軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

モンスターの住処

「マジだ。なんでわざわざお祝いしている今日に限ってモンスターなんかが来るんだよ」

スーちゃんから衝撃の知らせを受けた僕はすぐさまアースソナーによる探知を行う。

そして、スーちゃんの言うことに間違いはなかったことがはっきりとした。

アースソナーによる魔力の波が周囲へと広がり、モンスターの存在を捕らえたからだ。

間違いなくいる。

この地に向かってくるモンスターが。

“住処にしようと狙ってそう”

タイミングの悪さについつい文句を言ってしまう。

すると、再びスーちゃんからの 精神感応(テレパス) が届いた。

……住処?

そうか、そういうことか。

僕は全然そのことについて考えていなかった。

僕の考えが正しければ、この星には地脈が流れている。

そして、その地脈は現代では乱れていることが多く、そういう乱れた場所にはダンジョンが出現した。

そのダンジョンがスタンピードを起こして、内部からモンスターたちがあふれ出した。

出てきたモンスターたちをその場で倒せたらよかったのだろうけれど、討伐できなかったモンスターはその場を離れて散っていった。

では、そういう地上で生き延びたモンスターたちはどこに向かうか。

たぶんだけれど、地脈が安定している場所に行くんじゃないだろうか。

基本的にはダンジョンのない場所だが、そういう場所は自然が残されていて、人も少ない地域が多い。

そういう人がいない場所であれば、わざわざ人間側もリスクをかけて追いかけることをせず、そこがモンスターの住処になるかもしれない。

この考えが正しいとする。

では、今日、僕が行った行為はどういう意味を持つことになるのか。

それを僕は事前になにも考えていなかった。

僕はこれまでも最低限の地脈の再生を、自分の住む地域から移動できる範囲はなるべく行っていた。

しかし、今日はそんな安定しつつある地脈にさらに魔石をささげて、地脈から魔力が逆流するほどに満たしてしまった。

これを周囲にいるモンスターはどう感じただろうか。

これ以上ないほど居心地のいい土地だと感じ取ってもおかしくはない。

誰だって住みやすい場所に住みたいと感じると思う。

そして、それはモンスターにとっても同じだ。

魔力のあふれるこの地を目指すモンスターが現れた。

この地を自分の住処にしようと考えてここにきている。

だからこそ、スーちゃんは近づいてくるモンスターのことを明確に「敵」と言ったのかもしれない。

両雄並び立たず。

魔力豊富なこの地で、そのモンスターが先に済みついているスーちゃんと遭遇すれば、敵対することは避けられないのだろう。

やばくね?

お地蔵さんがある場所は住宅街だ。

近づいてくるモンスターが最終的にどこに向かうかといえばあのお地蔵さんだろう。

そんなところでモンスターが現れて暴れたら、どれほどの被害が出るかわかったものじゃない。

……なんとかしないと。

僕が原因だというのは誰にもわからないとは思うけど、僕のした行動で誰かが傷つくのはさすがに嫌だ。

できれば穏便に帰ってもらいたい。

スーちゃんの 精神感応(テレパス) で説得できればいいんだけどな。

そんなわずかな希望に期待しつつ、僕はすぐに外出の準備を済ませてモンスターの迎撃へと出発することにした。