作品タイトル不明
曾祖母の行方
「まいったな。電話も検索もできねーとか、詰んでるじゃん。どうしたらいいんだ、これは」
目の前の電話機も自分のスマホも使うことができない。
どうしたものかと悩んでいるが、すぐに諦めた。
ひいばあちゃんがこの家にいないといっても、さすがに泊りで出かけるなら、鍵くらい掛けていくだろう。
っていうことは、鍵がかかっていなかった状況を考えるとそのうち戻ってくるはずだ。
こういうときは、気長に待つしかないか。
そう考えて、改めてこの家をグルッと回ってみることにした。
電話機は使い方もわからない古いタイプではあったが、別に電気が届かないわけではないようだ。
それに別の部屋にはテレビもある。
当然冷蔵庫もあり、お風呂場もある。
昔ながらの家だけど、普通に生活する分には問題ない。
……いや、本当にそうか?
今時、ネット環境がないとか生活できない気もする。
このあたりの子どもたちって、普段どうやって遊んでるんだろう。
虫取りくらいしかすることがなさそうだ。
だが、逆に言えば虫とか生き物はいくらでもいる。
縁側に立ち、外の景色を見る。
曾祖母の家の庭もかなり荒れていた。
雑草も木々も伸び放題になっている。
大丈夫か?
虫どころか獣が急に草むらや木の間から現れておかしくないような雰囲気がしているけど。
獣?
そうか、忘れていた。
僕には人を探す方法があったんだ。
アースソナーだ。
魔力の波を使って地面の土を探り、周囲の地形を把握することができるこのマジックアイテムを使えば、今ひいばあちゃんがいる場所もわかるだろう。
そんな簡単なことをうっかりと忘れていた。
曾祖母を探すために、僕は腕につけている腕輪に魔力を流し込む。
緑色の宝石が僕の魔力と反応し、周囲に魔力の波を広げ、それにより周辺状況を把握する。
家の中には誰もいない。
庭にも人や大きな動物はいない。
が、曾祖母の家の外、さらにその向こうの木々がたくさんあり森になっている場所に反応があった。
「……なんだ? この反応はモンスターか? いや、けど、モンスターのそばに人の気配もあるけど、これは倒れてる? まさか、ひいばあちゃん、モンスターに連れ去られてあの森で倒れてんのか?」
アースソナーによる探知結果には驚くべき反応が示されていた。
てっきりこの家のどこかや、ご近所に散歩に出かけているものだと思っていた曾祖母らしき人物の反応が遠くの森のほうで感じられた。
しかも、その近くにはモンスターの気配まである。
それを認識した瞬間、背筋が冷えた。
僕はすぐさま家を出て、バイクにまたがり、森へ向かった。
間に合え。
そう願いながら、僕はアクセルを強くひねった。