画に変更がなければ、右からイメルダちゃん、シャーロットちゃん、そして、わたしの部屋となっているはずだ。

実際ドアが並んでいて、もっとも左にあるわたしの部屋、その隣に視線を向けると貯蔵庫に向かう階段があった。

因みに、わたしの部屋は少し大きめだ。

今まで使っていたベッドを入れるためだ。

「部屋の中はもう出来てるの?」

後ろを付いてきてくれたイメルダちゃんに振り向き訊ねると、首を横に振った。

「まだ何も無いわよ。

なので、しばらくはサリーさんの部屋で休ませて貰う事になっているの」

そう言いつつ、わたしを追い越した姉的妹ちゃんは右側の部屋に続くドアを開けた。

ちらっと覗いた限り、まったく何も無かった。

奥に木板を開け閉めする形の窓があるだけだ。

「ちょっと、狭いね」

「前の寝室の半分より狭いぐらいなので、仕方がないわ。

ただ、奥行きはそれなりにあるから、上手く配置をすれば快適になると思うわよ」

「ふ~ん」と部屋を眺めていると、イメルダちゃんが訊ねてくる。

「そういえば、窓ガラスは?」

「あ、今の時期はそれほど忙しくないらしいから、明後日ぐらいには出来るって」

「そうなのね」

そんな話をしていると、後ろから「サリーお姉さま!」と声をかけられた。

振り返るとシャーロットちゃんで、ニコニコしながら「ウメちゃんが明日、上に登っても良いって!」と言っている。

その後ろには、どんよりとした様な顔をするウメちゃんが飛んでいる。

まあ、そうなるよね。

「楽しみ!」って嬉しそうに言っているシャーロットちゃんに、「良かったね」と微笑んでおいた。

シャーロットちゃんの部屋も、イメルダちゃんと同じような感じらしいので、わたしの部屋に移動する。

以前の部屋で使用していたベッドや机、引き出しなどは置かれている。

うん、イメルダちゃん達のものよりは広くても、前の部屋よりはやっぱり狭く感じた。

ただ、イメルダちゃんが言っていたように奥行きは前の部屋よりあるので、配置次第で広く使えるようになるとは思う。

あとは……。

「小さな家の部屋作りをしていて思ったんだけど、実際の部屋にも壁紙や絨毯が欲しいなぁ」

「そうよね」

とイメルダちゃんも頷きつつ、続ける。

「ただ、妖精の建物分はともかく、実際の部屋に使う壁紙が無いのよね」

「材料さえ渡せば、物作りの妖精ちゃん達が作ってくれるかな?」

「そうね、後で聞いてみましょう」

「絨毯は、手芸妖精のおばあちゃんになるのかな?」

そんな話をしていると、手芸妖精のおばあちゃんがすーっと飛んできて、”任せて!”という様に身振り手振りをした。

頼もしい!

部屋の方は問題ないとして、あとはゴロゴロルームをどうにかせねば。

夕飯とお茶を終えると、わたしとイメルダちゃん、そして、ついでに姉的妹ちゃんに巻き付いている龍のジン君と共にゴロゴロルームに向かうと、その中央に座り、相談する。

因みに、お茶の時に出てきたのは例のお菓子屋さんに作って貰ったジャムの入ったパイだ。

外はサクサクで、中からイチゴや林檎、ラズベリーの甘酸っぱいジャムがこぼれ出てきて、凄く美味しかった!

妖精姫ちゃんを始めとする妖精ちゃん達も満足そうだった。

シルク婦人さんが興味深く見たり、味見をしていたので、ひょっとすると、いつか作ってくれるかもしれない。

いや、それはさておき、ゴロゴロルームの事だ。

「ここには座れる場所と服とかを収納する場所が必要だと思うの」

「そうね」

とイメルダちゃんも頷く。

そんな様子を、クッションに座り刺繍をしているヴェロニカお母さんがニコニコしながら見ている。

お、ヴェロニカお母さんの側にいたエリザベスちゃんが、四つん這いになりながら、笑顔でこちらに向かってくる。

結構早い!

その後ろに、ニコニコ顔の妖精メイドのスイレンちゃんが付いてきている。

なんだか可愛い!

わたしの膝までやってきた一番小さい妹ちゃんを抱き上げる。

エリザベスちゃん、髪が結構長くなってきてる。

色は赤毛に近いかな?

でも、少し薄いからピンクっぽくも見える。

確か、赤髪と金髪が混じったらピンクっぽくなるって、前世Web小説に書いてあった気がするから、ひょっとしたら、それなのかもしれない。

って、そんなことを考えている場合じゃなかった!

きゃっきゃ! と嬉しそうにするエリザベスちゃんの、その温かな体温を感じつつ、イメルダちゃんに言う。

「座る場所は、足の短い長椅子を作るのが良いと思ってるの」

「足の短い?」

「うん。

今、床をかさ上げしているけど、更に高くして、背もたれも付けて……」

前世でイメージするのはテレビとかで見たソファーを床にはめ込む感じだ。

それなら、いくらか座るのも楽だろうし、エリザベスちゃんが近寄ったり、登っても、そこまで危なくないと思う。

拙い説明だったと思うけど、イメルダちゃんは「なるほどね」と頷いてくれた。

わたしの膝に座らせたエリザベスちゃんが、イメルダちゃんに向かって「ばぁ~!」と言っているので、「ばぁ~じゃなく、お姉さまだよ」と訂正しつつ、続ける。

「あとは収納、今、この部屋は何でもかんでも箱詰めでしょう?

服とか掛けて置く場所とかも必要だと思うの」

「その通りね」

イメルダちゃんは、エリザベスちゃんが伸ばした手を握りながら頷いた。

ヴェロニカお母さんが「皆の分もあるでしょう? 一番後で構わないから」とか言っているけど、妹ちゃん達の分はわたしの所に入っているから、まずはこちらだと思う。

無論、イメルダちゃん達の分も後で作って貰う予定ではあるけど。

あとは……。

「ねえねえ、ヴェロニカお母さん。

何か、困った事は無い?」

「ん~?

特に問題は無いわよ?

それより、サリーちゃん、なんやかんやと忙しくしすぎじゃないかしら?

後回しに出来る事は、後回しにして、少し、休んだら?」

「えぇ~そうかな?」と言いつつ、そういえばついこの前、少し休もうと思っていた事を思い出した。

確かに、そうかな。

イメルダちゃんが「ああ、確かにそうかもね」なんて言っているけど、わたしより、むしろ姉的妹ちゃんの方が忙しそうにしている気もする。

いや、わたしが動き回っているから、それに引っ張られているのかな?

そう考えてみると、物作り妖精のおじいちゃんや手芸妖精のおばあちゃん達も酷使しすぎている気もする。

う~ん、皆のために、わたしが休むのも有りか。

朝、起きた!

隣を見ると、わたしの右手に抱きつくシャーロットちゃんが、「ケルちゃんの尻尾ちゃんにそんな能力が!?」とか、もにょもにょ言っている。

可愛い!

その隣では、龍のジン君が顔に乗り、少し、寝苦しそうにしているイメルダちゃんの姿が見えた。

うむ。

白いモクモクでジン君を持ち上げると、そっと、イメルダちゃんの腕の中に移動させて上げる。

これで良し!

服に着替えて、部屋から出る。

壁が目の前に現れて、ちょっと驚いた。

そうそう、改装したんだよね。

廊下を歩き、扉を開けると、ケルちゃんが待ち構えていた。

今日は姉姫ちゃんはいない。

よしよしとモフモフケルちゃんをハグしつつ、外に出して上げる。

今日は曇り。

雨の気配は余りしないけど、外に出ない方が良いかな?