軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

455.精霊とは?

ーーー王宮の応接室にて。

「いやいや、まさかジョアン嬢が精霊様の契約者だとは」

「あはは、まあ精霊になったのは偶然でしたけどね」

謁見の間から応接室に場所を移し、国王様と王妃様、宰相のクルゴン公爵、エデーン侯爵、農林大臣のリンスール伯爵、農林大臣補佐官のシュヴァーンさん、国土大臣のクーリンディア伯爵。

国王様と王妃様、宰相様が来るまでの間に、リンスール伯爵とクーリンディア伯爵からは、再度ソバーについてのお礼を言われた。全員が揃ったとこで、ベルデが元ギガトレントで契約した時に緑の精霊になった経緯を話すと、やはり全員が驚き目を丸くし口が開きっぱなしになった。

いくら美男美女の多いエルフ族でも、口が開きっぱなしはマヌケに見えるんだ。

ちなみに、私が座っている後ろで立つベルデが侍従服ではなく、契約した際に纏っていたクルタ風の服を着ていた。なぜその服なのか念話で聞いたら、その方が精霊っぽいからだと言う。いやいや、精霊っぽいって精霊だから。

「ティリオンは知ってたのか?」

「いや、知らなかった。昨日紹介をされた時は、名前しか聞いていなかったからな。まあ、何となくは予想出来たが……」

「だろうな。大学で精霊史について学んでいたお前だからな」

「精霊史?」

国王様とエデーン侯爵は幼馴染らしく、砕けた会話をしていた。その中でエデーン侯爵が『精霊史』なるものを学んでいたことを知った。

「エルファ国は精霊様を信仰しているのですが、精霊様について詳しくわかっていないのが現状なのです。私達エルフ族が魔術を使えるのも精霊様の力を借りているからこそだと考えております。ですが、精霊様がこうして体現されることは歴史的にも少ないのです。精霊様が見えるという者もおりますが、その者達は教会が囲い込んでいるのです。ただ本当に見えているのかも確認することも出来ず、どこまでが真実なのかわからない状態です。精霊史は、精霊様が関わったとされる歴史的事実を主に研究するのですよ」

「なるほど。だから、先程のようになったわけですね」

「ああ。今後、教会派から何らかのアプローチがあるやも知れん。念のため、護衛をつけさせてはくれないだろうか?」

護衛がつくと自由がきかなくなるよなぁ〜。

一応、聞いておくかな。

「ちなみに皆様は教会派をどのように思われてますか?」

質問すると、皆んな揃えて眉を顰めた。それで答えがわかった気がするけど、言質を取る為に聞いておこう。

「教会と教会派は、精霊様を見える者達を囲い込み自分達に有利になるような駒としている。それが、教会派達の子供ならまだしも平民の子供達を金や権力で親元から奪い取り、奴隷のようにしていることが許せん」

「しかし、その子供達は契約魔法で縛られているためにこちらとしても手が出せんのだ」

ーーベルデ、契約魔法って絶対なの?

ーーいえ、大元の契約を解除すればいいだけでしょうが……少し気になることがあります。お側を離れても宜しいでしょうか?

ーーうん。気をつけて。

ーーはい。では。

「お、おや?ベルデ殿はいかがした?」

「あっ、すみません。ちょっと用があるようで」

「さすが精霊様ですな。精霊様は元より自由な存在ですから、この状況も苦々しく思っているのではないでしょうか?」

精霊史を学んでいたエデーン侯爵に精霊について説明を聞いていると、いつの間にかランチの時間になっていた。王妃様の計らいで用意されたランチは、私のエルフのイメージとは違うものだった。

「“食の女神” と言われるランペイル嬢のお口に合えば良いのですが、昨日、わたくしが仕留めたオークキングの煮込みと国王が仕留めたルフバードのステーキですわ」

おお、戦闘能力の高い国王夫妻、恐るべし。

そういえばエドがエルフ族は狩猟民族だって言ってたっけ。

料理は全て美味しく、パールとメテオにもルフバードのレアステーキ、ロッソには煮込みを用意してくれていた。もちろん皆んな完食どころかお代わりまでしていた。

食後のお茶をしていると、ベルデが戻って来た。どうやらこの国の精霊達から情報を集めてきたようだ。国王夫妻や宰相達にも聞いてもらいたいと言うことで、再び応接室に戻り防音効果付きの【結界】を張った。

『こちらの国の精霊は、主に世界樹の元で生活しております。精霊は本来自由な身。特に下位精霊は自分の興味があることや人には自ら接します。しかし近年、自分達が接した子供達が危害を加えられていることがわかり、精霊達も心を痛めております』

「教会と教会派貴族のことね?」

『はい。その子供達が契約魔法で縛られていることを知り、何度か魔法解除を試みたそうなんですが下位精霊の力ではどうしようもなかったと。上位精霊に頼むにも、彼らも自分の興味のあることしか動こうとせず、下位精霊の声だけでは動いてくれはしないのです』

ベルデの説明を聞き、エルファの皆さんは頭を抱えてしまう。エデーン侯爵の話では、精霊史の中でも上位精霊は下位精霊よりも更に姿を現すことがなく、よほど興味のあることがない限り難しいのではないかと。ベルデからも、仲間の下位精霊が困っているのをどうにか助けて欲しいとお願いされた。

「ベルデ、上位精霊って?」

『上位精霊は四大精霊といわれまして、水の精霊王ウィンディーネ様、火の精霊王サラマンダー様、風の精霊王シルフ様、地の精霊王グノーム様です。ちなみに、我の緑の精霊はグノーム様のご加護です』

おお〜、聞いたことある名前だわ。

ファンタジーだねぇ〜。

「じゃあ、その四大精霊様?に興味を持って貰えば良いってことだ?」

『えっ、ま、まあ、そうですけど』

「ランペイル嬢、何か考えが?」

「まあ、なくはないってぐらいで……。私が興味を持って貰うのは、料理しかないので」

こうして四大精霊様の興味を引くべく、私は料理をすることになった。