軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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さて、なんだかんだいろいろとありましたが無事にプリメラさまの誕生日パーティーの日を迎えることができました。

今年はプリメラさまも公務の幅を広げた……ということで、このパーティーでの役割も大きく変わったと示すために一日がかりとなります。

これまでは日中にご家族でお祝いをし、夕暮れ時から夜会に参加して挨拶をするというのが流れでしたが……今年からは日中に多くの貴族たちの挨拶を受けてから夜会に出席、ディーン・デインさまとファーストダンスを踊ったのちに他の貴族たちとも踊らなければなりません。

正直なところまだ十二歳の少女にとってはとてもしんどいと思います。

朝早くに起きてお風呂、スキンケア、マッサージから始まって午前中の来客リストをもう一度確認、そこでの必要な話題のおさらい、そこからドレスに着替えてお化粧と始まるのですからね……!

合間につまめるサンドイッチと飲み物は勿論、プリメラさまのお好みのものを準備いたしました。

せめてそのくらいはね……。

私は私で午前中プリメラさまのお支度に携わるとはいえ、昼までに行程が順調か確認の上でセバスチャンさんに交代、今度は自分の支度をしてからアルダールと城内で合流、夜会に向かう手筈です!

去年よりも早い時間から私も入浴やら何やらを自宅でしないとですね、マーニャさんからきつーく言われていましてね……。

(『ミスルトゥ家という名がまだ貴族名鑑にないからといって社交を疎かにしてはなりません!』って、まあ確かに正しいことだから何も言い返せない……!!)

なんたってプリメラさまの誕生日パーティーですから、私自身適当でいいとは思っておりません。

それにアルダールと婚約してからの初の公式行事だと思えば、ここでしっかりとミスルトゥ子爵家として頑張る意思表示にも繋がりますからね。

さすがに今更、アルダールとの仲を見せつけるとかそういうのは必要ないと思いますが……まあね、アルダールに選んでもらった側としては彼が周りから羨まれるまでいかなくとも綺麗にしたいと思う乙女心ってやつですよ。

(ドレスもすごく素敵だったし……)

ちなみにミュリエッタさんについて、後続の情報は特にありませんでした。

ただ、なんとなくリジル商会の家族仲について、チラホラと……気にしてみると意外と見えてくるものもあるって言うか。

リジル商会の現会長は叔父であるミッチェランの創始者さんとは割と仲が良かったらしいとか、それで父と叔父の間を取り持とうとして杖で追いかけ回された逸話があるとか……。

リード・マルクくんは今は亡き前妻のお子さんで、前妻さんもまたミッチェランの創始者さんと親しくしていてリード・マルクくんを連れてよく遊びに行っていたらしいとか。

ただまあ、こんなことがわかるのにミッチェランの創始者さんのお名前が未だに出てこないってのも不思議ですよね。

戸籍とかを調べたら出てきそうですが……なんでも、ご自分の名前が嫌いだったとか。

あとわかっているのは、ミッチェランの創始者さんはチョコレートが本当に好きで、恋人はいたけれど結婚に至らなかったのはチョコレート作りに一度没頭すると何日も作業部屋から出てこなくてよく喧嘩になっていて店先で大騒ぎになったことがあるとかないとか。

……リジル商会の人って実は血気盛んな家系だったりするのかな!?

なーんて思っちゃったりしましたね。

いやうん、弟さんの方は女性にボッコボコにされて謝り倒していたって話なのでなんとも締まりませんが……。

それでもメッタボン曰く、凄腕の冒険者だった……なんて噂もある人なので、本当に不思議ですよね?

その人の話を聞いてミュリエッタさんが大人しくなったってのも本当に不思議で不思議でなりませんよ。

(……もし、パーティー会場でミュリエッタさんから接触されたらどうしようかしら)

挨拶だけに留めるつもりではいましたが、このスッキリしない気持ちをどうにかしたいような、そんな感じはずっとしています。

とはいえ聞いてスッキリしたからはい解決! で済むなら聞けばいいと思いますが、そこに厄介ごとが付随してくる可能性だってゼロじゃないですよね。

っていうかこれまでミュリエッタさん関係で首を突っ込んでいい結果を生んだことがないので……!

彼女が悪いんじゃないですよ!?

ただまあ、振り返ってみるとそういう結果になっているなあってだけの話です。

「大丈夫? お化粧、似合う?」

「はい、とても良くお似合いです」

今日のためのドレスに身を包み、普段よりも華やかに化粧を施したプリメラさまはもう小さな淑女……いいえ、誰が見ても輝かしい、天使……いえ、女神!?

普段から可愛らしく素敵なプリメラさまですが、今日は一段と素晴らしいです!!

「国王陛下がお待ちですので、そろそろ」

「わかったわ」

「セバスチャンさん、お願いしますね」

「承知いたしました」

まず最初は国王陛下のところにご挨拶に行くのよね。

プリメラさまにとっても移動や人に会うことが多すぎて疲れちゃうだろうけど……その分、今日という日を楽しんでいただけたらいいなと願うばかりです。

さて、陛下のところにはセバスチャンさんと一緒に移動していただきましたが私たちもただここでお客さまのおもてなしをしつつプリメラさまのお戻りを待つわけじゃございませんよ!

お戻りになるまでに本日お越しのお客さま……勿論、時間の約束はしているのでそれまでにお戻りになるでしょうが、なんせ国王陛下が離してくださるかどうか……。

セバスチャンさんをつけたから大丈夫と思うけれど。

その間、私たちは続々と届くプリメラさまへの贈り物を分類、リスト作り、内容物の確認です。

「ユリアさま、食料品はどういたしましょう」

「メッタボンの保冷庫を借りているからそちらに入れちゃって。今年はいつもより多いと思って全部空けてもらってるから!」

「はい!」

「メッセージカードに恋文みたいのが入ってたんですけどこれはどうしましょう!?」

「要注意リストにその名前書いておいて。あとで私がチェックします」

「妙な薬も要注意リストでよろしいですか」

「ええ、お願い」

デボラさんとライアンがテキパキと恐れることなく動いてくれるのが本当に助かりますね……。

それにしても今年もプレゼントが多いんですが、これって年々増えていくんでしょうか。

やっぱり、人手が増えてほしいなあ!