軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

74 完成ラッシュ

作業に没頭していくうちに、色々なものが完成した。

まず、増築されたマイホーム。

新たに迎えたパッファ、ランプアイ、ガラ・ルファが寝起きする個室に加え、バティ専用の被服室も大きなスペースを確保して作りました。

バティには急に増えたモンスター軍団用の衣服作りに無茶させたので、そのご褒美も兼ねてます。

さらに酒蔵。

醸造蔵と並列させ、本格的に酒造りがスタートだ。

まずは手ごろな材料があるビールを目標。俺が適当に提案してみた作り方を、プラティ、ガラ・ルファが推測を交え、試行錯誤しながら作っていく。

材料はまず小麦でトライ。

並行して大麦でも作ってみる。

最初に小麦と大豆を育てた時に、土に『至高の担い手』で念を込める際「大麦と小豆育て!」とミスして育ったものだ。

ついに役立つ時が来るのだろうか?

結果はガラ・ルファの頑張り次第である。

酒蔵の運営主にガラ・ルファが正式就任。それを好機に醸造蔵の運営主もプラティからパッファにバトンタッチした。

パッファは、味噌や醤油作りに従事してもらうのは無論のこと、漬け物の新作作りに旺盛だ。

何でもアロワナ王子のたくわん好きを知り、もっと好みに合う漬け物を作ってあげられないかと奮起しているらしい。

これが本当の糟糠の妻か……。

プラティには酒蔵、醸造蔵、食糧庫と統括管理する立場に。もちろん土地主である俺の補佐役と兼任で。

残るランプアイには、状況に応じてどこのサポートにも入れる役どころに就いてもらった。

そしてついに完成した。

かねてから制作していた焼き物用の窯が。

今までは王都から持ち込んだものや、木を削って作った皿。人数が増えて酷い時には葉っぱで代用したりしたけれど、これからはついに陶器の皿やお椀が作れるぞ!!

陶芸家の真似をして、出来が気に入らなかったらパリーンッて割ったりするんだい!

ダメだよね!?

物は大事にしないと!

実のところモンスターチームが一気に百人も膨れ上がったことで、色んな所に負荷がかかってきておる。

住むところも足りないし、日用品、食料の類も不足しがちだ。

新人モンスターたちは、最初こそ普通のモンスターらしくマナを吸収して過ごしていたが自我を持つに従って食料が必要になり、逼迫。

足りない分は山ダンジョンに狩りに行ったり、海辺で貝や魚を採取することで凌ぐ。

服作りにバティにも大変頑張ってもらったし、モンスター長屋も拡張した。

そんな感じで何とか急激な膨張に伴う混乱が収まってきた頃、ついに最後のあれが完成した。

水路が。

支流から引いた水が、ついに我が開拓地に流れ込んできた。

さすがに百人も一気に増えて、俺が『至高の担い手』でいちいち海水をろ過していくのでは間に合わなくなるところだった。助かった。

これで大所帯に似合った水源の確保ができ、そしてついに乗り出せる。

米作りに!

日本人と言えば米!

先に大盤振る舞いして人員を大量補充した成果が今、現れる!

『至高の担い手』で耕した土は水田としてもバッチリ機能を果たし、水路の水を引き込んでも土が吸ってしまうことなくちゃんと張ってくれる。

作物の成長を超促すハイパー魚肥も大量投入し、あらかじめ育てておいた苗を、ついに田植え決行だ!!

* * *

田植えを行うために、我が開拓地の住人たちが一挙に全員集合した。

大人数でやれば手早く終わるし、せっかくだからお祭り騒ぎにしたかったからだ。

そんなわけで一枚の田んぼに綺麗どころ集結。

一番レーン、プラティ。

二番レーン、ヴィール。

三番レーン、バティ。

四番レーン、ベレナ。

五番レーン、パッファ。

六番レーン、ランプアイ。

七番レーン、ガラ・ルファ。

的な感じで進行していきます。

俺とモンスター軍はギャラリー。

この一枚を植え終わったら散って別の田んぼを田植え一斉にやります。

つまりこの一枚目の田植えは、セレモニー的イベント。

「はい! 聖者様! 私、棄権いたします!!」

開始前からガラ・ルファが棄権宣言しに来たが却下した。

「お願いですぅ! プラティ様やヴィール様が参戦するような競技に私が出たら瞬殺されますううッ!!」

と涙ながらに訴えるガラ・ルファ。

大丈夫だよ。別に競技じゃないし、皆で力を合わせて苗を植えて行こうって催しだよ。

速さを競うとかそういうことも……。

「ヴィール? 今日こそ旦那様の本妻が誰かハッキリさせる時のようね?」

「人魚ごときがドラゴンに盾突こうなど笑止千万。生物のとしての格の違いを見せつけてやろうぞ」

なんかプラティとヴィールが火花をバチバチ言わせていた。

…………。

競技じゃないよ?

わかってるよね皆?

「ここで誰が一番優れてるかって、ハッキリさせる機会が欲しいと思ってたんだ。はしゃいでやるぜ」

「我が力と命はプラティ様のために。世界最強のドラゴンに挑むプラティ様をしっかりサポートさせていただきます!」

「ベレナ! 魔族としての意地をしっかり見せるわよ!」

「もちろんよバティ! ここで引き下がったらアスタレス様に合わせる顔がないわ!!」

…………。

ガラ・ルファの棄権を認めた。

代わりに彼女には緊急医療班を務めてもらう。

この田植えレース。

何事もなく終わることはない。きっと大変なことに!?