軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

竹藪管理

日本にはいろんな木が生えている。

その中でも、全国どこでも見かける代表格が竹だろう。

まあ、一口に竹といってもその中で種類がいろいろあるだろうけれど、総じて竹というのは成長が早いものらしい。

「桂さんとこの竹藪だけはなるべく早く、ちゃんと処理してほしいのう」

僕は曾祖母の家でご近所に住むというおじいさんにそんなことを言われた。

僕の中では、この家は山奥にポツンと一軒で建っているものだと思っていたのだが、このおじいさんはこの近所にも人は住んでいるのだという。

もっとも僕の地元の住宅街のように家が密集しているわけじゃなく、距離が離れている。

どうやらここでは近所という概念が僕とは少し違うようだ。

そんなご近所さんとはすでに何人かと知り合い、挨拶を交わすようになっている。

中学生に見える僕が一人で家の片づけをしているというのを見て、警戒されることもなく、よく気にかけてくれてお菓子を持ってきてくれたりもしている。

そんな中の一人からの発言が先ほどのものだった。

どうやら、ご近所さんの目からみても、この曾祖母の家の荒れようは気になっていたようだ。

特に手入れが行き届かずに面積が増えてきていた木々の中でも竹藪が気になっていたのだとか。

なぜかというと、竹は成長速度が早く、しかも数を増やすからだ。

一本の竹でも、地中には根が横へ広がっていて、次々に竹の数が増えてしまう。

最悪の場合、家の下から生えたり、擁壁を壊し突き破って伸びてきてしまうみたいだ。

人の手が入らない竹藪は、周囲の家にも被害を出しかねないらしい。

しかし、それが邪魔だからといって隣人が勝手に人の敷地にある木を伐ることはできない。

ご近所ではそんな厄介な竹藪の生育に関してたびたび話題になっていたのだとか。

そんなところに、まだ若いが家の管理をしようとひいばあちゃん以外の人間がここにやってきた。

なので、この機会に頼んできたのだろう。

というわけで、この竹は全部処分してしまうことにした。

竹そのものに罪はなく、僕も嫌いではない。

けれど、常にこの家にいるわけでもないので早めに手を打っておこうというわけだ。

もちろん、ご近所さんとの関係をよくするためにも、早めに処理してアピールしようとも思っている。

「竹は根絶が難しい。ゆえに、まずはノコギリなどを使って地面から高さ一メートルくらいのところで全部伐って枯れるように誘導するのがいい、か。時間かかりそうなやり方だな」

植物豊富な田舎で暮らしたことのない僕には全然イメージがなかったのだけれど、竹というのは非常に厄介なものだそうだ。

切るだけでも大変だが、なかなか枯れないし、地中で根が広がることで伐根もしづらいのだそうだ。

そして、根っこが残っていればそこから新しい竹が伸びてくる。

これを根絶するのに一番楽なのは除草剤を使うことだろう。

だけど、ほかにもたくさん木があり、そのすべてを枯らしてしまいたいわけではない。

もしかしたらだけど今後は敷地内にある庭の一角で簡単な野菜でも育てても面白いかもと考えている。

そういうわけでなるべく除草剤を使わないで伐採してみようと思っていたのだが、ではそれ以外の方法はというとどうやら手間がかかるらしい。

すべての竹を地面から一メートル程度の高さで伐ってその後放置して、枯れるのを待つという方法もあるが数年はかかるそうだ。

「そんなことしてらんねーよな。とにかく掘りまくってやろうかな」

だがしかし、他にもすることがたくさんあるんだ。

竹藪の処理だけで手間をかけすぎるわけにはいかない。

そこで、僕はマイスコップを手にして竹を見る。

竹の根本も土が硬く、根が横へと広がるからかなり固まっている。

その根を、まとめて断ち切ってやる。

超集中(ゾーン) を行い、集中力を極限まで高めた。

当然、その際には全身の筋肉を強化するように 肉体強化(フィジカルブースト) も意識する。

そして、マイスコップにもしっかりと魔力を纏わせ、採掘力を上げる。

普通ならばスコップを突き立てて竹の根ごと地面を掘り起こすことは不可能だろう。

だが、僕ならできるはず。

岩盤のようなダンジョンの天井すら掘り進めた僕なら大丈夫だ。

できると信じて、スコップを地面へと突き刺し、竹の根をぶちぶちと引きちぎりながら土を持ち上げた。

次の瞬間、背の高い竹がズザザと音をたてながら倒れた。

あぶねー。

一歩間違えたら僕のいる方向に倒れてきていたかもしれない。

危ない危ない。

気を付けて竹を処理していかないといけないな。

そう考えながら、僕は高めた集中力で竹の倒れる向きまで想定しながらスコップを操り、次々と竹を掘り返していく。

そして、地面にまだ残った竹の根はスーちゃんの分裂体に食べてもらいながら竹藪をきれいさっぱり根絶させたのだった。