軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ブレイクスルー

「なるほど。アースソナーはモンスターの存在だけを探すんじゃなくて、こういうものも見つけられるのか」

左腕にはめたマジックアイテムであるアースソナー。

そのブレスレットについている緑色の宝石に魔力を流すと、宝石が持つ魔力と共鳴し合い、周囲を魔力の波で探索することができた。

その反応の中に気になるものがあった。

それを確かめるため、ビッグワームが掘った穴に進み――ついに見つけた。

アースソナーに反応があり、なおかつモンスターではなさそうなもの。

その正体は、地中に埋まっている鉱石だった。

サバンナの土の中に、ほかの土とは明らかに硬度の違う石があり、おそらく、これは鉄だ。

しかも、ただの鉄じゃない。

僕のマイスコップにも使われている、ダンジョン産の鉄だ。

地上の鉄とは違い、魔力との馴染みがいい。

これは、かなり当たりだ。

見つけた鉄鉱脈をスコップで掘り、スーちゃんがそれを食べる。

鉱脈を掘っただけだと、鉄と土や岩が混ざっている。

だがスーちゃんは、器用に土や岩だけを取り除いてくれた。

その結果、ダンジョン鉄だけを取り出すことができた。

そして、その鉄をマジックバッグ化した白龍の尻尾の皮から作った革袋に入れてサバンナの地上へと戻る。

「うん。やっぱり質のいい鉄っぽいな。アースソナーは地中の鉱脈を探し出せる。とんでもなく便利なものを手に入れたな」

ダンジョン産の鉄で作られたマイスコップは普通のスコップと比べて高価だった。

なぜそうなるかを売店で聞いたときに、理由の一つにダンジョン産の鉄は地表にあるものを拾って帰るからだと言われたように思う。

僕はダンジョンで穴掘りをしていたけれど、一般的に言えばそういう人は少ない。

探索者(シーカー) はわざわざ穴を掘ったりせずに、お金になるものを持ち帰ることを優先するからだ。

それはモンスターを倒して手に入れるドロップアイテムだったり、採取だったりする。

スコップを持ち込まない 探索者(シーカー) にとって、鉱石は地表で見つかるものだけが対象になる。

すぐに回収できるものしか手に入れられないからだ。

考えてみれば当たり前だ。

人間を見れば攻撃してくるモンスターのいるダンジョンの中で、どこにあるかもわからない鉱石を探して穴を掘るのはお金稼ぎの手段としてはあまり効率のいいものではないだろう。

僕だってそうだ。

今まで穴掘りをしてきたが、鉱石を狙ってのものではなかったとはいえ、ほとんど見つけられなかった。

だが――アースソナーがあれば話は別だ。

自分から探して掘ることができるようになる。

これは、とんでもないブレイクスルーじゃないか。

探せるのは鉄だけなのかな?

マイスコップを買うだけで、ほかにダンジョンではどんな鉱石が手に入るのかは詳しく調べていなかった。

だが、ダンジョンで採れる鉱石が鉄だけのはずがない。

きっと、ほかにもあるんじゃないだろうか。

ちょっとくらい探してみるのも面白いかもしれない。

もちろんダンジョンから脱出するための手がかりが第一だけど、せっかく手に入れたアースソナーを使わないなんてのはもったいない。

手掛かりを探すついでに、アースソナーを使う。

そう決めて、地中を探りながら歩きだした。