軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

73 軍団

モンスターたちを増やした。

オーク四十五人。ゴブリン四十五人。

二つ合わせて九十人。

これに元からいるオークボたち十人を加えてちょうど百人になる計算だ。

かなり思い切って増強した。

そうでもしないと欲しいもの全部、俺の生きてるうちに完成しないと悟ったからだ。

提供元はもちろん先生の洞窟ダンジョンで、パッファが過剰に持たせてくれたお土産が効いたのか、快くモンスターの引き抜きを許してくれた。

『そう言ってくると思っていましたので、聖者様にお出しする用のモンスターたちを揃えておきました』

と言う先生。

『困った時はいつでも申し付けてください。ワシはアナタ様に忠誠を誓ったのですし、何よりご近所同士は助け合いですからの』

何事も上手くいくのはお土産うんぬんより先生が純粋にいい不死の王だからじゃないのか。

とにかく一気に大所帯になった。

新旧合わせて総勢百人のモンスター軍団。

当然その運用目的は農業と土木。

念のために言っておくよ。侵攻には使わないよ。

新顔モンスターたちの指揮、育英は元からいる生え抜きモンスターに一任することにした。

即ちオークボを筆頭とする五人のオークと五人のゴブリンだ。

ここで改めて、彼らを紹介しておこう。

オークチームのリーダー格オークボと、ゴブリンチームのリーダー格ゴブ吉の名は何度も出ているが。

その他にオークたちは……。

オークボ(リーダー)。

オークラ。

オークマ。

オークニヌシ。

オークトーバー。

命名、俺。

途中からネタ切れ感が出ているのは見逃してほしい。

ゴブリンの命名については、オークたちみたいに上手い洒落が思いつかなかったので率直に……。

ゴブ 吉(リーダー) 。

ゴブ郎。

ゴブ彦。

ゴブ左衛門。

ゴブ之真。

やっぱり四人目辺りからネタ切れ感が香ってくるのは何故なのか?

ちなみにゴブ左衛門は、過去の相撲大会で準優勝した件でも名前が挙がっている。

決勝戦でのアロワナ王子との名勝負は今でも語り草であり、今でも王子が遊びに来る際は暇を見て相撲を取っているらしい。

新たに補充した新顔モンスターたちは、これら古参オークと古参ゴブリン一人一人に九人ずつ預ける。古参一人+新人九人の計十人一組の一チームを作ってもらうことにした。

オークボを始めとする古参モンスターが隊を率いる隊長になるってわけだ。

おめでとう。

初めて持った部下たちをしっかり世話してほしい。

今回、新たに補充したオーク、ゴブリンたちについて、俺は直接関与しないことにした。

一番最初のオークボたちの際、『至高の担い手』を持った俺が触れて接することで、本来自意識を持たないモンスターがそれらを獲得してしまった。

それだけにとどまらず、オークはウォリアーオーク、ゴブリンはスパルタンゴブリンという変異体に進化し、何十倍もの強さを得てしまった。

それらはすべて偶然の産物で、オークボたちというよき仲間を得たのは大変喜ばしいことだが……。

それって曲がりなりにも疑似生命に生命が宿るような現象なんだよね。

神の御業に片足突っ込んでいるようで怖いというか……。

とにかく際限ないのはなんか怖い。

どこかで歯止めを掛けておこうと、今回の新しいモンスターたちには直接接しない……。

『至高の担い手』で生命化させないという配慮をしたわけだ。

そして……。

一ヶ月ほどが過ぎ……。

* * *

「お前ら! 今日もやるぞぉ!!」

「「「「「「「「「「おおおおおおおおおぉーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」

「我が君のために働くぞぉ!!」

「「「「「「「「「「働くぞおおおおぉーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」

「オークの長所は!?」

「「「「「「「「「「力とタフさ!!」」」」」」」」」」

「ゴブリンの長所は!?」

「「「「「「「「「「速さと器用さ!!」」」」」」」」」」

「それらを活かして使える相手は!?」

「「「「「「「「「「我が君、聖者キダン様!!」」」」」」」」」」

「よし、今日も一日頑張るぞぉ!!」

「「「「「「「「「「よろしくお願いしまぁぁーーすッッ!!」」」」」」」」」」

……。

……アレ?

新人オークやゴブリンたちが、オークボたちと普通に会話している?

少々暑苦しいものの、そのやり取りには知性が感じられる。

なんで?

「何日か前から、ああしてたわよ」

とプラティが教えてくれた。

俺が、新人オークや新人ゴブリンに行き渡るよう全員分のマナメタル製斧や鎌を打っていた間に、そんなことが!?

「ああいうのを一日の最初にやると気合いが入るんですって。実際に作業効率も上がってるわよ。オークラ班がお屋敷の増築を完了。他班の応援に回せるわ」

「おおう……!?」

「あと、ゴブ彦班の手が空きそうだから、畑の拡張急いでよ。その辺は完全に旦那様任せなんだから」

順調に進んでいる。

順調に進んでいるが……!

やっぱり新人のオークやゴブリンにも自我が芽生えている!?

* * *

『変異化しておりますな』

先生に早速鑑定してもらったところ、やっぱり新人モンスターたちも変異して強化モンスターになっていた。

オークはウォリアーオークに。

ゴブリンはスパルタンゴブリンに。

何故!?

俺はまったく接していなかったのに!?

『意識はせずとも同じ場所で接しているのです。知らぬ間に触れ合うこともあるのでしょう』

そういうものかなあ!?

しかし、これで俺の開拓地の仲間たちがますます強力な軍団に!?

「しかし新人たちが変異しちゃったら元々いるオークボたちも形無しだなあ……」

班長としてのアドバンテージが先輩後輩しかなくなっちゃうなあ。

『そのオークボたち古参組ですが……』

先生が恐ろしいことを言い出した。

『ヤツらもヤツらで変異しておりますぞ』

「は?」

『二段変異……。ワシも話に聞いただけで実際に見るのは初めてですが』

ウォリアーオーク→レガトゥスオーク。

スパルタンゴブリン→ブレイブゴブリン。

……に、なってるんだそうだ。

オークボやゴブ吉たちが。

『二段変異したモンスターの強さは、並の勇者ぐらいなら一撃粉砕できるほどだといいます。それらが一段変異した同族を率いて軍団化……。人族や魔族から見れば悪夢ですなあ』

いやいやそんな……。

……。

無害だよ?

オークボたちは開拓が得意なだけの無害モンスターだよ?

さあ、今日も開拓作業を頑張るか!