軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

モンスターの動き

家族との楽しい夕食を終えた後、僕は一人、自室で考え事をしていた。

それはダンジョンとモンスター、そして地脈のことだ。

僕は以前から、地脈が乱れた場所にダンジョンが発生しやすいのではないかと考えている。

そして、ダンジョン内で得られた魔石などを大地に捧げると地脈が回復する。

これは、おそらく間違っていないと思う。

その考えでいくと、曾祖母の家がある田舎の地方は比較的地脈の乱れが少ないはずだ。

厳密にいえば人間が住んでいる以上、どうしても自然を破壊していて地脈も乱れてはいると思うが、発展して開発された場所と比べればマシだと思う。

しかし、モンスターがいた。

曾祖母が襲われた赤目黒熊はまぎれもないモンスターで、本来なら、あんな危険なモンスターが現れていい場所じゃない。

これはどういうことだろうか。

そんなことを夜中ベッドで横になりながら考える。

僕が知る限りでは曾祖母の家の近所にダンジョンはなかったはずだ。

なので、あの赤目黒熊は近所で突然出現したわけではないと思う。

しかし、モンスターである以上、ダンジョンのスタンピードによって地上に現れたものであるはずだ。

であれば、あの赤目黒熊は曾祖母の家からは遠く離れたどこかのダンジョンから地上に這い出てきたやつということだ。

つまり、あいつはダンジョンから地上へ出た後、なぜかその場を離れ、大自然の残る山奥まで移動してきたことになる。

……もしかして、モンスターは地脈が安定している場所、あるいは魔力が豊富な場所を好むんじゃないだろうか?

考えているうちに僕はそう思うようになった。

当然、なんの確証もない妄想かもしれない。

それでも、その考えは案外間違っていない気がした。

ダンジョンは地球の地脈が乱れた場所にできる。

そして、そのダンジョンでスタンピードが起きたらダンジョン内から地上へとモンスターがあふれ出してくる。

モンスターをその場で倒すことができれば、死体はダンジョン周辺に積み重なる。

そしてそのモンスターの死体は、地脈を再生する材料になる。

だが、まだ生きているモンスターにとっては地脈の乱れたダンジョン周辺というのは好ましい場所ではないかもしれない。

なぜなら、もともとモンスターがいたダンジョン内というのは魔力が豊富な場所だからだ。

では、生きているモンスターはどのような行動をとるか。

当然、魔力がある場所へと向かうだろう。

しかし、スタンピードが発生した場所でダンジョン内に戻っていくモンスターの姿が多数みられたなんて話は少なくとも僕は知らない。

たいていは、スタンピードの被害を食い止めようとした世界各国の人類との戦いが発生し、そこから散り散りに逃げるように各地へと散らばっていったはずだ。

つまりモンスターたちは、ダンジョンから離れ、より魔力の濃い場所を目指して移動したんじゃないだろうか。

その場合、地脈が乱れている傾向が高い都会よりも、自然が残されている地方へと向かうことになるんじゃないだろうか。

そう考えて、ベッド上で身じろぎしながら手を伸ばし、スマホを取る。

そのスマホで検索をかけて、やはりそうだ、と思った。

日本国内では外国と比べてダンジョンのスタンピードに対して比較的うまく対応できたほうだという記事があった。

しかし、完全に対応できたわけではなく、大きな被害が発生した場所もある。

スタンピードが起きたダンジョンの入り口で 探索者(シーカー) と自衛隊がモンスターを倒すために戦闘を行ったが、あまりにも強いモンスターは倒すことができずに逃げられてしまったケースがいくつかある。

その中には、ダンジョンを離れ、別の地で定住するかのようになった個体もいると書かれていた。

マップアプリも使って調べるとやはりそういうモンスターは自然の多い地方に住処を作っているようだった。

そして、人間側もあまりにも強いモンスターが比較的人が住んでいない地域で住み着いて、そこから人口密集地に降りてこないのであれば下手に刺激をしないほうがよいだろうと様子見することが多いみたいだ。

というか、そうせざるを得ないのだろう。

自衛隊が戦闘機や戦車などの現代の兵器を使って戦っても勝てなかった相手だからだ。

同様のケースは海外でもあるようだが、国によってはモンスターの王国のようになってしまっているところもあるようだ。

強い個体のモンスターがその地をねぐらとしてエリアボスのように君臨する。

そこに、弱いモンスターも集まってきて多種多様なモンスターが共存するようなことがあるらしい。

……うちの近所とか曾祖母の家のあたりって大丈夫なんだろうか?

僕の家の近くは魔石を使って地脈を再生しまくった。

なので魔力的には非常に安定した土地になっていると思う。

そうなると、モンスターがこの地を狙ってやってきたりするんじゃないだろうか。

あるいは田舎にある曾祖母の家の近くもまた強いモンスターが来る可能性だってある。

厄介だ。

本当にモンスターというやつは、ダンジョンのスタンピードというやつは厄介だ。

想像が悪い方向へと広がっていき、僕はベッドの上で頭を抱えるのだった。