軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

地脈の再生

魔石から魔力を受け取ったお地蔵さん。

その足元から地中へと繋がる魔力のライン。

今にも途切れそうなほど弱い地脈の流れを、アースソナーで感じ取ることができた。

なんなんだろうか、これは。

ダンジョンの外には魔力がないと思っていたが、違ったのか?

不思議な現象を目の当たりにして僕は考え込んでしまう。

おそらく、この地脈は害があるものではないと思う。

というよりも、そんなレベルではないくらい力の流れが弱いように感じる。

……大丈夫なのかな?

地中に流れている魔力の線が途中でぷっつりと切れてしまいそうで、それがどうしても気になってしまう。

「っていうか、この地脈の流れってどこにつながっているんだろう?」

地脈について考えていて、ふと気になった疑問。

このお地蔵さんが地脈の根源である、というのは少々考えづらい気がする。

きっとこのお地蔵さんは地脈の上に作られたんじゃないだろうか。

そして俗な想像だが、地脈の根源は地球の中心――溶岩のエネルギーなんじゃないか、と思った。

地中の奥深くから力が湧きだし、それが地脈となって地表を巡っている――そんなイメージが頭に浮かぶ。

であれば、もしかするとこのお地蔵さんみたいに地脈の上にあるお地蔵さんだとかほかの物があるのかもしれない。

誰が、どうやって地脈の流れを調べて配置したのかは想像もつかないが、大昔の人は僕よりもはるかに頭のいい人がたくさんいたはずだ。

であれば、そういうことに精通して何かを後世に残しているかもしれない。

「スーちゃん、悪いけどもうちょっと夜のお散歩に付き合ってね」

気になった僕はそれを調べることにした。

アースソナーを用いて感知する地中や地表の魔力の流れ。

地脈だと思われるそのラインをお地蔵さんをスタート地点にして追跡する。

その結果、現代では地脈の流れがかなり断絶していることがわかった。

大小合わせた様々な大きさの道路が地脈を横切り、魔力の流れを途切れさせている。

あるいは、地中に通している水道管などの埋没設備が地脈に影響を与えていることもある。

現代の社会を便利にさせるために作られたものが、目には見えない魔力の流れを、ズタズタに引き裂いていた。

あまりにも無残である、という印象を受けた。

本来であれば放射状に、同心円状に、網目状に、様々な形で方々に広がりつながるはずの地脈。

それが、まるで端だけが残った蜘蛛の巣のように、かろうじて形を保っているだけだ。

だけど、それでも残っている。

地脈として感じ取れるものがわずかにある。

その流れをたどり、そして見つけた。

こんなところにこんなものがあったのかというような、地元民であるはずの僕も全然知らなかったこの地に残された石碑。

「なんだこれ? なんか説明文が書いてあるな。……へえ、大昔にここには神社があったんだ。全然知らなかったな」

かつてここには歴史的にも有名な神社があった、という説明文が書き込まれた石碑を見つけた。

神社というのも、失われることがあるのか。

なんとなく勝手にそういうのは大昔からずっと続いているものだと思っていたけど、そうじゃないみたい。

が、神社は今はもうなくとも、その地中に流れる地脈はまだ感じ取れる。

その石碑の前に立ち、地表に現れている地脈の上にスーちゃんのおやつ用に持っていた魔石を置く。

すると次の瞬間、魔石が光り、そして消えた。

魔石に含有していた魔力が光となり、それが地脈へと流れたようだ。

すると、今にも消えそうだった地脈の流れが、わずかに強まった気がした。

補修できたのかな?

ボロボロになった地脈をごくわずかに再生できたのを確認した僕は、その日はそれを見届けてから家に帰ることにした。