作品タイトル不明
184 第三極
ダンジョン都市の中央からやや北寄りに位置するビジネス街。このエリアにある高層ビルには冒険者向けのサービスやダンジョン産アイテム取引を行う企業が多数入居している。
中でもエネルギー産業の一角である魔石価格はこの都市の取引所で決定されており、世界中からギルドや投資家、商社が集まって活発にトレードがなされている。
そんなビジネス街に一際高く 聳(そび) え立つ、モダンデザインなオフィスビルの最上階。そこは巨大なワンフロアとなっており、小さな滝から流れ出る豊富な水に、鮮やかな錦鯉が泳ぐ池、コケの生えた岩や植物が調和するように配置されており、いわゆる日本庭園が広がっていた。
また四方の壁には怪しい光を放つ武具がガラスケースの中にずらりと並べられており、このフロア所有者の趣味嗜好が 窺(うかが) える。
水音が耳元に心地良く届いてくる庭の片隅には、革張りのソファーがゆったりとした間隔で複数並べられており、そこに脚を雑に組んで座っていた大柄かつ細身の男が「これを見ろ」とばかりに持っていたタブレットを裏返した。冒険者学校の八龍が一人、 宝来(ほうらい) 司(つかさ) である。
「近年はエネルギー需要の高まりで魔石価格も高騰を続けていましてねェ、おかげさまで我が商社も潤っているんですョ」
「まぁ! さすがは 宝来(ほうらい) グループ。これだけあれば、しばらくの活動資金として申し分ございません」
「この程度でボクを仲間に加えてくれるなら安いものだョ」
タブレット画面に映る数字を見て、銀髪の少女―― 世良(せら) 桔梗(ききょう) がスミレ色の目を大きく開き、顔色を喜びに染める。これは宝来を仲間として受け入れてくれる見返りとして送る支援金。その額ざっと百億円超。
さらにその場で追加の支援も約束したことで、隣で静かに聞いていた長髪の男―― 周防(すおう) 皇紀(こうき) も小さく上品に拍手し、中性的な顔を綻ばせる。
「心から歓迎いたしますよ、司さん。そして 拓弥(たくや) さん、私からは代わりといっては何ですがこちらの資料をご用意させていただきました」
「見せろ」
周防がプリントアウトされた紙を取り出すと、すぐさまひったくり、検分するように見入る金髪ロン毛――月嶋 拓弥(たくや) 。紙の上部には“東京事変概要”と書かれている。
「冒険者ギルドと警察庁にいる知人から直接聞いた情報です。メディアでは報じられていませんが、死者、行方不明者共に相当数出ていることは間違いありませんね」
「……やはりミハイロ・マキシムも来ていたか。それを 六路木(ろくろぎ) 時雨(しぐれ) が追っ払っただと? そんなわけあるか」
神聖帝国がゲート情報を独占するために引き起こしたといわれる“東京事変”。白いローブを 纏(まと) った神聖帝国の上級兵が乱入し、金蘭会を中心とする日本の冒険者と激突。最終的には十羅刹幹部の六路木が奮戦し撃退したと、この紙面にまとめられている。これらの情報はギルドと警察にいる内部の人間から直接聞き取りしたものなので、信 憑(ぴょう) 性が高いと周防が付け加える。
しかし月嶋はその報告をきっぱりと否定する。
神聖帝国の上級兵には世界各地の戦場で活躍していた悪名高い冒険者が多数含まれており、中でもミハイロ・マキシムは別格。その気になれば単独でデカいビルを丸ごと瓦礫にできる力があり、日本の冒険者ごときが束になったところで太刀打ちできる相手ではない。それでも本当に撃退したというのなら、その裏に 何者か(・・・) が介在したはずだと月嶋が紙面を放り投げて推測する。
「 皇紀(こうき) 、戦闘現場の写真はないのか。目撃情報は?」
「ビル全体が何時間もマジックフィールド化されていたので、調査員がビルに入れたときにはダンジョンのようにすべて自動修復されていたようです。血の一滴も残っていませんでした。ですが、巨大な 白い蜘蛛(・・・・) を見たとの目撃報告はありましたね」
「蜘蛛……ですか? モンスターでしょうか」
周防が“白い蜘蛛”の目撃情報があったというと、東京にモンスターが現れたのかと世良が口に手を当てて驚く。しかし月嶋はそれが召喚獣であると断定する。
「白い蜘蛛は速度ブーストとデバフが得意なアラクネ系召喚魔法《アラクネ・モナーク》だろう。それがいるならプレイヤーもその場にいたのはほぼ確実だ」
ダンジョン外にモンスターを連れ出すことは不可能ではないが、特別な状況下でなければすぐに消滅してしまう。少なくとも今現在はその状況下にない。となれば消去法で召喚獣しかいない。
そして白い蜘蛛に該当するのは、ダンエクに登場する数多の召喚獣の中でも1種のみ。後衛型プレイヤーに人気のあったアラクネ種の最上位《アラクネ・モナーク》だ。そのことから、現場にいたのは魔法を主体とする 人物(プレイヤー) であることが推測できる。
月嶋はそこまで一気に状況を読み切ると、興味深く聞き入っていた宝来がその知識の奥深さに感心した声を上げる。
「わずかな情報で使用者の特徴がそこまで分かるものなんだねェ。召喚獣……剣術部との決闘で呼び出されたトカゲ獣人と同種のものかい?」
「その通りですよ、司さん。ちなみに私も新たに召喚魔法を授けていただいております」
あらゆる手段を使って月嶋に接触を試みていた宝来。多額の支援金と体に契約魔法を刻むという大きな代償は支払ったものの、そんなものは深淵の知識と引き換えなら安いもの。怪しく目を光らせて今の情報を噛み砕くように考え込む宝来に、周防も「この世界の誰も知り得ない強大な力を複数手に入れてます」と報告し、ギラギラとした瞳で己の拳を力強く握りしめる。
そんな仲間達のやり取りを、月嶋の隣に座って微笑ましく眺める世良であったが、表情を急速に曇らせる。
「そのプレイヤーの正体も気になりますが、ゲートを知られてしまったなんて……せっかくの私達のカードが1つなくなってしまいました」
「世の中は大きく様変わりするだろうねェ。けどそう簡単には見つかりそうにないかな? ボクの“武器研究部”もゲート捜索に参加していたんだけど――」
ゲートは月嶋パーティーの優位性の1つだった。それが世に知られてしまったと世良が目を伏せて嘆くと、そう簡単にゲートは見つかりそうにないと宝来が楽観的に意見する。
東京事変以降、世界各地でゲート利権を狙って捜索合戦が始まった。冒険者学校の強欲な理事達も例外ではなく、生徒に優遇措置というエサをちらつかせてゲート探しに参戦。宝来が率いる“武器研究部”も全面的に協力するフリをしながらも、注意深く理事や貴族達から上がってくる情報を注視していた。だが見つかる気配などまるでなかったと報告する。
月嶋によればゲート部屋は5の倍数階にあるという。では何故、何万、何十万もの冒険者がダンジョンを走り回っているのに見つけられないのか。それほどまでに分かりにくい僻地にあるのかと宝来が問う。
「場所だけじゃねぇ、認識阻害も働いている。ろくな探知スキルも知識もない奴らをいくら動かしたところで見つかるはずがねぇんだ」
「なるほど……では拓弥さん。金蘭会がゲートを探し当てられたのは何故でしょうか。十羅刹も何らかの情報を頼りにゲートの場所を特定しているようですが」
「あぁ……それらのクランについて何か知っていることはあるか?」
ゲート周辺には強力な認識阻害が作用しており、一般冒険者が近づけないことはすでに実験で確認済み。よって生徒をいくら動員したところで無駄だと月嶋が断じる。ならばゲートを見つけ出せた金蘭会と十羅刹はどうやって認識阻害を回避したのかと周防が純粋な疑問を口にする。
その答えとして考えられるのは2つ。1つはゲート周辺の認識阻害が弱まっている可能性。だが世界中の冒険者が未だ新たなゲートを見つけられていないことから、認識阻害は健在だと思われる。
そしてもう1つはプレイヤーが関与した可能性だ。東京事変でもプレイヤーの影がチラついており、金蘭会もしくは十羅刹内部にいる、もしくは接触したのかもしれないと月嶋が疑う。
これらのクランについて何か知っていることはないかと問われ、周防と世良、宝来の三人は顔を見合わせて真剣に考え込む。何せ 月嶋(プレイヤー) の知識というものは、その欠片が露見しただけでも世界を揺るがすほどの衝撃を与える。どんな組織であれ、背後に月嶋と同格の存在がいるというのは深刻な脅威になりかねないからだ。
「そうですね……金蘭会はほぼ全員が拘束されていますが、“ソレル”という下部組織がゲートを最初に見つけたと聞いてます。十羅刹については今朝に大隊を率いてダンジョンに入ったことが話題となっていますが、実は関西方面でも我ら同胞と戦闘中なんですよ。実に元気な集団です」
記憶を探るように宙を見ていた周防が、今知りえている情報を列挙する。カラーズ傘下の金蘭会も十羅刹もあちこちと抗争しており、周防の付き合いのある家も巻き込まれているという。
静かに「ソレルか……」と呟いて関心を示す月嶋に対し、世良は柳眉を寄せて大規模攻略クランの粗暴さを 憂(うれ) う。
「大規模攻略クランというのは血生臭くて好きになれません。そのような危険集団の背後にプレイヤーが……拓弥様、恐ろしゅうございます」
「でも、十羅刹の背後にはいないと思うョ。いるならゲート探しなどやる必要ないからねェ」
貴族にとって大規模攻略クランとは、正義を 騙(かた) って身勝手な暴力を振りかざし、国の安寧と秩序を脅かす卑しい集団でしかない。その背後にプレイヤーが絡んでいるとなれば脅威度が比較にならないほど跳ね上がり、国家の政治基盤すら揺るがしかねなくなる。
だが金蘭会や主だったカラーズの幹部はお縄に付いたし、もう一方の猛威を振るっている十羅刹は、背後にプレイヤーがいるならゲート探しなどする必要がない。あったとしても軽い接触程度だろうと宝来が推測する。
「だからプレイヤーがいないならさ、ボクらの敵じゃあない。そうだよねェ?」
「確かに。今更ゲート探しに躍起になっているようでは周回遅れです」
「あまり舐めるな。今の俺達は知識や情報があっても大規模攻略クランと比べりゃ色々と貧弱だ。まずは――きたか」
どんな組織であれ、プレイヤーが背後にいないなら自分たちの敵ではないと強気の宝来に、周防も自信を持って肯定する。だが月嶋は、今の状態では装備もレベルも十分ではなく、幹部一人にすら苦戦しかねないと 咎(とが) めようとすると、フロアの入り口の自動ドアが開いたため会話が止まる。
皆がゆっくりと目を向ければ、眼鏡をかけた冒険者学校の制服姿の少女が、フロア内を物珍しそうに見回していた。 新田(にった) 利沙(りさ) である。
「よくぞいらっしゃいました、利沙嬢」
「利沙様、お久しゅうございます!」
「もう、いきなりこんなところに呼び出して。クラスの集まりから抜け出してくるのは大変なんだからね~? って、武具がいっぱい並んでる~♪」
格上貴族に向けるような丁寧な辞儀で出迎える周防。世良もいそいそと駆けつけて花の咲くような笑顔で歓迎する。一方の新田は「急に呼び出すのは困る」と頬を膨らませて怒っていたものの、壁際のガラスケースが目に入ると周防達の出迎えをスルーして、嬉々として覗き込んだ。
「初めまして麗しきレディ。今日からパーティーに入れてもらった宝来司という者だが……ふむ。よければお近づきのしるしに好きなものを持っていくかい?」
「え~、本当にいいの~?」
飾られている武具は、買えば“億”を超える銘入りの刀剣や稀少なマジックアイテムばかりなのだが、すべて宝来の所有物。欲しければどれか1つ譲るという気前の良い提案に、不機嫌だった新田は気を良くして満面の笑みを浮かべる。
どれにしようかなと、じっくりと見て回る彼女が強く興味を示したのは、マジックフィールドでないにもかかわらず色濃い闇の魔力を放つ片手剣。しかしこの剣は歴代所有者が大量殺人を犯すという 曰(いわ) く付きの呪物。それだけはやめたほうがいいと宝来が苦笑しながら止めようとするが――
「おいで~私があなたの新たなご主人だよ~」
新田がスッと手を突き出して「従え」と小さく呟くと、呪いの魔剣はガラスケースを割ってひとりでに手に収まった。するとより濃密な魔力の波動が放たれ、周囲の空気をより一層重くする。
剣を照明の光に掲げて無邪気に眺めている少女を前に、歴代所有者ですら理解していなかった剣の特性に宝来が目を剥いて驚き、周防と世良も何が起きたのかと身構えることしかできない。
しかし月嶋だけは満足げに頷いてからソファーから立ち上がる。
「さすがは“ 黒騎士(ブラックナイト) ”。その程度の魔剣を従えるくらいわけないか。今日はお前に新たな仲間の紹介と、俺達の今後について客観的な意見を聞きたかったんだ」
「剣をくれたわけだし、もちろん歓迎するわよ? でも意見を聞きたいって……何か嫌な予感がするわね~」
新たな仲間となる宝来を加え、激変する外部環境の情報を精査していたが、ここからは新田を交えて今後のことを話し合おうと月嶋が主導する。それを聞いた新田は大きなため息を吐きながら、もらった魔剣をマジックバッグにしまう。
再び革張りのソファーに戻って各々が腰を落ち着けたのを確認すると、月嶋はギラついた目で仲間の顔を 睥睨(へいげい) し、己の野望を語る。
「ぶっちゃけた話。ゲートで世の中がどう変わろうが、どこの誰が台頭しようが、淡々と情報を集めていけば十分に対応できる。しょせんは俺がこの世のすべてを手に入れる前座に過ぎねぇ――だが」
世界中の冒険者がゲート捜索に血眼になり、既存の勢力バランスが急激に変化しようとしている。そんな状況に焦って余計な動きなど見せてしまえば十羅刹のような強大な組織と抗争になりえる。今は水面下で情報を集めて動向を注視し、機を 窺(うかが) うべきだ。
だがそれは、あくまで現時点での話。いくらゲートでダンジョンダイブが効率化され、どことも知れぬ組織が台頭したところで、強大なモンスターが待ち受ける広大なダンジョンの踏破は容易なことではない。
一方、攻略法を確立してる月嶋達の歩みは止まらない。その差は時間が経つにつれ如実に大きなものとなり、いずれ月嶋パーティーは各々単騎で大規模攻略クランを討ち滅ぼす力をも手にできるはず。そうなれば表立って社会のテッペンに君臨し、何もかもが思うがまま。今は現実が見えていない“カヲル”だっていつかはついてくるしかなくなる。
しかし、そう簡単にはいかないことが分かった。何が月嶋の障害となるかといえば――
「 アイツ(・・・) だ。今だからこそ分かる……俺はあの男を倒すためにこの世界に来たのだと確信している」
すべてを手に入れると言っていたときの野心に濡れた顔を完全に引っ込めて、過去を思い出すように仰ぎ見る月嶋。
ダンエクの世界に入ったきっかけも、そこで駆け上がろうと決めた理由も、もっといえば己の人生そのものの目的が、あの男―― 災悪(さいあく) を知ることで始まった。だからこそ、学校の闘技場で自在に空中を跳ねまわるかの有名な“ 最強戦術(エアリアル) ”を目の前で見せられたときには、とてつもない衝撃が走ったという。
これこそは。俺がこの世界に来られたのは天命であり、この先であの男と死力を尽くし争うことは運命だと言い放つ。
初めて聞く月嶋の並々ならぬ思いに、周防も緩かった表情を引き締める。
「あの決闘は私もじっくりと拝見しましたが……実に筆舌に尽くしがたく。プレイヤー同士の戦いは、軽々と想像を超えてくるので困りものです」
「天使や怪獣まで出てきて驚くしかなかったよねェ。これまでの常識というものが完全に破壊されたョ」
「 災悪(さいあく) ……何と 禍々(まがまが) しい響きでしょう……ですが、わたくし達はあれから寝る間も惜しんで力を蓄えてきました。今なら勝てます!」
決闘に負けたことで第一線から身を引いた――かのように見せていた月嶋パーティーであるが、その翌日から今日に至るまで血の滲むようなダンジョンダイブを続けてレベルを上げ、更なるスキルと武具を獲得してきた。互いを理解し、連携力も比較にならないほど向上した。今ならあの悪魔に勝てると世良が訴える。
そんな血気盛んな意見に、新田は静かに首を振って否定する。
「 災悪(・・) 君はね~、月嶋君達が本当に大人しくなったと思ってる……わけじゃないよ? 今は優先順位が別にあるからそっちに意識を向けてるだけ。それと~……多少強くなったところで彼との戦力差が埋まったと思ってるなら……大間違いだよ~?」
レベルが上がったから。仲間との連携が良くなったから。その程度で百万ものプレイヤーを地獄へ叩き落とした最凶最悪の伝説に及ぶと考えてるなら片腹痛い。災悪の通ってきた軌跡の後に、どれだけの一流プレイヤーの 屍(しかばね) が 朽(く) ちているのかを知らないからそんな軽口を叩けるのだ。
まず前提として新田の目的は世界の安定だ。そのためになら、どんなプレイヤーであっても仲間にも敵にもなる用意がある。加えて新田が見る限り、月嶋パーティーの評価は災悪にまったく届いておらず、現段階では彼が折れたときのバックアップにすぎない位置にある。
もし仮に説得力のない無謀な挑戦を彼に仕掛けようものなら、今度は返り討ちに遭うだけでは済まない。確実に殺される。私の目的にも支障をきたしかねない。それならばいっそのこと、この場でお前達を斬り捨ててしまおうか――
な~んてね、とちょっぴり舌を出しながら新田が諭す。
だがその言葉は冗談ではないと言うかのように、 悍(おぞ) ましい闇の魔力を広げたため、青ざめて一歩引いてしまう世良。さすがに洒落にならないとばかりに月嶋が間に入って制止させる。
「落ち着け、 利沙(りさ) 。今の俺達の実力で本当に勝てるなんざ思っちゃいないさ。何せアイツは俺がダンエク時代から憧れ、追い求めてきた至高のプレイヤーだ……あのとき決闘で負けたのも必然だった。お前の口から今の災悪との差を聞けて良かったぜ」
世界を手に入れることなど造作もないと思っていたが、そうでもないことに神に感謝すらしている。これでより慎重に、より執着を持って前に進むことができる――
そう赤裸々に心情を吐露し、今後の予定について腰を据えて話し合おうと言う月嶋。その顔にはプライドを折られ、地獄の一歩手前まで追い詰められた者とは思えない清々しさがあった。
手元にある知識に慢心せず、前のめりに情報を集めて 足掻(あが) くパーティーはダンエクでも飛躍してきた。加えて目の前にいる面々には特別な才能と、力を求める貪欲さがあり、そこに敗北という 経験(スパイス) までも合わさった。これなら、もしかしたら届くかもしれない。
あの困り顔のクラスメイトにとってはさらなる試練になりそうだけど、そんな未来が来ることをひっそりと期待する新田であった。