軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

284.孤児院で料理

「あっ、ダガー兄ちゃん。ブラッド兄ちゃんも。」

孤児院に入ると、外で遊んでいた男の子たちが走って近寄ってくる。

「おう、院長先生とシスターはどうだ?」

ダガーが男の子たちに聞いたら、孤児院の方から

「私は何とか熱は下がっ……ゴホッゴホッ。」

「院長先生!大丈夫か?」

顔を出したのは院長先生だった。お祖母様と同じぐらいの年齢の女性で、優しそうな感じの方だ。

「えっええ、ごめんなさい。喉だけまだ痛くてね。ゴホッ……あら?ダガーとブラッドのお友達?ゴホッ。」

「初めまして、ジョアンと申します。」

私に続いて、ベル、ソウヤ、リキも挨拶をする。

周りにいる子供達は、私達も気になるがそれよりパールが気になってしょうがないようだ。

「よし!じゃあ、やりますか。みんな、手伝ってね〜。終わったら、ご褒美あげるからね〜。」

「「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」」

掃除はダガー達と男の子6人に任せて、私とベル、女の子4人は料理に取り掛かる。

「じゃあ、ハンバーグを作りまーす。」

「「「「ハンバーグ?」」」」

「うん、肉のミンチに微塵切りにしたタマオンを混ぜて焼いたものだよ。じゃあ、まずは手を洗ってタマオンの皮むきね。」

「「「「はーい。」」」」

タマオンを微塵切りしフライパンで炒める。その間に女の子達に2人1組で塩胡椒をした挽肉を粘りが出るまで捏ねてもらう。ベルには、ストレージから出したカボキンのポタージュに入れる、クルトンを作ってもらう。挽肉に炒めたタマオン、パン粉、卵を入れてさらにこねこね。形を整えて、焼いていく。ソースはトメットソース。

ご飯が完成し、女の子達はまだ終わっていない掃除チームを手伝いに行った。

寝込んでいるシスターと喉の痛い院長先生の為に、卵がゆを作っていると、どこからか藍色の鳥が飛んできてジョアンの周りを旋回する。掌を広げると、そこに鳥は着陸し手紙にかわる。

手紙の主は、王妃様だ。やはり、院長先生とシスターが風邪を引いたのは知らなかったらしい。すぐに自分が行ければ良いが、仕事があって行けないと。そのかわり明日、王都南のギルドに全員に指名依頼を出しておくから受けて欲しい。ちなみに期間はシスターが復活するまで。

ベルに詳細を伝えながら、卵がゆを完成させる。ついでに、喉に良いとされるハチミツリモンを作り終え、院長室に向かう。

コンコンコン「失礼します。ジョアンですが、今少しよろしいでしょうか?」

「ゴホッゴホッ……ど、どうぞ。」

院長室に入り、王妃様からの手紙を見せる。内容を確認した院長先生は、驚いている。

「あの……ジョアンさん達は一体……。」

「改めてご挨拶致します。ランペイル家が長女、ジョアン・ランペイルと申します。そしてこちらは……。」

「ば、バースト家長女……ベル・バーストと申します。」

「ご丁寧にありがとうございます。ゴホッ……申し訳ありません。私は、この孤児院の院長をしております……ゴホッ、シスターアルマと申します。王妃様に連絡して頂きありがとうございます。ゴホッゴホッ。」

「いえ、これから何日か宜しくお願いします。あの、早速ですが、こちらを……。」

「えっと、これは?」

「ハチミツリモンです。ハチミツは喉に良いとされますし、リモンも風邪引いた時に免疫力を上げると言われてますから。」

「ありがとうございます。ゴクッ……美味しいですわ。」

「寝込んでいるシスターにも同じ物と、あと食べやすい粥を作りましたので。」

「何から何まで、本当に申し訳ありません。」

「いえいえ、それもこれも王妃様の指示があってのことですから……。」

うん、後々面倒になっても困るから、王妃様に丸投げしとこう。

掃除も終わり、夕食の時間になる。

「「「「「「「「「「うっま!!」」」」」」」」」」

「「「「おーいしー!!」」」」

ハンバーグは、皆んなに好評だった。全員が完食をし、お手伝いのご褒美とデザートととして、ミニパンケーキのリップルのコンポート添えを出した。もちろん、これも大好評。

それもそのはず、孤児院では高級な砂糖を使ったお菓子なんて出ない。だからこそのご褒美だ。小さい子供だからと言っても、仕事にはーー今回は掃除と夕飯の手伝いーー報酬が必要だ。だから、今日だけでなく月に一回、私がお菓子を差し入れすることを条件に、ちゃんとシスター達のお手伝いをするようにと子供達と約束した。

*****

それから、しばらくして臥せっていたシスター達も復活して、私達は王都南のギルドで報酬を貰いに行った。

6人で受付に行き、受付嬢に達成報告をすると、少々お待ち下さいと慌てて後ろに下がってしまった。

「何だろね?」

「「「「「さあ?」」」」」

と私が5人に言うと、声を揃えて答える。元々、ダガーとブラッドは武術のクラスでしか顔を合わせないCクラスの生徒だったが、この依頼で随分と仲良くなった。

「大変お待たせ致しました。こちらで手続きを行いますので、どうぞ。」

戻って来た受付嬢に案内されて、通された所はギルマスの執務室。

困惑している私達を、さあさあと中に入るように促す受付嬢。

ジョアン行けよと皆んなに言われ、執務室に入るとそこには魔物も恐れをなして逃げ出すんじゃないだろうか?と思うぐらいの、強面で左目に眼帯の大柄&スキンヘッドの男性が鎮座していた。

「おう、来たか。そこに座れ。」

「「「「「「は、はいっ!」」」」」」

顎でソファーを指されて、私達は恐る恐る座る。もちろん、背もたれを使わず、浅めに座って背筋を伸ばしている。

「うふふ、そんなに怯えなくて大丈夫よ。誰も取って食おうとしないわ。ギルマスだって、こんな人を殺しそうな顔をしているけど、優しいのよ〜。甘い物大好きだしね〜。」

受付嬢が私達にお茶を出しながら、ギルマスをフォローしてる?ディスってる?

こんな強面で、甘い物好きってエイブさんみたいね〜。

「おい、ウェンディー。それフォローになってねーよ。」

「あら?そうですか〜。ほら、ともかく手続きについて説明して下さい。私も子供達も忙しいんですから。」

「チッ。」

怖そうなギルマスを軽くいなしている受付嬢のウェンディさんって、猛獣使いかしら?