軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

456.四大精霊

ベルデから聞いた四大精霊について私なりに纏めてみた。まず前提として精霊は性別がないが、性格に応じて見た目が影響されるらしい。食べ物は食べなくても生きていけるが、嗜好品としては好みがあるそうだ。

・水の精霊王ウィンディーネ様

上品で華麗、水色の長い髪に青い瞳で女性の姿らしい。

好きな物は、オシャレな珍しいもの。食べ物なら辛すぎず甘すぎず。

・火の精霊王サラマンダー様

勝ち気で短気、赤い髪に橙色の瞳の大柄な男性の姿らしい。

好きな物は、豪快なもの。食べ物ならとにかく辛いものが好き。

・風の精霊王シルフ様

穏やかな性格で、金色のふわふわの髪に黄色い瞳の幼女の姿らしい。

好きな物は、可愛いいもの。食べ物なら甘いもの。

・地の精霊王グノーム様

頑固で考えが古い、茶色の髪と髭に緑の瞳のジジイらしい。

好きな物も食べ物も、酒と酒に合うもの。

あー、4人共キレイに性格も嗜好も違うのか。

ってか、ドワーフ族って間違いなくグノーム様の子孫だよね?

「で、どうするの?ジョアンちゃん」

先程、王宮からエデーン侯爵家に戻り、フェニー様ーーフェニコッテロ様だと長いからと愛称を許可されたーーとアルエット様に王宮での事を話した。

2人ともやはり教会と教会派の行動には、目に余るものが昔からあったようで、私が何かするなら喜んで手伝うと言ってくれた。

「大まかにですけれど、ウィンディーネ様には貴族女性が好むもの、サラマンダー様には騎士の方が好むもの、シルフ様には子供達が好むもの、グノーム様にはドワーフ族が好むものを作りたいと考えてます」

「そうねぇ。精霊王の情報からなら、そう考えるわよね。わたくし達は何か手伝えることはあるかしら?」

「はい。ベルデの話によると、精霊達は楽しいことが好きということなので、ガーデンパーティーを催して頂けますか?」

「そこに精霊王達を呼ぶのね?」

「はい。ただ、自由な方々なので誘っても来るかどうかわかりません。だから、自ら来て貰えるようにすれば良いのかと思いまして」

楽しそうな事をしていれば、精霊達が集まってくる。精霊達が集まって楽しんでいれば、精霊王も気になって集まるかも知れない。要するに、ガーデンパーティーという名の精霊王ホイホイだ。

そう説明すると、フェニー様もアルエット様も契約獣達も扉の前に控えていた侍女さん達も苦笑いした。でも、間違ってないよね?

『精霊王達を虫のように例えるのが間違っているのよ』

と、パールから怒られた。

解せぬ。

*****

1週間後、ガーデンパーティーを催すことにし、私はエデーン侯爵家の厨房を借りてガーデンパーティーの料理を試行錯誤し、ようやくメニューが決まった。

オシャレな珍しいものが好きなウィンディーネ様には、チーズフォンデュ。とにかく辛くて豪快なものが好きなサラマンダー様には、石焼き麻婆豆腐山椒増し増し。甘くて可愛いらしいもの好きなシルフ様には、マカロンとイチベリーミルク。酒が何よりも好きなグノーム様には、ルフバードの唐揚げとカルキノスの甲羅焼き、それに付けるのは私特製のどぶろくと30年ものの梅酒ーー便利なストレージのエイジング機能でチーンとーー。

もちろんその他にも、エルファ国の伝統料理やソバーを使った料理も用意されている。ビュッフェスタイルの立食パーティーで、もちろんテーブル席も準備されている。

ベルデには、下位精霊達にガーデンパーティーをするからと来てねと伝言して貰った。精霊王達には伝えずとも、精霊達の噂で耳にして興味を持って貰えれば良いだけ。

私の歓迎会と称したガーデンパーティーに参加するのは、エデーン侯爵と懇意にしている家だけ。あとはお忍びで王族ファミリーも来ていたりする。

「では、ジョアン嬢を歓迎して……乾杯!!」

エデーン侯爵の音頭で、皆んなと共に乾杯するのは、ベルデとエデーン侯爵家の家令さんが作ったカクテル。乾杯をすると同時に、招待客は各々料理を取りに行く。その中には、変装をした王族の皆様もいて、その後ろを慌ててついて行く侍従さん達。

「来るかしら?」

「きっと来るよ。目には見えないけど、ベルデが言うに下位精霊達が凄い集まってきてるみたいだし。ほら、見て」

庭の片隅で全体を見ていた私に来るかどうか心配しているミラちゃんが聞いて来たので、私は料理が並んでいるテーブルを指差した。そこには色々な料理が並んでいるが、目を凝らして見ると誰もいないところから、料理が少しずつ消えている。

「あら、本当だわ」

「ね?だから、そろそろ来る頃かなと思うんだけど」

『ジョアン様、来ました』

と、ベルデが側に来て言う。フワッと暖かな風が通り抜けると、スラリとした綺麗な女性と可愛らしい女の子が立っていた。ほとんどの招待客達は、まだ気付いていない。でも、合図を送ったエデーン侯爵夫妻はキョロキョロと辺りを見回し、私の所にいる2人を見て招待客に気づかれないようにこちらへ向かっている。

「ようこそお越し下さいました、ウィンディーネ様、シルフ様」

私がカーテシーをすると、ミラちゃんも倣う。ベルデも私の後ろで礼を取る。

『このパーティーは、貴女が主催なのかしら?』

「いえ、私の歓迎会でございます。主催はこちらの……エデーン侯爵様ですわ」

「よ、ようこそおいで下さいました。ウ、ウィンディーネ様、シルフ様」

『あら?私達のことは……あぁ、そこの緑の精霊からね』

『はい。緑の精霊、ベルデと申します。ここにいるジョアン様と契約をしております』

『あー、あなたがグノ爺が言ってた元ギガトレントね。珍しいから覚えてるわー』

こちらを見る招待客はいるが、マーメイドドレスのような服を着たウィンディーネ様にボリュームのあるワンピースを着たシルフ様を見ても精霊王だとは気付いていない。