軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「もう嫌だぁぁ」

「リアったら、唯一苦手な教科だもんね」

「うううぅぅぅ」

「まぁ、俺がちゃんとリードしてやるから、元気出せ」

フェリーペが私の両手を持って、実習室の端っこで「イチ二、イチニ」とカウントを取ってくれている。

本当に我慢強い子だと思う。

私に何度足を踏まれても怒らないし、リズムがズレてもキツイ事を言わずに「もう一度やろう」って励ましてくれるから、良い子なんだよね。

でもね、どうして平民の私にダンスが関係あるの?

私は将来食堂や宿屋の女将になる人間なんだよぉ。

ダンスはお貴族様のモノで、私は関係無いね!と思ってはいても、教科としてダンスがあるという事実は変えられない。

成績には実技は関係なく、試験の結果だけが反映されるので学年一位をキープできているけど、これで実技が成績に反映されるなら、私の学年一位伝説、いつ伝説になったのかは知らないが、それが崩れてしまうジャマイカ。

まぁ、実の所、ダンスで減点されたとしても筆記試験は私がぶっちぎりトップだから恐らく順位は変わらないとは思うんだけどね・・・・。

何がキツイってフェリーペの足を踏んだ時なんだよね。

マジですみません!

この幼女ボディなら踏まれてもそこまで痛いとは思わないかもしれないけど、踏まれる方も幼児ボディだもんね。

痛いだろうなぁ。

「ところでさぁ、今年の錬金術の即売会もドールハウスにするのか?」とか、何とか私の意識をダンスから逸らすべく、フェリーペが踊りながら色々話しかけてくる。

私は本当にダンスが苦手なんだけど、会話に夢中になってパートナーに振り回されている時はちゃんと踊れているらしいんだよね。

ダンスの先生曰く、「アウレリアさんは、運動そのものが苦手って言うより、運動音痴だという意識が強いのでしょう。肩に力が入り過ぎて失敗している様ですよ。ドッジボールの時は問題なく試合できていらしたでしょ?」とは言われるけど、緊張している時に肩の力なんてそうそう抜けないんだよぉぉ。

漸く、ダンスのクラスが終って、今度はホームルームに帰って算数の授業だ。

最近のガスペール先生は新婚さんで、ちょっとぽわぽわしてるんだよね。

あややクラブの部室にもあまり顔を出さなくなったし、お邪魔虫感が軽減されているのは良い事なんだけどね、授業中時々何かを思い出しているのか、ポケーっとしている時があるんだよ。

ダンスでやさぐれた気持ちのままホームルームに戻り、ガスペール先生の授業は聞くフリで色々考えるのは魔法障害物競争の事だったりする。

鳥人コンテストの時だってそうだったけれど、新しいイベントを立ち上げるって本当にエネルギーがいるよね。

考えても考えても何かが足りなかったり、当日になってシマッタ!と思う事も多い。

だからこそ、準備を始める前は特に色々と考えてしまう。

闇王様たちは人を使う事に忌避感が無いっぽい。

流石、お貴族様だね。

でも、私はたかが学生のイベントで風とか土とか水の属性魔法の使い手を雇うってなんか想像もつかないんだよね。

どっからそういう人材を探してくるんだろう?

各レーンに1人ずつで大丈夫なの?とか、悩ましいのだ。

魔力量にもよるんだろうけど、どのくらいの土の量なら問題なく一人のスタッフで何度も動かせるのだろうか?とか・・・・。

「各障害物に必要と思われるスタッフの方の魔力量の算出が先生方から上がって来た」

その日の午後、あややクラブの作戦会議室で闇王様がみんなを招集して、障害物競争の準備を詰めた。

「土属性は2レーンで2人。水も2人。風は必要ないが、どうしても振り子地獄で風魔法を使うなら2人~4人必要とのことだった。内訳は、土は落とし穴の土の移動や、平均台の拡張部分の取り除きに各レーン1人は必要らしい。これは選手が拡張した土を取り除くのに魔力がかなり必要だかららしい。水は水路から水を取り除く時に選手に水を移動する場所を指定しておけば新たに水を呼び出す必要がなく、水移動だけで済むので少ない魔力量で済むらしいし、水地獄の方は水を溜めるのに魔力が必要らしいが、どれくらいの水の量にするかで調整可能らしい。風は振り子地獄なんだが、これは風魔法で動かさず、人力や何か道具を使うなら0人で良いとのこと」

「「「おおおお」」」

「オレは振り子は魔法以外の方法で動かしたいと思っているが、ボブとランビットの意見を聞きたい」

ランビットはボブより控えめなのですぐには答えず、ボブの方を見た。

今日はボブもあややクラブに来ているのでボブが板書をしてくれていた。

その手を一旦止めて、ボブもランビットを見た。

「もちろん一緒に作りはしますが、僕は錬金術クラブの部長でもあるので、あややクラブでの錬金術に関してはこれからはランビットが中心になると思います。だから、ランビットの意見を聞きたいです」

そう言われてランビットは座って居たその場所で立ち上がり、「分かりました。人力でも問題なく出来るので風魔法は必要ないと思いますが、装置でなんとかできるかどうか僕も考えてみます」とちゃんと自分の意見を言った。

そうなのだ。ランビットは控え目だけど、実力は折り紙付き。しかもちゃんと自分に自信を持っているので、発言しなくちゃいけない時や動かないといけない時は自分の判断で行動する奴なのだ。

元々無口なボブとは違い、どちらかと言うと皆より遅れて入部したので遠慮があるって感じなのがランビットなのだ。

「分かった。もし、装置を作るのが難しいとか、高くつく等、何らかの問題があれば、最悪人力で出来るので、実行委員会を立ち上げて対応する事も可能だ。幸い今年はひよこクラブも居てくれるので、人手も十分あるしな」

闇王様がちゃっちゃと決めていく。

その姿をひよこクラブのみんなが憧れの眼差しで見つめている。

うん、闇王様のこういう所はめちゃくちゃカッコいいよね。

でも、さっきのランビットもとってもカッコいいと思うぞぉ~。